血の通った登場人物達が織り成す、残酷で美しく魅了する作品がここにある。

村人達が当たり前に行える儀式を当たり前に出来ない少年が、村八分にされている。
そんな所から始まる物語なのだが、王道を行きつつも読み進める度に展開していく内容が「えっ! えっ! えーっ!」の連続で読む手が止まらない作品です。
実際数時間かけて一気に読破した後、「何? 二十万字ちょい!? 百万字くらいありそうな濃密さだったが!?」と驚きました。最初に出てきた話が後々になって響いてきたり、キャラクター達の台詞や名前が「おっ!」と引っ掛かったりにやっとするものがあったりで都度都度とても面白い! 私の推しは熊掌です。色々盛りに盛られている……!

また、世にある様々な事柄に対する問題提起や「こうあってもいいじゃないか」という包み込み方をみせる作者の優しさと思いが滲む作品でもあり、とても感銘を受けました。
理解と無理解。知らない事を知る事。己の根幹がひっくり返る出来事に相対しても、強い覚悟で臨む事。
思いに触れ、学び、そして「続きー!」と続編に走りたくなる作品です。

古典や中国史、そしてミステリーと十二国記が好きな、読書カロリー高めの作品を望む方! ここに! ここにありますよー!

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