爽やかな後味とじんわりとした温かみのある民俗ファンタジー

主人公おちよは幽霊だった。

触れそうなほどに活き活きとしているのに、誰も触れられない。
純朴な青年男性の金太郎……のような金朗をパートナーとして、物語は進んでいきます。

おちよの死に至った過去の出来事を、民俗学と絡めて解きほぐしていく。
その過程で明らかになるのは悲しい事件。

ちょっと生意気で、勝ち気で、幽霊であるがゆえにヤキモキするおちよを思わず応援したくなる。すっとぼけた金朗の本心と、幽霊であるがゆえに避けられない運命と、二人の結末は……!?

ぜひ最後まで味わってほしい良作です。

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