第30話 武器と防具

 ダンジョンが現れた箇所が2箇所共に重要な拠点であるから動きが鈍かったのは致命的かもしれない。


 1箇所は大阪の難波にもう1箇所は京都の京都駅近くのホテルに現れた。


 8月の中頃に発生したダンジョンに対策本部が設置されて、自衛隊が突入したのは下旬に入ってからだった。


 最初の2階層までは銃火器で対応出来ていたが、海外のニュース通り3階から上には銃火器が通じなくて行けなかった。


 そして、3階に大量の死傷者を出す結果になった。


 こうした事態を受け、政府は対策本部に支給何らかの対策を出すように要請したが、妙案を持っている人は誰も居なかった。


 そんな中、サブカルチャーに比較的詳しい者が、漫画や小説とかなら最初からナイフや刀とかで戦闘すれば銃器よりも強くなれるのにと愚痴った。


 それを聞いていた者達が物は試しでそれを実行してみようという事に成り、実験部隊が結成された。


 実験部隊が結成される前のダンジョンが発生した直後に自衛隊のナイフや防具などを購入する科にアポを取りカーボン関連会社の防具と刃物メーカーに言っておいた対魔物用のナイフを持って自衛隊に行き、セールスするも間に合っているからとの事で帰された。


 仕方が無いので帰ろうとした時にある自衛官がナイフを見て欲しいので購入出来ないかと言ってきたが、試作品なのでダメだが民間用の市販のモデルならあるのでそちらで良いならと言い、一応持ってきた海外の民間用のナイフを見せるとこれで良いので売ってくれとの事で個人的に販売した。


 この購入者が実験部隊に配属に成り後々影響してくる事になるとは思わなかった。


 今ある事で仕事をしようとしたら梅花に良い物件を探して貰い、アカシャにダンジョンで土地価格等が落ちない所を選んで貰う。


 ”こことそこね。買収額は下限がこれだけで上限はこの値段ね”


 それを、飯山千里いいやまちさとさんに割り振るだけの簡単なお仕事です。


 ちなみに、特許を取る為にオリジナルダンジョンに潜って特許・弁理士ソフトをアカシャ主導で開発する羽目になった。ついでにコンピューターウィルスやハッカー対策にスパム対策等々の総合ソフトも専用で作る事に成り、2つの作業を90日間掛けてソースプログラムを打ってコンパイルしてスパコンに放り込んだ。


 後は自己進化して強くなってくれと指示を出しておいた。育ったら仕事を与えるとも言っておいた。梅花や葉月にもウィルスやスパム、ハッカー関連の出来事での指導をセキュリティ専門ソフトに教えるように指示を出した。


 ついでにオリジナルダンジョンに潜った時にバザーによって神護のネックレスを20本仕入れておいた。


 8月が終わり、9月に入り東京に行き大学に通う毎日が戻ってきた。


 会社の決算期の先月で終わり、結構な金額を税として持って行かれた。


 会社で思い出したが、今週末に岐阜に行き個人的に材料の作製する為の機械を使用させて貰った。使用緒料は払っている。


 アカシャに言われた不器用の新素材の開発と特許取得の為に写真や各データなどを取ったりしていたのだ。


 オリジナルダンジョンでアカシャ主導の下、却下されないように日本用の特許提出用の出願の資料や書類などを書き、それを各国様式に翻訳したのを書かされ、台湾と香港にタイとマカオはPCT外だから別にそれぞれの言語で単体で出願出来るように作り、それらを加藤弁護士に弁理士の仕事としてのモデルケースとして私的に費用を出し七市興業に依頼した形にして頼む。


 ちなみに特許を提出する金属はステンレスより軽く堅く、鍛造でより硬度や粘りが出てくる金属だ。鋳造でも普通に良い金属なので刃物などの他にも利用がしやすくなる。刃物での利用は切った時の油の付着で切れ味が悪くなるのが大いに減って切れ味が持つ。これらも特許申請に盛り込んである。


 この金属専用の研ぎ機を新たに作った程だ。


 それから1ヶ月が経ち実験部隊が3階の魔物を倒したという話を聞いた。機密だそうだ。何故知っているかというと、自衛隊にセールスに行った時に個人的に民間用のナイフを販売した人が実験部隊に配属されて使い心地と耐久性が他のナイフよりも良かったのでうちの刃物メーカーに改めて導入を検討したいという話が来たからだった。


 プロテクターもあるのでどうでしょうかと聞いたら、それもテストしてみるとの返答だった。


 テストを開始して2週間で防刃、耐火、耐雷の性能は評価されて一部の部隊に試験導入される事になった。


 また、これ以上の武器が作れないかという問いには俺が特許出願中の金属が認められればそれを使用してもっと良い物を作成可能だと言っておいた。


 申請時の番号を聞かれたので伝えてあるからもしかしたら認可が早まるかもしれない。


 何処から漏れたのか知らないが米国やイギリス、ドイツ、中国にインドまで試験用のナイフとプロテクターを求めてきた。体格によって値段が変動する事を伝えて自衛隊に提供しているLLサイズを各国にサイズがLLだという言葉と共に渡した。


 また、自衛隊同様これ以上に良い武器は俺のPCTで特許出願中の素材が無くては難しいと言ってある。申請時の番号を聞いてきたので答えたが此方も早まるか期待している。


『ねぇ、もう1ヶ月もしたら新しいダンジョンが日本に現れるわよ』


――もうそんな時期か、早いな。


『次で自衛隊の処理能力は超えて機動隊の導入が始まる訳だけど、武器や防具の生産は大丈夫?』


――正直苦しい。だが、人員を増やしても直ぐに生産量に直結する訳じゃ無いからなぁ。


『じゃぁ、オートメーション化で出来る事はそちらに任せましょう?』


――何かアイデアがあるの?


『製鉄所の買収と機械化の推進よ』


――何処か良い所があるの?


『製鉄所は堺の方に中規模の製鉄所があって、そこが資金繰りで困っているから買収出来る可能性が高いかと思うの。株式も商業者一族しか持っていないから100%集まりやすいし。負債も1億ちょっとであれらの設備が手に入るのはお買い得よ?機械化の方は刃物メーカーで諦めている精密機械が何件か有るのでそれらを導入すれば効率が上がると思うの。この2件やってみない?』


――了解。山口浩介やまぐちこうすけさんに至急と言って対応をお任せするよ。予算の上限と下限は?


『上限はこれだけで下限はこの値ね』


――もう一つの方は此方から刃物メーカーに電話を入れて対応させれば良いかな?


『それで良いと思うよ』


――じゃぁ、連絡を取ってみるよ。


『頑張ってね』


 早速俺は山口浩介やまぐちこうすけさんに連絡して堺の鉄工所の件を言い、なるべく早く買収をしてくれるように要請した。勿論、予算の上限と下限は言っておいた。


 刃物メーカーには増資という形で俺に株式を増やすから諦めている設備を購入して生産力を上げてくれるように言った。


 後、軍隊用のナイフの量産をお願いした。


 量産のお願いはカーボン関連会社にも防具の量産をお願いした。

 2週間程して山口浩介やまぐちこうすけさんさんに頼んだ仕事が全て片づいたと連絡があった。下限値に近い値での買収だったので特別休暇2日をあげた。


 頼んだ買収先は害になる人以外は残した。


 刃物メーカーも値段の交渉が終わり、納入されたので習熟する為の操作をしている所だという。


 それから1週間後にダンジョンが新たに4つ増え、合計6個になった。

自衛隊からは”正式な契約をするから至急ナイフと防具を有るだけ納品してくれ。値段は言い値で良いから”と言う事で対魔物用という事から5倍の値を出して納品した。


 そして何故か米国、イギリス、ドイツ、中国、インドで新しい素材の特許が急遽認められて、その直後に日本にも認められた。





―――――――――――――――――――――――――――――


もし、出来ましたら目次の下の方にある評価の方をよろしくお願いします。

何かお気に召さないと言うかたは★☆☆を、少しでも気になるという方や普通だなと言うかたは★★☆を。何か気に入ったや続きが気になるという方は★★★を付けて下されば幸いです。

♡で応援するでも良いのでよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る