第20話 ダンジョンはもう嫌だ!

 10月の中頃に入り、スパコンも搬入された。


 スパコンにどうやって梅花達をインストールすれば良いのか分からなかったが、アカシャと何より富○通の人のお陰でスパコンにインストール出来た。


 有線でインターネットと繋がって、速度も速くなり梅花は大喜びだ。


 それはそうとして、新しく画面に出ている女の子は誰だ?


「改めまして、初めましてマスター。会社経営管理ソフトの子です。名前をお授け下さい。オーナー」


「名前なぇ。言われるとは思っていたけどどうしよう。そうだ!出来たのが8月だったから葉月はづきと言う名前はどう?」


「はい!良い名前を頂きありがとうございます!頑張りますのでよろしくお願い致します!」


「あ~、良いなぁ。私なんて梅花だよ!」


「梅花にもちゃんと意味はあるぞ。梅は春の最初に咲く花で縁起が良いとされているから付けたんだ」


「そうなんだ!ちゃんと意味あったんだ。ふへへへ」


「それにしても新しい住処は快適ですね!どうもありがとうございます。オーナー!」


「そうよね、投資も今までより詳細に予測出来るようになったしとても快適よ。ありがとう、マスター」


「快適なのは良いけれど、何かあったらパソコンに戻る事になるんだからそれを考えて自己進化してくれよ。特に容量が厳しいのは駄目だぞ」


「「は~い」」


 それはそうと、もうすぐ宅健の試験日だ。


 色々と準備はしてきたが、緊張する、


 緊張してきたら合格するのか心配になってきた!


 もう一度本を流し読みで読み直していける、大丈夫と自己暗示を掛ける。


 試験が始まり・・・・・・そして終わった。


 俺の手応えは合格範囲内にあるとは思うけど、どうだろうという所だ。


 11月に合否が分かる。


 そういえばつい先頃、積水ハウルの倒産が発表された。いきなりの事で皆慌てている。


 大福建設は影響をあまり受けなかったが、他の会社は大慌てしている。


 管財人が大福建設に海外部門の購入をしないかという提案を持ってきた。向こうの提案としては10億でどうかという話だったが、8億まで負けさせた。


 アカシャも購入には賛成だったし、海外の拠点強化に良いと思ったからだ。


 買収した海外部門の話だが、このまま行けばスタンピードの範囲内にある箇所が何点かあるのでそこの拠点は処分してスタンピードの無い拠点でこれから高くなる土地や建物ににするように具体的に指示を出した。


 そういえば大福建設の社長には結局叩き上げの人を採用した。ただし、俺が開発した事になっている会社経営ソフトでメールやチャット、ネット会議などビジネスソフトは全てこれでする事になっている。


 勿論、他のソフトが使用出来るようにExcelやWord等のファイルに変換可能だ。このソフトは俺が大福建設の株を100%持っている間は無料で使えるが、そうで無くなれば1台につき月2万円の使用量が発生する。



 ダンジョン958階に来ている。


 もうこの中での体感時間は500年を超えている。


 死んだ数はそれ以上だ。


 勿論それは召喚獣のエルサ、ミア、永久とわ光奈香みなかにも言える。


 正直、皆飽きてきたのだ!だが、モニターをやらないと人が大勢死ぬと分かっているからしない訳には行かない。

  

「管理者! もう先の見えない戦いはもう嫌なんだよ! 召喚獣含めてここにいる全員が思っている!先を示してくれ」


「そんなに疲れたのかい? そうだな、それじゃ1000階でダンジョンは終了しようか?」


「それと世界にダンジョンが出来る場合はどんなに大きいダンジョンでも100Fまでにしておいたほうが良い!これは絶対だ!」


「えー、でも君たちもうすぐ1000階になるよね?」


「それまでに500年以上の体感時間とそれ以上の死ぬ経験をしているよ!

 100階でも生きてる内に俺達以外で攻略出来るものが居るかどうか分からないくらいだ!」


「そうなの! 君たちが思っていたよりも進んでいたから100Fってたいしたことないかと思っていたけど重大事だったんだね」


「そうなんだよ。所でダンジョンが出来ればスタンピードって起こるのか?」


「そりゃ、間引きもされていなかったらエネルギーの行き場が無くなって起きるよ」


「それを止める方法は無いのか?」


「ダンジョンを攻略してダンジョンコアにスタンピードの設定をしないにすれば良いよ。その代わり、100F超えても成長する可能性があるけどね」


「そのダンジョンコアってどんなのが設定出来るんだ?」


「モンスターの出現率の操作に配置、リポップ時間の設定に宝箱の設定、階層を自由に作り替えたり、新しい階層を作ったり、ダンジョンコア10個分の権限が1人に集中すればその人は異世界への道が開けたりするよ。あ、召喚獣だけでダンジョンを攻略しても権限はマスターの物になるよ」


「・・・・・・今ので分かったけど、管理者、お前俺の宝箱の中身やドロップ運をドロップ100倍が無い内から操作していただろう!」


「ドキ! ま、まぁ。ちょっとした手助けで経験値・熟練度・レアドロップ100倍や武器防具は直ぐに手に入るようにはしたかな?」


「それで、ダンジョンの難易度が低くなっているから地上に出現させる時には今の2~3倍下に難易度を下げた方が良い」


「え~! これでも十分イージーなのに?」


「お前がイージーでも俺達にはクレイジーだよ」


「・・・・・・わかった。検討しておくよ」


「それじゃ、探索に戻るよ」


「頑張ってね~」


 1000階でダンジョンも終わりという目的が見えてきたせいかみな、目に生気が戻ってきた。


 多分、俺も管理人と交渉するまでは光の無い死んだ魚のような目をしてたんだ

と思う。


 だが、希望は見えてきた!


 そして、俺達は希望を胸に攻略を再開した。


 希望は直ぐに消えた!


 958階の階層主が死なないのデュラハンなので死んでいるのだが、そういうわけでは無く、倒しても”まだまだ倒れる訳にはいかないのだ”だのと宣いのたまい復活してくるのだ。体を壊しても修復して復活してくる。


 これなら同じ部屋にいたアーキタイプスライムの方がマシだ!


 ・・・・・・うん?今、何か引っかかったぞ。何に引っかかったんだ?


 アーキタイプスライム・・・・・・もしかして!


 おれは復活したアーキタイプスライムを無属性魔法の念動力サイキックで捕まえてデュラハンに押しつける。するとデュラハンは慌てて逃げようとするがアーキタイプスライムの酸の方が溶かすスピードが速く、デュラハンが倒された。


 その際に”自分で倒す勇気も無い腰抜けが~”と負け犬の遠吠えを言っていたが無視する。その後に火炎ファイヤでアーキタイプスライムを燃やしたら魔石が2個出てきた。


 上階への扉を開き、上階に上っていく。次は959層だ!


 959層は質より量という感じで大きな部屋に今まで戦ってきた相手が沸いて出てくるというモンスターハウスの階層版だった。


 一匹ずつに対応してられないという事でここで役に立ったのは範囲魔法等の魔法だ。

 俺が特に世話になったのは雷の雨サンダーレインだ。相手を感電死させるし、そこまで行かなくてもスタンさせるか立つ事が出来なくなるので追撃が楽だ。


 しかもフロア全体に効果を及ぼす範囲魔法だから言う事無しである。


 雷抵抗を持つ敵は召喚獣のエルサ、ミア、永久とわ光奈香みなかが相手をしてくれるし、今の所魔力切れも大丈夫だ。


 まぁ、魔力切れになれば回復の泉の水を飲んだら良いだけなんだが・・・・・・。


 死んだ敵のドロップは足輪に自動で収集されるので気にしなくて良いのがまた楽で良い!


 かれこれ4時間ぐらい戦っていたら敵の増援が無くなって俺達が勝った。





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