第34話 開き直り

 大阪のダンジョン攻略したとFAXや使い捨てのメールアドレスでメールして、詳細は明日、私有地になってるが明日だけ解放するのでダンジョンの扉の赤の領域が無くなって青一色になっているかどうかで判断出来るだろう。


 ただし、忘れ物や私物を置いていった物はそれらは処分されるので注意する事と書いてツブヤイッターでもそのように描き込み、ついでに赤の領域が無くなって青一色の画像を載せて終わらした。


 翌日、ドアが施錠されていないのを確認して、警察や報道関係者が中に入り扉を見てみると赤の領域が無くなって青の領域一色になっていた。針は未だ付いていた。


 その事がTVテレビで流れ攻略は全世界の知る所となった。


 パパラッチが攻略者の顔を撮ろうとカメラやビデオを構えて世界中から集まってきた。


 さすがに治安が悪化し始めたので警察が取り締まりを強化すると、悪質なパパラッチが次々と逮捕されていった。不法侵入は当たり前で警察官を殴って逃げようとするのも当たり前の悪質なパパラッチ達だった。


 そんな中、俺はと言うとオリジナルダンジョンで購入した式神全てにインベントリの付与を付けていた。


 付与が終わり、ついでにバザーに行って式神を取り扱っている所にインベントリ付きのレベルが高い式神は無いかと聞いてみた。


 聞いた所、全ての式神にオプションで付けれるとの事だったのでレベル5000にインベントリを付けて貰ったのを3000枚、レベル1000の式神にインベントリを付けて10000枚購入した。


 ついでにミニチュアハウスは無いかと探してみたら普通に売っていた。


 標準の10人用を15個購入した。


 オリジナルダンジョンから出て、マンションに戻るとパパラッチがあちこちに要るのが分かった。


 マンションのありかは突き止められていないがこう多くてはかなわない。


 レベル1000の式神を20体パパラッチを見かけたら透明になって機材を壊すか撃退するように命令した。


 これが正規の報道機関・・・・・・と言っても中身はパパラッチと大差は無い所にも被害が行き、ゴースト現象として周知されていく羽目になった。


 そんな混乱の中、面倒くさくなった俺は1週間後の週末に東京のダンジョンに行き、ダンジョンコアルームに行った。


 コアルームでは式神が良い仕事をしているのか、針の進みが青に近づいていたが、このダンジョンのスタンピートを停止させた。


 そして翌日に京都に行き、京都でも同様に停止させた。


 その後に奈良に行き、この日が自分で管理するか国に譲るかの最後の日だったので自分で管理すると言って書類にその事を書き、東京に帰った。


 その時の場面はTV中継されていたので政府も強引に取り上げようとはしないだろう。


――なぁ、アカシャ?


『なに?』


――何というか、むなしいな。


『何が?』


――強敵がいない、ワクワクもしない、全ては順調に運んでいる。だが、マスコミやパパラッチは五月蠅い。


『それは仕方が無いんじゃない?それらをかたづけようと思うなら日本と戦争でもして勝つしかないわよ?』


――そうか~。そう言った方法もあるか。


『でも、統治は面倒くさいわよ?』


――面倒くさいのは嫌だな~。


『じゃあ我慢する事ね』


――我慢か~。嫌だなぁ。


『もう、まるで駄々っ子ね』


――自分でもそう思う~。


『もう、本当にどうしようかしら?』


「暇をしているようだね!それなら此方を手伝うってのはどうだい?」


――管理人!


「そうだとも。手伝いってのはぶつかりかけた方の世界の方が人間やそれ以外の人種が此方よりも強くてね。此方基準のダンジョンじゃ直ぐに突破されてしまいそうなんだよ」


『でも、私達にはあちらの基準は分からないわよ?』


「そこは君たちが普通に苦労している所だと向こうでも激難げきむずになるから心配ないよ。どちらかというと、向こうで亜神達が神を名乗って攻略を仕掛けてくる事の方が大変だから、それをさせない為のダンジョンだよ」


――それって、向こうの人間じゃ攻略不可能になるんじゃ無いの?


「君たちが亜神級になってると言うか超えてるからそれらが来たらデメリットで負荷を掛けるようにしたいんだ。それで負荷を受けた状態でダンジョン攻略出来るかどうかって所を探りたいんだ」


『それで、デメリットの調整も兼ねてって事かしら?』


「話が早いね。どうだい?条件は前と同じで本当に死なないし、時間も現世の一瞬だし今よりも刺激がある生活を送れるよ?」


――一応、貸しで良いならやるよ。


「じゃぁ、決まりだね。宜しくお願いするよ。ダンジョンの鍵を使って、最上階のダンジョンコアのある部屋から新しいダンジョンに行けるようにしておいたからよろしく頼むよ」


『少なくても暇な生活とはおさらばになるわね』


――頑張ろう!


 新しいダンジョンと聞いて、此方でする事を済ませておかなくてはならない。


 弁護士の加藤さんに伝手や新卒で優秀な人達を雇って今回、大量に増えた土地建物のトラブルや弁理士事業を拡大させたい意向を伝えてお願いする。


 不動産の売買専門家の飯山いいやまさんには加藤さんと同様に人員を増やして貰うように指示した。


 企業買収の専門家の山口やまぐちさんにはこれはといった昔の部下の引き抜きや新しい人員の増加をお願いした。


 事務系統の主任の2人には今年の新卒を採るから、優秀かどうか判断してくれるようお願いした。


 そして1週間後に名古屋と神戸に行き、スタンピートを停止させた。


 翌日には奈良のダンジョンについてもコアルームに行き、スタンピートを停止させた。


 それら5箇所の攻略をFAXや使い捨てのメール、ツブヤイッターで知らせてお知らせを終わらせた。


 なんというか、本当はもっと時間を掛けて3ヶ月後に全部攻略出来たように装いたかったが、面倒くさくなったのだ。


 アカシャの言葉と管理人の新しいダンジョンを聞いて、なんでそんな面倒くさい事をしなければいけないのかと思ったのだ!


 これで、政府が何を言ってきても知らん。相手が脅して来るなら戦争上等という開き直りである。


 世間は阿鼻叫喚というか、信じられないと言う混乱に見舞われた。


 基本的に本当なら良いニュースなのだが、信じ切れないという気分だったらしいが、俺は知らんと切って捨てた。


 一応、写真と式神監視の下で1日だけ本当かどうかの取材日を作ったが、それで信じられないなら知らんとしか言い様がないので知らん。


 そして何故か俺が無責任だと非難されるが何の責任があるのか分からんから放ってある。鬱陶しくなったら戦争すれば良いやと思ってるので気が楽だ。


 ダンジョンの扉は大きさや数をいじれる。移動も出来る。と言っても移動出来るのは半径100mまでだが。それで、ダンジョンを何処か良い場所に移動させられないか考え中だ。


 ダンジョンで思い出したが、ダンジョン内の階層で敵を出現させるかさせないかやポータルの数やポータルで何処に飛ぶか何の資源を配置するかといった事がダンジョンコアで決められる。


 つまり、魔物の居ない鉱脈の階層をポータルごと作れたりするという事なのだ。


 そこでなら、一般人が働いても大丈夫だと思う。


 落ち着いたら、そこら辺も整理してダンジョンの利益を上げていかないと行けないなと思った。


 レアメタルの鉱山や石油の産出など色々な方法があるが、ダンジョンなら廃棄物は勝手に吸収してくれて公害の心配は無いし、低価格で採掘して高価値のレアメタルを手に入れる事が可能だという夢が広がる。


 その前にダンジョンの整備をしなければいけないのが困り事になっている俺だった。





―――――――――――――――――――――――――――――

次回、新しいダンジョンを異世界ダンジョンと名付けて挑戦する!

レベルが制限されて力も大幅にダウンされた主人公達!

死んでも復活するが死なずに階層を攻略出来るか?

次回は異世界ダンジョンです。


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