第36話 異世界ダンジョン2階

 異世界ダンジョンも2階に上がり、赤いポータルも登録して敵の強さも一段上がった。


 2階は洞窟風の構造だった。


 何とか一戦一戦戦っては休憩してレベルが上がるのを待っているが、いきなり敵が強くなりすぎの様な気がする。


 とにかく、今は勝てる敵に勝ってダメなら逃げるしか無かった。1階の強者も2階の弱者になってしまう。


 これがダンジョンの怖さかと思った。


 そうして一戦一戦戦っていくと、慣れてきて余裕も出てくる様になって来た。


 こういう時が一番油断しやすい!気を引き締めなければと思ったら、早速奇襲を受けた。


 ここは一旦引き下がって、体勢を立て直してから攻撃する事にする。


 そうして引き下がって隊列を組んで追ってきた敵を迎撃すると、2階に踏み入れるなり食らった奇襲よりもずいぶん楽に対処出来た。


「最初に受けた奇襲よりも楽に対処出来たな」


「そうですね。私もそう思いますが奇襲は受けない方が良いです」


「わたしもそうおもいます」


「奇襲を受けるのになれない為にわたくしは警戒をがんばります」


「あたしも~」


「私もデス」


「まぁ、生き残ったのが一番だ。ここで10分間の休憩にするよ」


 そう言って、10分間の休憩をする事にした。これには神護のネックレスの回復待ちという事もあった。


 そんな戦いをしている間に二連戦出来る様に成り、待ちに待ったレベルアップが来た。レベルアップでもう総合力を見るのは止めたからどうなっているかは知らないが、前の時と同じなら+1されている程度だと思った。


 これでレベル6になった。2階じゃ卵から殻の付いた雛になった所じゃないかな?


 まぁ、何にせよ戦力が上がったのは良い事だ!


 この調子でいきたいものだと思っていたら、三連戦が待っていた。さすがに疲労して神護のネックレスの回数も少なくなり、又、10分間の休憩を入れる事になった。


 そうしてちょびちょび戦っていると三連戦から6時間後にレベルアップした。これでレベル7。完全に雛になったなと言う所かな?


 マップは未だ5分の1も埋まっていない。階段を見つけたら上限レベルに達していたら直ぐに上の階に上がるし達してなかったらマップ埋めの続きだ。


 マップを埋めていたらマップの壁に変な色が付いた壁があった。早速調査すると、今回は罠だった。それも転移の罠だ。これの解除は難しいがしない訳にも行けないので皆で集まって罠を解除した。


 罠解除で得た報酬は転移陣だった。


 転移陣を簡単に解読してみるとランダムにこの階の何処かに出現する様になっていた。魔法陣魔法で魔法陣を写し取って保管しておく事にした。


「皆、この色は罠だと覚えておいてくれ」


「「「「「は~い」」」」」


 探索に戻った俺達はまたもモンスターに出くわしていた。まぁ、殲滅出来たから良いのだが、何故か異世界ダンジョンのモンスターって殺意高すぎない?


 普通だったら逃げる様な場面でもこっちを殺そうとして来るんだから俺達の世界のダンジョンとは大違いだ。


 経験値的には美味しいけれど、敵意というか殺意を向けられるのは正直げんなりしてくる。


 まぁ、それが仕事と言えば仕事になるかもしれないが。


 そろそろマップが半分埋まったかどうか名という所で腕時計が夕方の6時を示したのでインベントリからいつものミニチュアハウスを取り出し使用する。


 ミニチュアハウスの中に入り、エルサとアステルが夕食を作ってくれた。

 皆と話して風呂に入り、さあ寝ようかという時にアカシャから連絡が来た。


『やったわ――! 管理者からミニチュアハウスの中で休憩している時なら話して良いって権利をもぎ取ったわよー! これでホーム以外でもミニチュアハウスで休憩してくれたら話せるわ!!」


――うわ!いきなりすぎて吃驚した! 何、ミニチュアハウスの中で話せる様になったって。それはとても良い事じゃないか!!


『そうなのよ!皆がホームに戻ってこなくて伸幸と話が出来ないって思ったから管理者に直訴したらミニチュアハウスの中なら話して良いって許可が出たのよ!』


――そうか。そりゃ話せなかったら寂しくもなるよね。


『さ、寂しくなんてちょっとしか無いわ・・・・・・よ?』


――そういう正直な所、すきだなぁ。


『もう、意地悪ね!』


――常日頃からアカシャに鍛えられてますから。


『もう、本当に意地悪ね!」


――それで今日は話だけ?


『それがメインだけど、異世界に行く事になったら異世界語の会話や読み書きが出来なきゃ行けないでしょ?アステルって向こうの創造神らしいから頼んで異世界語を覚えたら?』


――あ、それは良いね。明日の朝にでも教えてくれる様に頼んでみるよ。


『それが良いわね。それじゃあね』


――それじゃ、おやすみなさい。


 翌朝、朝食中にアステルにアステルの世界の言葉と読み書きを教えてくれる様にお願いした。


 直ぐにOKの返事が来た。他の皆も参加する様だ。


 ミニチュアハウスを小さくしてインベントリの中に入れる。


 探索の再開だ。朝の運動がてらモンスターを倒して探索を続ける。


 洞窟を彷徨っていると左方向の壁に扉が見えた。ドアに罠が無いかを確認して獲物を抜き、ドアを開けて強襲を掛ける。


 敵は3体いたが奇襲の為に瞬殺だった。奇襲にも慣れた者で相手が訳が分からない内に殺すのが上手くなった。


 ドロップ品は足輪が回収している。


 部屋の中を探ると、ポーションが3個出てきた。鑑定で見ると慢性の病気治療のポーションらしい。インベントリに入れておいた。


 そして部屋を後にして、探索を続ける。


 探索を続けると偶に綺麗な光景に出会う事がある。地底湖にダンジョンの光り苔が密集して強い光を放っていて実に幻想的な場所だった。


 そんな所でも敵が現れれば台無しである。もしかしたら敵のモンスターもそう思っているのかもしれない。


 戦闘に入り、相手を牽制する為の攻撃をする。相手が乗ってきて攻撃を仕掛けてきたのをカウンターで切り殺す。


 此方の数が多かった事もあり他の皆も戦闘は殆ど終わっていた。と言うか、今、完全に終わったわ。


 その時、レベルが上がりレベル8になった。若鳥という所だろうか?


「これで皆、この階の平均のレベルになりましたね。戦いが楽になりそうで私は嬉しいです!」


「そうだな。やっと平均に来たって所だな。油断は禁物だな」


「ご主人様、ご主人様と皆の下着が出来ましたので渡しておきますね。わたしは下の下着っているのかな?一応、人化の時の為に作っておいたけど」


「ありがとう。でもこんな所じゃなくてミニチュアハウスの中で渡そうね」


「は~い」


 そういった雑談をしながらマップを埋めていく。すると階段が見つかったが、レベルが未だ足りないのでモンスター捜しのマップ埋めに戻る。


 マップには階段の位置がちゃんと記されていた。


 マップとモンスターを倒すのを平行でしていくと、マップの壁に変化があった。今までと違う色だ。


 色の違う壁を中心に探るが何も無いので蹴ってみると一部が崩れたのでこの壁を壊す事にした。そうしたら新しい真っ直ぐな通路に扉が閉まっていた。


 扉を調べると毒針の罠があった。ミアが糸で解除したいというので任せる。無事解除出来て、毒針を手に入れた。インベントリに入れて準備をしてドアを開けるとボーナスモンスターのカーバンクルがいた!


 すかさず念動力サイキックで一匹を殺し他のカーバンクルは仲間に任せる。逃げられそうになった時もあったが、無事に全てのカーバンクルを倒す事が出来た。


 ドロップ品はいつもの宝石に本とスクロールに認識阻害のアクセサリーだった。インベントリに入れて、レベル上げのマップ埋めに戻る。


 結局、レベル10になったのは翌日になってからだった。




―――――――――――――――――――――――――――――

次回は獲得したダンジョンの資源開発を始めるよ!

ダンジョン改造!

お楽しみに!


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