まず、面白かったです。
もしかしたら、僕と同じ迷いを持つかもしれない方向けにレビューを残しておきます。
レビューを見るということは気になっている方なのでしょう。
タイトルとあらすじで、面白そうな気配を感じましたか?僕もそうでした。
そして、実はタグをみて、BLGLとあるのがハードルだったりはしませんか?
この先の章はまだわかりませぬ。
しかし、序を読んでみてわかります。
おそらく大丈夫、そして何より、とんでもなく面白いです。
これは別の世界の歴史であり、それぞれの物語。様々に練られている、安心して没頭できる物語です。
僕は一足先に続きの破の章に進んでおります。おすすめですので是非にどうぞです。
お読みいただきありがとうございました。
少年は物覚えが悪い。
老婆は延々と同じ事を少年へと語り続ける。
が、覚えられない。
日常の所作や最低限度の仕事は覚えられるのに、興味の範疇から逸れたことは覚えない。
覚えようとしないのだ、興味が無いから。
ソレは、その特質を見抜けた人間にとって最高の素材であり、何かを企むならば最良の駒へと作り替えることも出来る資質で。
本人だけがそれを気付けず、邑の下層でボンヤリと日々を過ごしていた。
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序文1・東瀛まで読んで、改めて1ー1を読み直し『うっわ』って声が漏れました。
いや、二周目を読み直すと景色が変わりますわ。
硬い文章で三人称だから読まないって手合いにこそ薦めたい。
読み直す楽しさを感じさせてくれると思います。
絶対あの婆さん重要人物でしょ・・・(;゚ロ゚)
参拝に失敗すれば命を取られる。恐ろしい守り神が祀られるムラから物語はスタートします。
よくある因習物……?
では、終わらないのが本作の凄まじい所。
伝奇から始まり、ミステリーに繋がり、群像劇、貴種流離譚、恋愛物と様々な物語を内包しつつ展開する、幾重にも織り込まれた抜群の完成度を誇る本作。
どんな違和感にも必ず理由があり、バシバシと伏線が裏返る快感がやみつきに。
そして、序章最後を読んだ時の世界の広がりに、思わず「おお!」と叫びたくなるはず。
良く抑制された情報量に、ドラマと連動した世界観の醸し方、なによりテーマを課せられつつも生きているキャラクターたち。
序文を読んで嘆息が出る素晴らしい文章力ですら、氷山の一角だったと言う事に驚嘆を隠せません。
どっしりとした満足感を求めている貴方に、オススメの作品です。
この作品を読んだ時、正直後悔した。
あまりにも面白すぎる……っ(夜中の一時)
文章は決して砕けた感じ(漢字)では無く、寧ろ硬派な印象。ひらがなと感じの割合が2:8みたいな、そんな感じの文書ですが、何故か頭にすんなりと入って来る。
何故か――作者の頭が良すぎるからである()。一挙手一投足を文字に起こし、それでいてややこしくはない。等身大のキャラ達をありのまま見せてくれる。
それでいてストーリーが面白い! もう十二分に面白い! 無敵か!? ていうムーブをかましてきます。緩急の付け方が上手で、それで読者の想像をはるかに超えた展開が……。方向性が定まっているためか、本当に面白い部分だけを抽出してだしているので、一話一話ごとのカロリーが高いです。
ですがそれさえ気づかない程面白いので、サクサクと読んでしまいます。
これを読んでいる人! 今すぐに読むんだ!
タイトルで避けていては勿体ない! 本当に面白い作品というものを見せてやる!
村人達が当たり前に行える儀式を当たり前に出来ない少年が、村八分にされている。
そんな所から始まる物語なのだが、王道を行きつつも読み進める度に展開していく内容が「えっ! えっ! えーっ!」の連続で読む手が止まらない作品です。
実際数時間かけて一気に読破した後、「何? 二十万字ちょい!? 百万字くらいありそうな濃密さだったが!?」と驚きました。最初に出てきた話が後々になって響いてきたり、キャラクター達の台詞や名前が「おっ!」と引っ掛かったりにやっとするものがあったりで都度都度とても面白い! 私の推しは熊掌です。色々盛りに盛られている……!
また、世にある様々な事柄に対する問題提起や「こうあってもいいじゃないか」という包み込み方をみせる作者の優しさと思いが滲む作品でもあり、とても感銘を受けました。
理解と無理解。知らない事を知る事。己の根幹がひっくり返る出来事に相対しても、強い覚悟で臨む事。
思いに触れ、学び、そして「続きー!」と続編に走りたくなる作品です。
古典や中国史、そしてミステリーと十二国記が好きな、読書カロリー高めの作品を望む方! ここに! ここにありますよー!
クラッシックのコンサートには、組曲の楽章の合間には拍手をしないということが暗黙のルールとなっている。すべての楽章が終わったと時に、演奏者たちに拍手を贈るのだ。
本作『白玉の昊』は2023年2月現在、序章と破章が公開されており、間もなく急章が公開される予定だという。(三章ごときでは終わらないという噂も……)
長い長い組曲のような本作で、序章のみを読んで喝采を贈るのは、もしかすると無粋な行為なのかもしれない。楽章の間の静寂もまた、音楽の一部なのだから……。一部だけを見て全体を評価するようなものだから……。
けれどもあえて、スタンディングオベーションを贈りたいと思う。
許されるのであれば、「ブラボー!」と叫びたいところだ。
節々に感じる中華テイストに『ふしぎ遊戯』を思い起こす……なんて言うと、歳がバレてしまうだろうか。
「参拝に失敗すれば、白い玉様に命と体を獲られる」という設定だけでも、ご飯三倍くらいはイケそうだ。
矢継ぎ早に明かされる『白い玉様』にまつわる謎、そして逆転する邑の因習。邑内での対立と、外からの力。序章でこれだけ引っ掻き回すのだから、次章以降はどうなってしまうのか……もう、期待しかない。
きっと長い付き合いになるという予感がある。
みなさんも、瀛洲の白い玉さまに参拝してみてはいかがだろうか。気楽に詣でても大丈夫。命と体を獲られるようなことはないだろう。(確証はないが)
ただし、読み始めたら止まらない……。ゆったりとした読書時間、そして飲み物とおやつの準備をお忘れなく。
冒頭を読んですぐに、これは凄まじい作品に出会ってしまったなぁと思いました。え、これ書籍化されてないの?マジで?と確認したくらい。笑
白い玉様を崇めまつるその邑で、主人公の少年は鬱屈としている。
玉様にお参りをする能力が自分にはないから。
そうして邑人にも蔑まれ、妹からも見下される毎日。
しかし、ある日少年の人生は一転する。
自分の世界が箱庭のようなものだと知ったら、あなたはどうしますか?
自分が常識だと思っていたこと、覆らないと思っていたこと、それらが一瞬で覆ったら?
確かだと思っていた足場が薄氷のように危ういものだと知ったら。
この作品を読んだ時、急に足場が抜けて穴に落ちるような、そんな恐怖を味わいました。
物語の前半は、そんな驚きの衝撃事実に目が点に。そして、後半は怒涛の急展開に、口を半開きにしたまま一気読みしてしまうこと間違いなし!
まさに“衝撃”という言葉がぴったりくる物語。
いやぁ作者様の頭の中はどうなってるんですかね?天才ですかね?(本音がポロリ)
世界設定だけでなく、登場人物たちもとても魅力的です。生きた人間がそこには描かれています。善悪ではなく、それぞれが抱えたもの、培ってきたもの、見定めるもの、守りたいもののために正義をぶつけ合い、戦いは繰り広げられる。大河ドラマのような壮大な群像劇にただ感嘆します。
この作品に出会えたことに心から感謝しました!
ぜひ、この重厚かつ奥深いストーリーに酔いしれてほしい!!
続編もありますからね!安心してこの沼にハマっていただきたいです!
村の祠に祀られている“白い玉様”。参拝は手順一つ間違えただけで命と体を獲られてしまうという恐ろしいものだった。
それは500年も続いており、村に住む者たちは当たり前のように参拝を続ける。
主人公の天真爛漫な少年には訳があり、その参拝をさせてもらえず悔しい思いをしていたが、ある日偶然出会った男により、様々な秘密が明らかにされ、少年の運命にも変化が起きて行きます。
僕は怪異系の話が大好きなので、初めの1ページを読んだだけでもうこの物語に引き込まれてしまいました。情景が映画を観ているように脳裏に浮かんでいます。
ちょうど今から物語が大きく動く場面なので、主人公達の行く末が気になります。
この小説が気になっている方は、ぜひゆっくりと時間を作って読んでみてほしいです。
WEBで掲載している小説の醍醐味は、隙間時間にスマートフォンなどで気軽に読めるところでしょうか。
あえて、言います。この作品は上記の真逆であります。
綿密に造り上げられた世界観、設定、登場人物の背景、圧倒的筆力で綴られる重厚かつ丁寧な文体、物語全体の構成、次々と出てくる専門用語。これらすべてを読み解きながら咀嚼する。それには片手間ではとても出来ない、濃厚な作品なのです。
冒頭から数話進んだところで気が付くでしょう。あっ、これは時間を掛けてじっくりと読みたいと。その時にはすでにこの作品の虜になっているはずですし、じっくり読み進めたいのに先が気になって読んでしまう、そのジレンマを感じるでしょう。
そして、読書好きでなおかつ紙の本がお好きな皆様は一様に思っているはずです。この素晴らしい作品を、紙の本で読みたい、と。もちろん、わたしもその一人です。
この小説を読み終わってから数日がたった。なのに、頭の中にあの世界が渦巻いていて離れない。家事も、執筆も、読書もはかどらない。なにも手につかない。
読まなきゃよかった。
本気で思った。
最初からそうだった。誰かのレビューを見て、面白そうだと思ってのぞきに来ただけだった。なのに、一話を読んだとたん、鳥肌が立った。
真っ黒な森の、神社。ちょっとはみ出し者の二人。
風景も、人物も、映像を見ているように浮かんでくる。深い森の湿った土のにおいまで立ちのぼってくるような感覚。
そのまま一気に切りのいいところまで読んだ。でもあとはもう、止まらなかった。
端役に至るまでの登場人物の一人一人が、戦う様が、映画を見終わった時のように残像として残っている。何か気のきいたコメントを残したいのに、感情が塊になって渦になって、言葉で何をどう表現していいのかもわからない。
くやしい! くやしい! くやしい!
どんなに練習しても、どんなに頭をひねっても、自分には絶対にこんな小説書けない。どんなに頑張ってもかなわない。
小説は勝ち負けじゃない。わかってるのに、くやしくてたまらない。
だって今も、頭の中にはあの世界が、あの人物たちが続きを読んでくれとぐるぐる回っている。
でも、まだ続きは読まない。くやしいけど、もう一度最初からこの序章を読み直す。そしてそのまま一気に続編に突入したい。
しばらくは、何も手につきそうにない。