昊(そら)と白玉様の秘密とは。絶対満足の極東風ファンタジーの名作!

参拝に失敗すれば命を取られる。恐ろしい守り神が祀られるムラから物語はスタートします。

よくある因習物……?

では、終わらないのが本作の凄まじい所。

伝奇から始まり、ミステリーに繋がり、群像劇、貴種流離譚、恋愛物と様々な物語を内包しつつ展開する、幾重にも織り込まれた抜群の完成度を誇る本作。
どんな違和感にも必ず理由があり、バシバシと伏線が裏返る快感がやみつきに。

そして、序章最後を読んだ時の世界の広がりに、思わず「おお!」と叫びたくなるはず。

良く抑制された情報量に、ドラマと連動した世界観の醸し方、なによりテーマを課せられつつも生きているキャラクターたち。

序文を読んで嘆息が出る素晴らしい文章力ですら、氷山の一角だったと言う事に驚嘆を隠せません。

どっしりとした満足感を求めている貴方に、オススメの作品です。

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