第41話 異世界ダンジョン100階突破!

 時間が経ち、山口浩介やまぐちこうすけさんに頼んだ仕事はどうなったかなと思っていると本人から連絡があり今日で全部の仕事が終わったそうだ。


 お疲れ様と有給休暇1日あげてねぎらった。


 と言うのも、またもや買収の下限値に近かったからです。


 奈良のダンジョンで採掘作業をさせようと思い、ふと思い出したがダンジョンコアで精錬所を作る事は出来ないのかな?


 そういう疑問で奈良に転移して、何か無いか調べた結果、ファンタジー工場で良いなら精錬は可能みたいだ。


 しかもダンジョンの階層を横並べにして実質倍の広さを持つエリアにすることも可能だった事が分かった。


 そうなると、畑用のエリアの内1階層分をレアメタル鉱山の横に付けてレアメタルが出ない方にファンタジー工場を作ってみる。


 そしてコンベヤも配置出来そうなので横幅が大きいのをレアメタルがある中心に配置してそこから精錬工場まで百数十キロを配置しておく。


 このコンベヤもファンタジーで動力型なのだが、角度を自由に変える事がで出来て曲がる事も可能な上に段差を利用したりする事が出来る様になっている。


 そうこうしている内に採掘人達が来て監督役の式神に話を聞いている。


 その内、話が纏まったのか機材を下ろしたり大型の機械を運転したりしてレアメタルの階層を掘り始めた。


 後は任していれば大丈夫だろう。工場の方へ派遣した式神に工場の事をインストールしているのでよっぽどな事が無い限り物は生産出来るはずだ。


 工程の最後の方に残るのがミスリルやアダマンタイトにヒヒイロカネとオリハルコンだ。これら幻想金属もレアメタルの内に含めておいた。


 第一陣が出来れば刃物メーカーに幻想金属を持って行って研究して貰うつもりだ。



 異世界ダンジョン99階にて、只今、怒りの罠と奮闘中。この罠は怒りが湧き上がってきて誰も彼も殴りたくなり喧嘩を売りたくなる。そんな罠の中にモンスターと一緒に入れられたら俺もモンスターも見境無く殺し合ってしまう事になる。


 実際に殺し合ってる中で考える事では無いが、そう考えてしまう様に思考誘導されているのを感じる。


 他の皆にはおかしいのでこの部屋には入るなと言っているが何故か自分はこの部屋を出ようとは思わなかった。


 結局、神護のネックレスを全部使い果たしてモンスターを全滅させるまでこの部屋に居た。


 部屋から出ても怒りはすぐには解けず、ミニチュアハウスの中で休憩する事になった。


 最初はギスギスしていた心の内も風呂に入って少し仮眠すると収まった。


 何と言うか、今思い出したら自分の行動が恥ずかしくなるな。


 罠の所為とは分かっていても恥ずかしいものは恥ずかしい。

 

「わー、マスターが元に戻ってますデス」


 アステルが茶化してきた。


「……心配掛けたな。皆、ごめん。そしてありがとう」


「良いのですよ。召喚獣ですからご主人様と心はある程度繋がっているので、罠の所為でお怒りになっていたのは私も含め皆分かっています」


エルサが励ましてくれる。


「わたくし達は心配しておりました! もう、あんなトラップには引っかからないで下さい」


と、永久とわに一緒に頷いてるミアと光奈香みなかがいた。


「ごめん。でも罠って分からないから有効なんだよ。引っかかろうとして引っかかったんじゃ無いけど、あそこの罠は概念を罠にしているから弄りようが無いな。でも、気を付けるよ。ありがとう」


 そう言うと、皆が頷いた。俺は良い召喚獣仲間を持ったなと思った。


 罠のある部屋を回避して、他の部屋に行くとレバーがある部屋があった。レバーは上に上がっており、怒りマークが目に付いた。


 これはどう見ても罠解除のレバーだろうと思いながら、レバーに罠が無いかどうかを皆で調べて無さそうだったので下に下ろした。


 先程の怒りの部屋に行き、通ると怒りがこみ上げてこずに普通に通れた。


 そのまま、部屋を超えて通路を進むとグリフォンのようなモンスターが襲ってきた。


 ただ、通路でグリフォンにあってもフィールドで会うよりも怖くは無い。何故なら飛べないからだ。


 案の定、召喚獣達にボコボコにやられてドロップを残して沈んだ。ドロップは金属のインゴットと金貨だった。ドロップは足輪にすぐに収納されてしまったけれど・・・・・・。


 モンスターを倒して先に進むと階段があった。どうやらこの階はあの怒りが沸いてくる罠のある部屋が守護者代わりだったらしいな。


 レベルも皆、上限のレベル500まで来ているし階段を上がるか。


 階段を上がって赤いポータルに登録するとここは100階なので扉を開けるとすぐに守護者との戦いが待っている。


 一応、準備を万端にする為と休息する為に異世界ダンジョンを抜けてオリジナルダンジョンの安全地帯セーフティーゾーンで休憩を取り、対守護者戦に備えて一晩過ごした。


 一晩過ごして、準備万端で対守護者戦に挑む。


 準備を整えて異世界ダンジョン100階の赤いポータル部屋の扉を開けるとそこにはヤギの角を持った悪魔型のモンスターが居た。


 悪魔型のモンスターはいきなり雷の魔法を打ってきたが、何とか全員躱した。


 お返しとばかりにエルサが弓矢で攻撃するも大してダメージにはなっていない様だった。


 悪魔は雷槍サンダージャベリンで俺を狙ってくる様だが、俺がちょこまか動いて接近していく為に狙いを付けづらく、狙いをエルサに変えた様だった。


 エルサは雷槍サンダージャベリンを避ける事は出来たが、その為に攻撃の手を一旦、休めなければ行けなかった。


 その間にミアの糸が悪魔の腕に巻き付き、腕を落とすがすぐに生えてきた。


 永久とわの槍攻撃が当たり脇腹をえぐったが、それもすぐに再生した。


  ・・・・・・これはアレじゃない? 戦闘が始まってから一歩も動かずに座っているのと再生スピードや攻撃が効かなさすぎる事を考えると何かからくりがあるんじゃないかと思った。


 とりあえず、悪魔型の天敵である回復魔法の浄化ホーリーを試しに掛けてみた所、頭が溶けて頭蓋骨が半分見えてる状態でも一歩も動こうとはしなかったが、浄化ホーリーの攻撃はすぐには回復できないようであった。


 俺達は飛行魔法で空を飛び、地震アースシェイクの魔法を掛けて視た所、悪魔の体制が崩れて座っていた場所に何があるのか見えた。


 そこにあったのは魔法陣だった。


 魔法陣を浄化ホーリーで浄化すると、悪魔は怒った様に立って攻撃しだした。


 攻撃した瞬間を狙われて悪魔の爪が俺を襲う。避ける事は叶わずに当たってしまう。


 攻撃に当たり、横壁まで吹っ飛ばされて横壁に勢いよく激突する。


 一撃で神護のネックレスの障壁が2枚も消し飛んだ!


 これは生身なら良くて瀕死か悪くて即死だろう。


 魔法陣から解放されて再生能力が無くなった変わりに攻撃力が上がっている。


 その事を皆にテレパシーで伝えて当たらない様にする事を言った。


 悪魔を射程に収めて浄化ホーリーを再び使った。頭が半分溶けて、腕も1本溶けて無くなってしまった。


 だが、戦意は衰えず未だ戦おうとしている。


 だが、弱点を見つけた召喚獣仲間達に容赦は無かった。


 皆で代わる代わる浄化ホーリーを使用して悪魔に攻撃をさせない上に此方の攻撃は被害甚大と言って良い程効果がある。


 次第に悪魔からの抵抗は弱まり、やがて完全に無くなった。


 ドロップが出たので完全に滅したのだろう。各種インゴットが大量にと金貨、本が6冊にスクロールが12枚出たが足輪にすぐに収納されてしまった。


 10分間の休憩をして、入り口から正面の扉を開く。


 階段があり、赤いポータルが設置してあった。


 とりあえず赤いポータルに登録すると、頭の中に管理人の声が聞こえてきた。


「無事に100階まで来れた様で何よりだ。でも、君達だから来れたのかそれとも他の亜神達も来られるのかが分からないので本番のダンジョンでは1本だけ出して様子を見て難易度を調整する事にしようと思う。

 何はともあれよく頑張ってくれた。101階からは前のレベルに今回の100階層分の経験値を足した物になる予定だ。100階超えた記念に101階はバザーになっている。此方は異世界の品物が多く取り扱っているのでよく見て購入して欲しい。バザーのお金は今回の100階到達のご褒美に足しておいたので使って欲しい。と言っても、以前、慰謝料で使えきれない程渡したのでそんなに変更は無いと思うけどね。

 998階はまたバザーで999階が最終の守護者の間だけど1000階まで来れるのを楽しみにしているよ。

 それじゃ、また会おう」


 そう言って言葉は止まった。


 バザーを見る気力が皆、今は無かったのでミニチュアハウスの中に入り、食事と風呂に入って一晩寝る事にした。





―――――――――――――――――――――――――――――

次はついに終わりだよ。

お楽しみに!


もし、出来ましたら目次の下の方にある評価の方をよろしくお願いします。

何かお気に召さないと言うかたは★☆☆を、少しでも気になるという方や普通だなと言うかたは★★☆を。何か気に入ったや続きが気になるという方は★★★を付けて下されば幸いです。

♡で応援するでも良いのでよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る