第46話 スキップ制度

 その後、スキップ制度を利用するかと聞かれた。


「スキップ制度というのは何だい?」


「スキップ制度を知らないのかい? スキップ制度は実力のある冒険者が最下級からはじめられない様に受ければ筆記と実技の試験を受けて合格すれば試験官や他のギルド職員の審査を受けて適正なランクへ上げる事が出来る制度の事さ。と言っても最大Cランク迄しか無理だけどね」


「なるほど、受けてみたいけどそれって直ぐにするのかい?」


「いや、筆記が苦手なものが多いから勉強してから挑むやつが多いね。そのためのテキストを売っているよ。試験料と合わせて銀貨2枚だ」


「それじゃ、テキスト付きで全員共に試験を受けたいんだが良いかな?」


「ああ! それじゃ銀貨12枚だよ。試験は勉強が終わったと思ったらこの鉄の札を渡してくれればその日に試験を受けれるから頑張っておくれ」


「ありがとう。じゃ、これが銀貨12枚だ」


「毎度あり! これが鉄の札と6人分のテキストだよ」


「ありがとう。それでここら辺で体を洗うのに湯を貰えて清潔で安全な比較的安い宿を教えてほしいんだけど?」


 俺はそう言うと銀貨1枚を手に握らせた。


「そうだね。憩いの鳥亭か戦場の安らぎ亭かのどちらかだろうね。

 憩いの鳥亭はギルドを出てすぐ左の建物がそうだ。

 戦場の安らぎ亭はギルドを出て右側の建物がそうだ。

 値段は戦場の安らぎ亭が1人銀貨1枚憩いの鳥亭よりも高いが防犯意識が高く人数分の湯は無料だ。

 憩いの鳥亭は防犯意識は戦場の安らぎ亭よりも1段落ちるがそれでも高い方だね。

 湯は沸かし立てが1人銅貨80枚でもらえるね。

 両方共に食事は朝と晩の2食付きだ。

 味は両方共に美味いよ。

 私、エルザからの紹介と言えば両方共に銀貨1枚を負けてくれるよ。

 一泊の値段は季節によって変わるからわからないね。

 だが両者意識しあってるので、さっき言った戦場の安らぎ亭の銀貨1枚高いのはいつもそうだ。

 まぁ、そんな所だね」


「ありがとう。早速どちらかに行ってみるよ。じゃぁ」


 そう言って俺達は冒険者ギルドを出た。

 

 冒険者ギルドを出た俺達は憩いの鳥亭に行き、宿泊料を聞いた。


 1人一泊銀貨3枚らしい。エルザからの紹介と言えば一泊1人銀貨2枚になった。


 とりあえず6人全員1泊をするので銀貨12枚になる。


 そこで金貨1枚を渡し、銀貨88枚をお釣りに返して貰った。


◇◆◇◆

 

 部屋を1人部屋と大部屋の5人貸し切りで分かれて泊まる事になり、湯は銅貨80枚と聞いていたので今晩6人全員分頼むことを言うと銀貨4枚と銅貨80枚だったので金貨1枚渡して銀貨95枚と銅貨20枚が返ってきた。


 部屋に入ると1人部屋と聞いていたが、思ったよりも広かった。


 寝床を確保したので冒険者ギルドのテキストを読み込む。


 アステルに習っていた異世界言語が役に立ち普通に読める。


 簡単な数学と歴史と礼法の問題だった。


 数学はともかく歴史と礼法が問題だった。


 これらの答えを丸暗記して覚えるしかないと思い、問題と答えを丸暗記するようにした。


 幸い、ステータスが上がっているので丸暗記にはそれほど時間がかからなかった。


 他のメンバーの部屋の扉の前に行き、ノックすると中から返事が返ってきて中に入れてもらえた。


 冒険者ギルドの試験対策にアステルが教師になりいろいろと雑学を交えて教えていたようだ。


 俺も復習の意味を兼ねて授業を受けた。


 アステルの教え方は上手く覚えやすかったし、雑学も為になった。


 皆と話し合って、明日にスキップ制度を利用することになった。


 夕食を食べて寝るだけになったが、夕食はスープとパンだけで味も言う程は美味しいとは感じなかった。


 仕方が無いので湯を貰い布で拭って生活魔法のクリーンを使ってから寝た。


 ◇◆◇◆


 翌朝、冒険者ギルドにスキップ制度を受けに行った。


 受付で鉄の札を渡してスキップ制度を受けたいと言ったら、他にスキップ制度を受ける方いませんかと受付嬢が大きな声で聞いてきたのでうちのメンバーは全員手を挙げて受けると言った。


 俺たちのメンバー以外にスキップ制度を利用する者はいなかった。


 2階の教室に案内されて筆記試験が始まった。思った通りテキストの丸暗記で対応できた。


 だが、何問かはテキストに載っていない問題だったがアステルの講義での雑談で聞いていたので答える事が出来た。


 次は訓練所に出て実技試験だ。


 実技試験では教官と戦い、その実力で評価されるらしい。


 俺達は全員教官の武器を弾き飛ばすか教官自信を倒すかして実技試験を終えた。


 数時間後に結果が知らされて俺達は全員Cランクになった。


 認識票も木から鉄に代わってCの文字が打ち込まれた。


 Cランクになった事だし、依頼でも見ていくかと思い依頼板に見に行く。


 美味しい依頼はもうすでに無いが、常設依頼でオークの常設依頼があった。


 常設依頼

 ・オークの討伐及び持ち帰り

 ・オーク1匹の状態につき、銀貨50枚~金貨2枚まで

 ・状態が良く大きいほど金額が上がっていきます。

 ・通常のオークで最高品質で討伐したら金貨2枚ですが、上位クラスになったオークの場合は時価でお願いします。

 ・アイテムバック及びインベントリを持っていない場合には金貨1枚でお貸しします。何事もなく戻って返してくれれば銀貨80枚返金いたします。もしもアイテムバッグを壊したり紛失した場合には金貨100枚追加でいただきます。


 と言うような依頼がであった。


 俺達はこれを受けることにした。



―――――――――――――――――――――――――――――


 次話予告

 異世界の冒険者ギルドの依頼でオークの常設依頼があります。

 これを受けてみようと言うのがお話です。

 次回、オークの常設依頼です。

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