第37話 ダンジョン改造

 異世界ダンジョン3階に上がり、赤いポータルに登録して一旦、ここで現実世界に帰る事にした。


 ダンジョンの中に居るのは一瞬だから、どうせまだ事態は収拾していないだろうと思いつつも期待してしまう自分がいた。


 現実世界に帰ると案の定、騒動は収まっていなかった。やっぱりねと思いつつ落胆してしまう自分がいた。


 気を取り直して、獲得したダンジョンの改造でも始めるか。

まずは奈良の倉庫にテレポートして、ダンジョンの中に入りポータルでコアルームに行く。


 コアルームで10層中に1層だけ魔物が出ないフロアを作り、その階層に繋がる階段を消して新たに魔物が出ないフロアの次の層に上る階段を作る。


 この奈良ダンジョンは100階層だから10階層出来る事になる。10階層分のレベル上限分は下の階のレベル上限分を増やして対応する。


 魔物が出ないフロアに上がれる黄色いポータルを新しい大きなトラックが通れる入り口を作りそこに設置する。その隣に人用の小さな入り口と黄色いポータルを設置する。


 この車と人間用の入口は中では繋がっておらず、別々の場所に設置された出口のポータルへと行く。ダンジョンの中から外に出る入り口を作りダンジョンの外に出口になる入り口を作る。つまり、入り口専用と出口専用の2箇所の車と人のダンジョン扉を用意する事になる。


 こうする事で事故と混雑の回避になる。


 各階層をフィールド型にして何を作っていくかだが、これは1つ目のフロアはあらゆるレアメタルを含んだ鉱山だ。定期的に掘った穴は復活するので資源も無限だ。


 まぁ、レアメタルの価値がだだ下がりになるので言わないが。


 別の場所で石油を出すかどうか迷っているんだよね。魔石発電が実現すれば価値が暴落するし。う~ん、今回は見送りで!


 後は食べ物かな。小麦やキャベツやレタスにトマトとか良いかもしれないな。


 こうして構想は練られていくんだけど、食べ物の高いのって何?


 そんな風に改造していったが、ポータルがある所には許可のある車や人間じゃ無いと出入りできないようにした。


 そんなこんなでダンジョンの計画を進めて行くと、手が止まったり逆に捗ったりしたりする。TVなんかじゃ急に倉庫の壁に見た事も無い巨大なダンジョンの扉が開かれて驚いたと思うが、時計の針も無いので逆に混乱していた。


 俺としては、事業用の扉でそれ以外は知ら無いって言う所だけれど。


――アカシャ、レアメタルを採掘している会社で精錬までしている会社はある?


『日本に限らなければいくらでもあるわよ?」


――共産圏以外で頼むよ。


『それでも結構な数があるわよ。技術を持っていて安く買い叩きたいのならこの会社なんてどうかしら?』


――その会社に何かあるの?


『借金とかは無いんだけどね。掘れる所が更新してくれなくて今現在、探してる最中だけど他の道も探ってるという感じね。だから事業部を技術の特許とか機械も含めて譲って貰えば良いと思うのよ』


――山口浩介やまぐちこうすけさんに出来ると思う?


『彼はビジネス英語が喋れたはずだから行けると思うわよ』


――上限と下限の値段を教えてくれる?


『上限はこれだけで下限はこうね』


――ありがとう、アカシャ。それを山口浩介やまぐちこうすけさんに伝えるよ。


『どういたしまして。じゃあね』


――うん。じゃあ、またね。


 それから俺は山口浩介やまぐちこうすけさんに連絡して言われた会社の事情部の買収を上限と下限の値を言ってレアメタルの採掘や関連する特許や機械ごと事業部を買い取る様に交渉してくれる様にお願いした。もちろん、アカシャから聞いた弱みはちゃんと教えた。


 葉月はづきには海外の会社の事業部を買収するかもしれないと言ってインターフェースや他の部分を英語仕様に変更したのを作ってもらう事にした。


 雑務をこなしていると、また海外でスタンピートが起こってしまった。


 今度は政府が封鎖して軍や警察官だけで攻略しようとしている国だった。


 人が逃げ惑い、警察や軍が抵抗むなしく後退していく。レベルがその国では上位の人達が剣や槍を持って立ち向かっている所だけは押し返していたが、これも時間の問題だろう。


 ふと映像でおかしな光景があった。直ぐそこに人も軍隊も居るのに魔物が進もうとしない所か反撃もしようとせずに魔物が人を無視している場面が出た。


 この光景を写しているTVのキャスターも不思議がっていた。


 場面が変わって未だスタンピートを起こしていないスタンピートを起こしたダンジョンの近くだという。そこには魔物は来ずに平和な光景が広がっていた。

 もちろん、人はレポーターだけだったが。


 TVのキャスターが地図の画像を持ってきて今、スタンピートが起こっている場所に×マークを付けて、その近くのダンジョンに○マークを付けて、不思議な光景がある魔物が入ってこない所を地図上に書いていくと、○マークのダンジョンの丁度半径5km程の円形の地点から○マークのダンジョンに進もうとはしない事が分かった。


 この事を発見したキャスターはスタンピートが起こっていないダンジョンの5km以内に逃げる事を推奨していた。


 結局、その国の他のダンジョンでも同じ事が起こっていた事が確認されて、政府もスタンピートを起こしていない&起こしそうに無い安全なダンジョンから5km以内に逃げる事を推奨して行く事になった。


 俺の話題はこの事で吹き飛んだが、暫くしたらダンジョンを攻略させようと騒ぎ出すのは時間の問題だなと思った。


 ダンジョンのバザーでインベントリ付きレベル1000の式神をもう32000個購入した。


 そして、12000個を使いそれぞれ2000個ずつ奈良、大阪、東京、京都、名古屋、神戸へ持っている物件の不法侵入者や滞在者はいないかのパトロールと居た場合の人の退去とその人の持ち物の撤去を命令した。


 その際、多少傷付けても構わないと命令した。


 休日が終わり、大学に行く日々が始まった。


 大学の授業が集中講座で大変だ。


 いや、内容は分かるよ、レベルアップのお陰で。


 でも、集中力が続かないんじゃー!!


 いや、これマジで集中力が続かない。ダンジョンの中で600年以上過ごした所為か集中力が切れるのが早いんだ。


 ダンジョンでなら集中力は適度に保てるんだけどな~。


 う~ん、どうにかならないかな、これって。


 てな事を考えていたら授業が終わった。


 マンションに帰り、オリジナルダンジョンへ行く。


 そこから異世界ダンジョンに行き、探索の続きをする。


 皆を召喚して、戦闘用意をする。


 3階に上がった所だったから、扉を開ける前に扉にかくれて2人で開けるが今回は奇襲は無かった様で良かった!


 3階は通路形式のダンジョンで、比較的マッピングは捗りやすいダンジョンだ。


 洞窟タイプは脇道が小さければ見逃してしまうし、フィールドタイプは自分の位置を見失いやすい。


 それに対して通路形式は隠し通路以外はマップに沿って歩けば良いので楽だ。


 そうして、通路に沿って俺達は歩き出した。ここでは一番下のレベルになるので油断は出来ない。神護のネックレス頼みになる。


 音を聞いて敵が歩く音や話声を拾い、奇襲していく。これが一番下のレベルの戦い方だ。


 卑怯?卑怯上等!生きてこそだよ! 生きてこそ次がある。


 まぁ、俺達の場合は死んでも次があるが死にたくは無い! 生きてこそだよ、本当に!


 そうやって戦っていたらレベルが上がってレベル11になった。


 これで少しは楽になるが、油断をしそうなのが怖い所だ。


 そうやって、油断せずに奇襲で倒していくのが俺達のモットーだった。





―――――――――――――――――――――――――――――

次回は友達が居ない事に気がついた主人公が友達を作ろうと頑張るよ!

なお、製鋼すると言っていない!

お楽しみに!


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