第38話 友達ってどう作るの?

 異世界ダンジョン内での時間が1年を過ぎた。


 攻略階数は53階だ。


 何度か罠や運が悪くモンスターハウスに引っかかって死んだりもした。


 思ったよりも進みは遅いが、こんな物だろう。


 モンスターも強くなって居るので相変わらず奇襲戦法が基本だ。


 今も息を潜めて敵がくるのを待ち伏せている。


 どうやら敵は4体の様だ。オークが居れば美味しい肉が食べられるからオークソルジャーでもいればいいなぁ。


 そうやって待っていると敵が此方の範囲に入ったので奇襲に入る。オークは居なかったがそれよりも良い肉を落とすクレイジーカウが居たので良しとする。


 今回はクレイジーカウの群れだった様でお肉の色々な部位がドロップした。


 夕ご飯が楽しみになってくる。


 階層が低いモンスターと同じモンスターでもレベルが違うのでその階層特有のレベルになっているので侮れない。


 レベルはレベル264になり、この階層であげられるのは後1レベルだけだが階段が見つかっていない。


 マップも半分は埋まって居るのに見つからないのは運が悪いのか?


 一応、豪運のスキルがあるんだが?


 それにしてもこの階層は湿地なので休憩でも座る事が出来ないのが辛い。


 偶に陸地を見つけたらそこで休憩するが、座って休憩できないことがこんなに疲労度が違うとは思わなかった。


 底なし沼にも気を付けないと行けないから歩みも遅くなるし、湿地がこんなにやりづらい所だとは思っていなかったよ。


 まだ、ピラニアみたいな魚がいないだけマシと思わなくてはいけないな。ピラニアみたいな魚がいたら神護のネックレスが役に立たなくなってしまう。


 そうこうしている内に階段が見つかり、後はレベルを上げるだけになった。


 マップも順調に埋まって6分の5は埋まっている。


 探索して敵を見つけて倒してる内に上限レベルのレベル265になったので階段を上がり、赤いポータルに登録して扉は開けずに今回は疲れたので異世界ダンジョンから抜け出してオリジナルダンジョンの安全地帯セーフティーゾーンでアステルから休憩してから異世界言語を皆で習う。


 前の復習から始まり新しい言葉に移っていく。前の勉強の時間と大分離れているので思い出すのに苦労をする。


――アカシャ、アカシャは異世界言語は分かるの?


禁忌図書館アカシックレコードに載っているから当然分かるわ』


おお!分かるのか、これは期待が持てるぞ!


――おお!凄い!俺にも教えてくれ!


『アステルが頑張って教えているじゃない』


――そうじゃ無くて、一日の終わりに簡単で良いから教えて欲しいんだ。教科書や問題集が無いから覚えるのが難しくて・・・・・・。


『ああ!そう言う事ね。教科書や問題集は諦めなさい。1日の終わりにアステルに勉強会を開いて貰えばどう?』


いや、それじゃあアステルの負担が重くない?


――疲れているのに申し訳ないだろ?


『そうかな?教えた事を忘れられるよりも良いと思おうけどな?』


――ぐっ!それを言われると弱い。


『だから、アステルに1日が終わったら少しで良いから勉強を皆に教えてくれる様にすれば良いのよ!分かった?』


仕方ない、アステルに聞いてみるか。


――アステルに聞いてみるよ。それとは別にアカシャもお願いね。


『もう!しょうが無いわね!』


アステルの所に向かい、話をする。


「アステル、異世界言語なんだけど教えて貰うのに間が空きすぎると忘れてしまうから1日の最後に少しで良いから皆や俺に教えてくれないか?」


申し訳なさそうにアステルに言う。


「マスターや皆にもデスか?忘れられるのは困りますね。分かりました。1日の終わりで少しで良いのでしたら勉強会を開きましょうデス」


やってくれるの!感謝だよ!!


「ありがとう、アステル!」


「忘れられるのは困るのデスので仕方が無いのデス」


アカシャにも言われたが、それを言われるとキツいなぁ。


「グッ!それを言われると弱いな。悪いけど頼むよ」


「まかしとけデス」


 こうして異世界言語の件は片が付いたが、大学等の勉強も忘れてはならないので復習と予習を毎日やっておく事にした。


 ダンジョン攻略をしていると現実世界の授業の内容とか忘れるので困るよね!

仕方ないから、こっそり授業を盗撮しているけれども見返すと新しい発見があったりする。


 そう勉強に苦労している所とか!


 あれ?なぜか勉強に苦労している様な記憶しか無いぞ!


 そういえば友達と遊びに行ったのはいつだ?


 と言うか、そもそも悲しい事に友達と言える程の人物がいたか?


 記憶に無いぞ!もしかして俺ってぼっち!!


 うわ、気付きたくない事にも気付かせてくれる新しい発見だよ!


 そう俺が精神的にダメージを受けていたら、ミアからサイズの寸法を計らせて欲しいとの事で了承する。


 ミアの下着は防弾・防刃でとても強いスパイダーシルクなのに肌触りがとっても良いのでとても好きだ。


 その事をミアに言うと照れながら”ありがとうございます”と言って寸法を計って出て行った。


 夕食になり、エルサとアステルが夕食を作ってくれた。クレイジーカウのステーキだ!


 非常に美味しくて赤身でもA5の脂ののった肉の旨味に負けていない所が凄い!


 魔物の肉で不思議なのは前にも言ったかもしれないが何故か魔物が肉を落とす時には透明なビニール袋に包まって落ちているのでビニールを洗えば綺麗に食べられるし、ビニールを剥がすまで賞味期限がインベントリに入れなくても数年持つので結構便利だ。


 このビニール袋の成分を解析出来たら良いんだけど、破ると消えてしまうので成分は調べられない。


 無念なり!


 夕食を食べ終わり、風呂に入って明日から3ヶ月程大学に通っていた所を勉強し直してから現実世界に戻って大学に通うか。


 3ヶ月後、オリジナルダンジョンから出ると夜だった事に驚いた。


 入った日の時間帯など1年半もしたら忘れているな。


 ニュース等をネットで見て時間を潰していると少し眠たくなったので寝むれた。


 翌朝、久しぶりに大学に行くと授業が新鮮で驚いた。前の時には集中力が持たなかったのが久しぶりに行くと何故か楽しくて集中力が持ったわ。


 授業が終わるまで楽しく勉強出来たが、忘れていた所も多々あり要復習と言う感じだった。


 友達作るぞ~!っと決めたは良いが友達の作り方が分からない!!どうすれば良いんだ?攫って監禁して友達になりましょうと言えば良いのか?


 いや、それじゃ犯罪者だ!ここは素直に話しかけてみよう。


 そう決めて、辺りを見ると人がもう・・・・・・居なかった。


――アカシャ、友達作りってどうするんだ?


『わ、私に言われてもわかんないよ!』


――禁忌図書館アカシックレコードで調べてくれ!


『調べても此方から話しかけるや趣味の合う人を見つけるとか明るく清潔にしましょうとかしか出てこないよ~!』


――そんな通り一辺倒の事は聞きたくないんだよ!どうすれば心から話せる友達が出来るんだ!


『それって、もう親友って言わない?』


――普通に挨拶ぐらいなら出来る人達はいるんだ。だけどそこ止まりで先に進めないんだ!


『私じゃお役に立て無いかなー』


――禁忌図書館アカシックレコードが有るでしょうが!!


『その禁忌図書館アカシックレコードが役に立たないんだよう!』


 結局、アカシャにぶちまけて鬱憤を晴らしてしまった。


 アカシャには後でごめんなさいと謝っておいた。


 でも、本当に難しいな友達作りって! 他の皆はどうしているのか知りたいよ! 切実に!!


 そんな事をしていても時間は経つ物で結局、友達の出来ないままであった。


 遊戯の友達たって遊戯が無いぞ、俺。しょうが無い、モンスターを殺して鬱憤を晴らすしか無いなっと物騒な事を考えていた。




―――――――――――――――――――――――――――――

次回は能力者の人材捜しの話ですよ。

見てのお楽しみって事でよろしくお願いします。


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