概要
死と反魂の旅路をゆく
高梁国の暗殺組織〈赤釵〉に属していた道士の夜静は、部下が自殺したことによって自分の在り方に疑問を抱き、〈赤釵〉から抜けようと決意する。脱退したことで身体は不自由になるが、余生は旅をしながら気ままに過ごしたいと考えていた。
だが、自分が作り上げた後に闇に葬ったはずの、死人を蘇らせることのできる〈屍仙符〉が何者かに利用されていることに気づいてしまう。
さらに、剣客である妙に馴れ馴れしい青年と出会い、二人は〈屍仙符〉によって引き起こされる事件を追っていくことになるのだが――。
死にかけの道士と胡散臭い剣客の中華ファンタジーです。若干ホラー。
だが、自分が作り上げた後に闇に葬ったはずの、死人を蘇らせることのできる〈屍仙符〉が何者かに利用されていることに気づいてしまう。
さらに、剣客である妙に馴れ馴れしい青年と出会い、二人は〈屍仙符〉によって引き起こされる事件を追っていくことになるのだが――。
死にかけの道士と胡散臭い剣客の中華ファンタジーです。若干ホラー。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!死と呪いに縁どられた、道士と剣客の咎を雪ぐ中華ファンタジーホラー
暗殺によって玉座を奪った皇帝の統べる国の奥地には、呪術を扱う道士たちの暗殺集団が存在していた。ひとりの暗殺者は部下の死から脱退を決意し、舞い戻った都で、自身の呪術が何者かに悪用されていることを知る。彼は偶然巡り合った剣客と共に、死期の近い体を抱えて事件の究明に挑む。
確かな知識と流麗な語彙で作られた中華風の世界観だ。重厚だが簡潔でわかりやすいため、中華ファンタジー好きは勿論、普段馴染みのない読者でも楽しめる。厳格な儒教社会や、血塗られた歴史と隣り合わせの殺伐とした雰囲気が根底に覗く人物造形も上手い。
また、薄幸で大人しそうに見えて命知らずな道士と、気風のいい兄貴肌だが血生臭いことにも慣れ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!死の淵で償いのための再戦を、道士と剣士の重厚な中華バディブロマンス!
古代中国で魘魅蠱毒、つまり呪術は常に王朝の脅威としてあり、実際に呪術を行った者に厳罰を与える律令まであった。
この作品の王朝も呪術によって生まれた血塗られたもので、主人公は皇帝のため影で呪殺を行う暗殺集団の道士だ。
確かな教養と豊富な語彙で作られた中華ファンタジー風世界は、隙のない重厚さで、制度から市井の風景ひとつまで雰囲気たっぷり。
ただ美しいだけでなく、さらっと血生臭く殺伐とした古典中国文学らしさもあるのが魅力的だ。
儒教的な縦社会で生きてきた道士は年下の人遣いが荒い、武侠に生きる剣客は義を持って接してくれるがひとたび敵と分かれば一転して牙を剥く……など人物造詣も、しっかりと世界観に…続きを読む