戦慄の描写が霧のごとくたちこめ、上下の顎をかち鳴らさんばかりの寒々しさが作中からたちこめる……。 必読本作。
擬音語だらけ…!と読み進めていると、まさかのオチでした。人間の日常生活を小人になって客観視しているような気分になりました。皆さんも、小人の気分になってみませんか?
このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(62文字)
こちらの作品は、冒頭に引かれて読みに来ましたが、全体的に静かに不気味な感じが続いていて、背中がぞわぞわする感じがありました。カメラのマクロ撮影で取られたような、物体に近いところにカメラが置かれたような、丁寧な、そして、なんとも、ぞわぞわするような描写が静かに続きます。そして、印象的な『音』のオノマトペ。古い家らしき描写とともに描かれる音。そして、タイトルの『たまご』の正体・・。何度も読み返してしまいました。
絵がない分、説明しなくてはならないことが少しあるのは当たり前。ですが、絵本になりそうな内容です。特に、中からの視点は何とも面白い。自分も卵の中に入ってみたくなる、そんな作品です。
主人公の視点で語られる、薄気味悪さがふんだんに散りばめられたホラー作品です。彼は全てを見ているはずなのに改善することはなく、彼は好悪の感情を持っているはずなのに誰にも手を貸すことはない。けれど、最後には仕事を果たし、多くの命を育むでしょう。結末に興味はなく、何の躊躇いもない。そんな彼の物語、ぜひ読んでみてください。
これは最後まで読みきると意味がわかります。言葉選びと構成が上手すぎる!最初はなるほどなって思いますが、読み進めると『あれ?』と……そして、ラストで……気になりますか?ぜひともご自身の目で確かめてみてはいかがでしょうか?
構成がお上手で、まんまと最後にゾワッとしましたなんなら少し「ひぇっ……」と声を出してしまいました 笑
最後でタイトルの意味がわかるホラーです。人目線でないからこそ余計にこちらの想像力が引き立てられます。あれは何?これは誰?などの謎が多く、読む人によってまったく違うものを連想しそうです。明確な何かが起こったわけでも、描写があるわけでもありませんが、絶対何が起こったやろ。と分かるのがすごいです!ネタバレになるので詳しくは書きませんが、私、こういうの大好き!!
情報の出し方が上手いなと感じました。読者に唐突に恐怖を突き立ててきます。