概要
八咫(やあた)の村では村人達により、持ち回りで白い玉様への参拝が定められていたが、参拝方法には細かな手順と取り決めがあり、それを遵守できない者には参拝が禁じられ、かつ参拝を成し得ない者は被差別的な扱いをうけていた。八咫もその一人だった。同じく、耳が不自由で参拝が不可能であるために村の「西の端」に追いやられていた友人、食国(おすくに)と八咫は、密かに村外に出ては少年らしい日々を過ごしていたが、ある日手傷を追った一人の男を村はずれの川で助けた事から、二人を含む村の少年達の運命の歯車が動き出す事になる。
一方、村長の継嗣である熊掌(ゆうひ)もまた、村そのものや長である父に対する疑念を抱え続けていた。そして何よりも自身が抱える秘
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!この先に期待が持てる序。
まず、面白かったです。
もしかしたら、僕と同じ迷いを持つかもしれない方向けにレビューを残しておきます。
レビューを見るということは気になっている方なのでしょう。
タイトルとあらすじで、面白そうな気配を感じましたか?僕もそうでした。
そして、実はタグをみて、BLGLとあるのがハードルだったりはしませんか?
この先の章はまだわかりませぬ。
しかし、序を読んでみてわかります。
おそらく大丈夫、そして何より、とんでもなく面白いです。
これは別の世界の歴史であり、それぞれの物語。様々に練られている、安心して没頭できる物語です。
僕は一足先に続きの破の章に進んでおります。おすすめですので是非に…続きを読む - ★★★ Excellent!!!500年の〇〇〇
少年は物覚えが悪い。
老婆は延々と同じ事を少年へと語り続ける。
が、覚えられない。
日常の所作や最低限度の仕事は覚えられるのに、興味の範疇から逸れたことは覚えない。
覚えようとしないのだ、興味が無いから。
ソレは、その特質を見抜けた人間にとって最高の素材であり、何かを企むならば最良の駒へと作り替えることも出来る資質で。
本人だけがそれを気付けず、邑の下層でボンヤリと日々を過ごしていた。
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序文1・東瀛まで読んで、改めて1ー1を読み直し『うっわ』って声が漏れました。
いや、二周目を読み直すと景色が変わりますわ。
硬い文章で三人称だから読まないって…続きを読む - ★★★ Excellent!!!昊(そら)と白玉様の秘密とは。絶対満足の極東風ファンタジーの名作!
参拝に失敗すれば命を取られる。恐ろしい守り神が祀られるムラから物語はスタートします。
よくある因習物……?
では、終わらないのが本作の凄まじい所。
伝奇から始まり、ミステリーに繋がり、群像劇、貴種流離譚、恋愛物と様々な物語を内包しつつ展開する、幾重にも織り込まれた抜群の完成度を誇る本作。
どんな違和感にも必ず理由があり、バシバシと伏線が裏返る快感がやみつきに。
そして、序章最後を読んだ時の世界の広がりに、思わず「おお!」と叫びたくなるはず。
良く抑制された情報量に、ドラマと連動した世界観の醸し方、なによりテーマを課せられつつも生きているキャラクターたち。
序文を読んで嘆息が出る素…続きを読む - ★★★ Excellent!!!タイトルで避けている人、勿体ないですよ
この作品を読んだ時、正直後悔した。
あまりにも面白すぎる……っ(夜中の一時)
文章は決して砕けた感じ(漢字)では無く、寧ろ硬派な印象。ひらがなと感じの割合が2:8みたいな、そんな感じの文書ですが、何故か頭にすんなりと入って来る。
何故か――作者の頭が良すぎるからである()。一挙手一投足を文字に起こし、それでいてややこしくはない。等身大のキャラ達をありのまま見せてくれる。
それでいてストーリーが面白い! もう十二分に面白い! 無敵か!? ていうムーブをかましてきます。緩急の付け方が上手で、それで読者の想像をはるかに超えた展開が……。方向性が定まっているためか、本当に面白い部分だけを抽出してだ…続きを読む