第27話 新しい部下と買収と

 ダンジョンが世界各地に現れて、1週間が経った。


各国はダンジョンを封鎖して中を調べて犠牲者を出しているようだ。


スライムに銃で撃っても質量を減らせないし、核に当たる確率は低い。その上、相手の攻撃力はボクシングヘビー級以上のパンチ力だ。


 これがゴブリンになれば道具を使ってくるし、分が悪いと分かれば逃げる。1階や2階は銃器で制圧出来ても3階から上は銃器では効かない敵になる。


 銃器に頼って攻略していた部隊はどうなるんだろうか?銃器だと銃を扱う上手さは上がっても攻撃力や守備力などは上がらずに頭打ちになると思うんだが・・・・・・?


 まぁ、俺が心配しても仕方の無い事か。


 それよりも梅花から言われているお得な土地建物の件だ。アカシャに相談しないとな。


――アカシャ、梅花から提案の来ている土地建物の件だが、ダンジョンが現れたし地価もこれまで以上に上下すると思うんだが、どれか良い所があった?


『そうね。今、13件来ているのね。練馬高野台駅の近くに有るこれなら購入しても良いと思うわ。他はこれとこの物件ね」


――想定金額は?


『練馬高野台駅の近くに有る物件は事故物件だから梅花が想定したのよりも安く買い取れるわ。そうね2割は安く出来ると思う。幽霊がいても回復魔法の浄化ですんじゃうし。他のは梅花の査定で問題ないと思うわ』


――誰か俺の代わりにこう言う売買や企業買収なんかをしてくれる人が居ないかな?


『探せばいるわよ。例えば飯山千里いいやまちさとさんは不動産の売買に強いし、山口浩介やまぐちこうすけさんは企業買収の専門家だしね。』


――その人達、部下に出来ないかな?


『出来ると思うわよ。飯山千里いいやまちさとさんは自分の業績を上司に取られているのが常態化しているのにうんざりしてるし、山口浩介やまぐちこうすけさんは上司のいじめに今は耐えてもこれからは耐えられないからね』


――その2人の電話番号と落とし方を教えてくれ。


飯山千里いいやまちさとさんは○×△-○□××-××××で話を持って行って今の1.5倍の給料でなら簡単に引き抜けると思うわよ。

 山口浩介やまぐちこうすけさんは△○△-×□××-××××で上司があなた1人だけで失敗時の叱責はあるがいじめが無い事を言い、虐められた件をパワハラで相手を訴える裁判を起こす費用を持てば部下になってくれると思うわ』


――早速連絡してみるわ。


『あなた、授業中でしょ!どうやって連絡するの!』


――あ!忘れてた。次の休み時間にでもどっぺる君と入れ替わって連絡を取る事にするよ。


『それが良いかもしれないわね。でも、あんまりどっぺる君頼りにすると整合性がとれなくなるわよ』


――分かった。ほどほどにしておく。


 次の休み時間にトイレの個室に行き、鍵を閉めて転移魔法で東京のマンションに帰り、どっぺる君を起動させてトイレの個室に転移魔法で転送する。


 そして、俺は携帯を使って2人に連絡を取った。


 待ち合わせは午後9時に新宿のバーで待ち合わせをした。バーと言っても酒ばかりで無くソフトドリンクのカクテルも出す所だ。


 飯山千里いいやまちさとさんは今夜が空いてるという事で今夜に、山口浩介やまぐちこうすけさんは明日が空いているという事で明日に交渉する事になった。


 1コマが終わる頃にテレパシーでどっぺる君に連絡してさっきと同じトイレに入って鍵を掛けて貰う。


 どっぺる君を転移魔法で転移してマンションの部屋に戻り、どっぺる君を解除する。体験が来たが、そう早く授業に進展がある訳でもなかった。


 転移魔法でどっぺる君が鍵を掛けたトイレの個室に転移し、鍵を開けて手を洗い教室に戻る。さあ、授業だ。


 飯山いいやまさんと待ち合わせしてるバーに10分前に着いた。暫く待っていると、女性が入り口で誰かを待っているようだ。飯山千里いいやまちさとさんかもしれないと思い、声を掛けるとその通りだった。


 レディーファーストでドアを開けて入れるようにする。飯山いいやまさんは”ありがとうございます”と言って入っていった。


 テーブル席に着き、ソフトドリンク系のカクテルを互いに頼み名刺交換して話を始める。


「電話でもお話ししましたが、今回来て貰ったのは飯山千里いいやまちさとさんを当社で引き抜きたいと考えて連絡を取らせて頂きました。

 調べさせて頂きましたが飯山いいやまさんは今の会社に不満はありませんか?」


「無いと言ったら嘘になりますが、転職を考えた事は無いです」


「上司に成果を取られるのが常態化しているのにですか?」


「う!それは、その~・・・・・・」


「ハッキリ言ってうちは新興の会社です。ですので仕事はいっぱい有りますがその分給料に反映させて頂きたく思います。最大で今の1.5倍出させて頂きます」


「そんなに貰えるのですか!・・・・・・すみません。行き成り」


「いえいえ、前向きに考えて下さる材料になるなら良いのですが・・・・・・」


「そうですね、一晩考えさして下さい」


「いきなりの話ですのでどうぞゆっくりお考え下さい。考えが決まりましたら名刺の連絡先に明後日の夜9時以降に携帯にご連絡下さい」


「分かりました」


「それでは、ここの勘定で申し訳ありませんがこれだけ置いていきますので楽しんで下さい」


 そう言って俺は3万円を机においてレジで先程のカクテル分を2人分精算して出て行った。


次の日の夜9時前、同じ店のバーにて俺は山口浩介やまぐちこうすけさんを待っていた。


 前日同様に待ちぼうけをしているアラサーの人が居たので声を掛けるとやっぱり山口浩介やまぐちこうすけさんだった。


 レディーファーストでは無いが、ドアを開けて中には入れるようにする。


 ”すみません”と言い、中に入っていく山口やまぐちさん。


 前回同様のカクテルを頼み、テーブルに行く。


 後は昨日と同じだが違うのは給料は同額だが上司は俺しか今の所いない事や虐めに対して証拠となる物を録音や保存しておく事を言い、手帳にも日記のように書き込むようお願いした。


 そして裁判の時の費用は此方に移ってくれれば此方が全面的に持つと言い、辛かったらうちじゃ無くとも誘いのあった会社に行っても良いんだよと言った。


 このままでは病気になるとも。そして、返事は明日の夜9時以降に名刺の携帯の連絡先に電話をくれれば良い事を伝えてテーブルに3万円を置いて頼んだカクテル分を精算して帰った。


 翌日の9時以降に2人からお世話になりますと連絡が来た。山口やまぐちさんは俺が言うまでも無く証拠の品は集めて取っていたそうだ。裁判はするそうだ。


 会社の弁護士の加藤さんに連絡して理由を話すと、その案件は自分よりも上手い弁護士が東京にいるので紹介するとの事で紹介して貰い任せる事になった。


 早速、飯山千里いいやまちさとさんにはアカシャが言っていた物件の買い取りと事故物件の件と予想落札価格を言って買収に言って貰った。


 山口浩介やまぐちこうすけさんにはアカシャに聞いた株式100%取得で研究も含めてカーボン系に強い会社で将来性のある会社が有るかどうか、有るなら買収出来るかどうか聞いた所あるし可能だという事でその買収額を基準に株式100%で買収してくれるようお願いした。


そうしてマンションに戻ると足輪の中をインベントリに移し、ダンジョンのバザーに用事があるのでダンジョンに行く。


 ポータルで998Fに行き、新しいものがないか探しながら変幻の指輪(質量を伴った幻影?を顔や体に覆い被さり好きな形に変装する)を探す。


 新しく式神Lv5000が有ったのでそれを2000個と変幻の指輪20個を購入する。


 このオリジナルダンジョンで最後の敵として戦った女神のドロップ品の白金のスクロールを取り出し鑑定すると、召喚獣のスクロールと出た。


 これ、本当にどうしようかな?





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