第59話 5個目の管理者ダンジョン①

 方針が決まったのでカモメ亭でこの国の管理者ダンジョンを探す事にする。


 禁忌図書館アカシックレコードでこの国の管理者ダンジョンを調べてみると、50km程西に行った先に大きな街がありそこに管理者のダンジョンがある様だ。


 何時もの如く、そこをマップに表示してそこまでの道筋をナビに登録する。


 冒険者ギルドに行き次の大きな街の冒険者ギルドへの紹介状を作って貰って手数料を払う。


 港町から出ようとしたら、屋台で蟹を売っていた。これは食べなくてはならないと購入すると、茹でた蟹に棍棒で叩き、甲羅等に亀裂を付くって食べやすい様にしてくれた。


 中々食べ応えのある蟹で美味しかった。


 ようやく港町を出て、管理者のダンジョンのある大きな街に向かって歩き出した。


 ◇◆◇◆


『蟹、美味しかった!』


 アカシャが行き成り話しかけてきた。


――美味しかったな。今度あの街に寄ったらまた食べよう。


『そうね! 次は食べ尽くさないとね』


――それは俺の胃が持たないから辞めてくれ。


『でも、美味しかったでしょう?』


――ああ! 美味しかった。


『次の街の屋台を巡るのも良いかもね』


――そうだな。食べ歩きなんか良いかも知れないな。


『それは楽しみ!』


 こうして俺はアカシャと話しながら歩いて行った。


 ◇◆◇◆


 そうして歩いてる最中に向こうから紋章の入った馬車が通ってきた。


 俺達は脇にどいて通行の邪魔をしない様にした。


 それが幸いしたのか特に難癖を付けられずに紋章突きの馬車は去って行った。


 ただ、去り際に護衛の兵士が”チッ”と舌打ちしたのが気になった。


 気にはなったがそれを無視して目的地の大きな街へ歩いて行く。


 1時間半程で目的地の街に着いた。


 門の前でいつもの様に順番を待つ。


 順番を待っていると芸人の一座が一緒に並んでいるのが分かった。


 並んでいると芸人一座の真後ろと言う事もあり、色々な情報が入ってくる。


 さっきすれ違った紋章付きの馬車はどこそこの貴族で横暴な性格だとか、この街で興行の許可が下りるかどうかダンジョンがあるから分からないとかそう言う情報が多く入ってくる。


 そうこうしている内に俺達の順番になった。


 いつもの様に手続きをして違うのは認識票がこの国の物になっただけだ。


 認識票を機械を通して何も無かった様で皆、素直に通された。


 冒険者ギルドに行き、紹介状を渡し認識票を渡して手続きをしてもらう。


 何も問題なく認識票は返って来た。


 早速、管理者ダンジョンに行く事にした。


 相変わらず管理者ダンジョンは賑わっている。


 順番の列の最後尾に並び、順番がくるのを待つ。


 順番はすぐに来る。いつも通りに手続きをして認識票を渡して返して貰う。


 問題はこれも無く普通にダンジョンに入っていけた。


 ポータルにいつもの様に登録して、ダンジョンの扉を開き入っていく。


 後はいつもと同じような感じだ。


 ◇◆◇◆


『気を付けて! 禁忌図書館アカシックレコードで見たらこのダンジョンには今、この世界の神様がダンジョンに挑んでいるから出会ったら攻撃してくるかも知れないからそうなったら必ず相手を殺して!」


――おいおい、行き成り穏やかじゃ無いな。そんなにヤバイ神様なのか?


『この世界の一部で信仰されている神様で破壊神を名乗っているから好戦的だと思う』


――マジか~。なんで今日は運が悪いんだろう。


『まぁ、必ず出会うって和気じゃ無いから気を付けて探索していってね。一応、破壊神に出くわさないルートをナビに登録しておいたから』


――それは助かるよ。有り難う。


『気を付けて行ってらっしゃい』


――ああ。 有り難う。


 そうして俺達は探索を再開した。


 探索は順調に進んでいた。


 少なくても30階までは順調だった。


 30階で問題が起こった。


 それは、破壊神が階段のある場所から動かないのだ。


 これは困った。


 暫く待っても破壊神に動きは無かった。


 仕方が無いので破壊神を殺す予定で行ってみるしか無いと皆で話し合って決定した。


――アカシャ、破壊神の命は1つか?


『破壊神の命は3個持っているよ』


――有り難う。これで殺し損ねる事は無いよ。


『頑張ってね』


 そう言ってアカシャは黙った。


 それではと気合いを入れ直して、破壊神のいる階段に向かう。


 行く途中でアーキタイプスライムがいたから念動力サイキックで捕まえて宙づりにして階段に着く手前の角に隠しておいた。


 破壊神がこちらに気がついて寄ってくる。


「ここからは通行止めだ! 帰れ」


「そんな事は何処にも書いてないぞ。と言うか、ここは現世の法は通用しない異空間だろう?」


「殺されたくなかったら帰れ。これ以上近寄るなら破壊神の俺が相手になるぞ」


「そうは言われても、俺達も上の階に用事があるから引けないな」


 そう言うと、破壊神は行き成り襲いかかってきたのでなで切りにしたらあっさり死んだ。


 未だ、あと2つの命があるので上半身と下半身を一緒にして隠してあったアーキタイプスライムを念動力サイキックでこちらに呼び寄せて破壊神の上に置く。


 すると途端に破壊神が生き返って逃げようとするが、しっかりとアーキタイプスライムに捕まっていて逃げられない。


 そういった事を後繰り返して破壊神の命のストックは切れ、灰にもならずに消滅した。


 アーキタイプスライムは危ないので火炎ファイヤで燃やした。


 

―――――――――――――――――――――――――――――


 次話予告

 5番目の管理者ダンジョンを攻略するお話です。

 次回、5個目の管理者ダンジョン②です。


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 海賊に襲われて避難した先がファンタジー世界でした!〜早く迎えが来ないかな?〜

 https://kakuyomu.jp/works/16817330662539350584

 

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