壮大な物語の「序」。一気読み推奨です。

和風ベースに中国や様々な要素を取り入れた独特な世界観を舞台にした重厚な物語でした。
周りで評判が良かったので「これは一気に読んだ方が良いな」と思い、連休を待って読み始めましたが正解です。
これは絶対に一気に読んだ方が良いです。
出来れば集中して。


ある村を舞台に、様々な立場の登場人物が織りなす物語は、
作中の言葉を借りれば「不条理の上に成り立っている残虐」というのにふさわしいものでした。
不条理と残酷さと、そして途方もない悪意。
物語の端々に作者様の切実な気持ちを感じました。


物語としてはまだ「序」ということで世界観のすべても詳らかにはなっていないでしょうし
それぞれの人物の関係性や、思惑、語られていない過去などもあるでしょう。
それを、この「序」の物語から追っていくという楽しみもあると思います。


最後にこれは全く個人的な感想なのですが。
多分大方の方と全く違う反応になると思いますが、
作中、蔓斑という、嫌なキャラクターが出てきます。
それで、主人公たちも窮地に追い込まれたり、大変苦しい思いをするのですが・・
私は蔓斑があの結末で良かったなあと思いました。

その他のおすすめレビュー

七瀬京(Pro-ZELO)さんの他のおすすめレビュー115