第57話 港町に着く前に補給しなくちゃね
国境の関所を出て、ナビの通りに大きな港町に向かって進む。
偶に行き交う人々の中に獣人やエルフ等が混じっていて面白い。
そこで色々な事を決めて行く内に王権社会になり、議会で票を集めた者が王になる習わしが出来たそうだ。
だから、人間が王になっても亜人排除の政策をすると王の座から引きずり落とされる仕組みになっていた。
そういった事で亜人達が比較的多くすむ国になったとされている。
まぁ、裏では色々とドロドロの陰謀劇があったのはどの国も同じようだ。
そんなわけで亜人も力を持つが故に迫害されない国になった様だ。
「成る程ね」
「何が成る程なんですか?」
「この国の成り立ちを
「へー、そうなんだ! て事はわたしの事も人化せずに受け入れてくれるかな?」
「それは無理だと思うよ。この国でもアラクネはモンスターみたいだし」
「モンスターと亜人の差別はんたーい! わたしは他のアラクネと違って凶暴じゃ無いし人を食べたりしないよ! 他に美味しい物がい~っぱいあるしね」
「私が思うに他に美味しい物って言ってる時点で人の味を知っているって解釈できるからアウトじゃ無いデスか?」
「あ!」
「語るに落ちたとはこの事ね」
「もう一度! ワン モア チャンス! お願いします」
「残念ながらもう野宿?の時間だよ。大きな林や広場があれば教えてくれ。そこにミニチュアハウスを広げるから」
「は~い」
「ああ! わたしのイメージがぁ~!」
「はいはい。それはどうでの良いから探すの。あたしも探しているんだからね」
「うぅ、人情紙風船とはこの事か! 世の厳しさが身にしみる。あ! あそこなんか良さそうじゃ無い?」
「どれどれ? うん。中々良い感じだね」
「これで、今夜の宿は決まったね!」
「それじゃ、ミニチュアハウス出すからどいててくれ」
そう言って俺はミニチュアハウスを出して拡大していつもの様に過ごした。
翌朝。いつもの様にミニチュアハウスを仕舞って、管理者のダンジョンがある大きな港町に出発する。
大きな港町に近づくにつれて人の往来が激しくなる。
そして港町までおよそ30分という所で脇の森に入りマーキングして、転移魔法を使いマークした異世界への扉の洞窟に飛んだ。
そして異世界の扉を潜り、東京ダンジョンから出てマンションに帰る。
マンションでどっぺる君が帰ってくるのを待ち、帰って来たので記憶の継承を行う。
1時間程で記憶の混乱から抜け出して、今までのどっぺる君の出来事を自分の体験として記憶した。
この1ヶ月程の間に
もう三分の一も相手が迷ってるだけで誠意を見せていけば落ちるだろうという予測だった。
製薬会社の漣製薬は買収に成功したらしい。
前の会社の後輩や他者のライバルに適正のある新卒などでチームを組んでやって貰っているので、
その他の業種は順調に成長している様だ。
◇◆◇◆
漣製薬の実験室と機材をレンタルして実験をする事にした。
――アカシャ、最初の薬はどんな物が良いと思う?
『そうね。副作用が少なくて癌全般に効く飲み薬なんてどうかしら?』
――それは末期のがん患者にも効くの?
『それは当然ね』
――それじゃ、やってみますか。
『了解。それじゃ、一旦、一通りの情報を流して見るね。その後でその都度必要な情報を渡していくわ』
――わかった。頼むよ。
『それじゃ、行くよ~』
そうして俺は癌全般に効く副作用の少ない薬の開発に成功した。
漣製薬には世界中の治験を担当して貰う代わりに特許の権利者の一部に名前を載せる事になった。
ついでに進行性骨化性線維異形成症(FOP)の特効薬も開発して治験は同じように漣製薬にお願いした。
これらをマウス実験で確認して論文を書き発表した。
この時点では治験はされていない為に漣製薬の名前は載っていない。
こÜいった事で約1ヶ月程経った。
◇◆◇◆
どっぺる君を起動して後を任せて俺達は異世界に行く。
その前に、インベントリに出来上がった料理を皿ごと時間停止で入れていく。
そして電子レンジで出来る弁当や惣菜、料理全般も時間停止でインベントリに入れていく。
ついでにトイレットペーパーや生理用品なども購入してタオルやバスタオルなども補充しておく。
東京ダンジョンに行き、中に入ってポータルでダンジョンコアの間に行き異世界への扉を潜る。
異世界に着いたら転移魔法でマークした管理者ダンジョンのある大きな港町付近の森へと転移した。
―――――――――――――――――――――――――――――
次話予告
一旦大きな港町についてダンジョン攻略等のお話です。
次回、大きな港町の管理者のダンジョンです。
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