概要
およそ200年後、霊として現世に留まる彼女の元を神職の男・金朗が訪れる。
おちよは金朗とともに、自分が殺害された理由を探っていき、「花咲爺」にまつわる、とある儀礼にいきつく。
そして、金朗と共に過ごす中で、次第におちよの心に変化が現れはじめ、生前は得たことのない新たな感情を芽生えさせる――。
○参考資料
・古川のり子『花咲爺伝承について』 学習院大学国語国文学会 一九八六年
・沖田瑞穂『連続変身の説話の系譜――花咲爺を中心として――』 中央大学人文科学研究所 二〇一三年
・畑中章宏『日本疫病図説 絵に込められた病魔退散の祈り』 笠間書院 二〇二一年
・阿南透『高度経済成長期における都市祭礼の衰退
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- ★★★ Excellent!!!その手は、今度こそ
西暦一九五一年。元号は昭和。
200年前、身売り先の村で殺害されたおちよは、満開の桜の下で神職の金朗と出会う。
死者と生者、時間を超えて出会った二人。
「殺されたのよ。殺されて、焼かれて、灰を撒かれた。この桜の木にね」
「まるで『花咲爺』だ」
金朗は、おちよの死の真相と、おちよが成仏できる方法を探し始める。
戦争が終わったばかりの時代。
「これからを良くしよう」と生きる金朗と、そんな金朗と自分の心残りを見つめるおちよ。
自分の生と死を、無念と憎しみに寄り添う人を見つけたおちよは、金朗のためにあることを提案したのだが……。
200年の間に、様々なことが変わった社会。
しかし人の醜さも…続きを読む - ★★★ Excellent!!!おちよちゃんが可愛い~儚くも強かな和風ファンタジー~
他のレビュワーさんも仰ってらっしゃる通り、幅広い民俗学の知識を、上手に物語のピースとして組み込んでいると思います。
どこかおとぎ話のような、幻想の世界観に佇む、残酷な史実。
きっと、このような事が行われていたのだろうな。と考えさせられるものがありました。
そういった『重さ』を、おちよと金太郎の掛け合いが、ホロホロ柔らかくしてゆきます。
とにかく魅力的なヒロインおちよ。
ちょっぴり生意気なんですが、非常に可愛らしいんですよ。
傍にいる金太郎の目線も、暖かなものです。
幸せになってほしいな……という気持ちが最高潮に昂ぶった時に、至極のラストが読み手を待っています。
後日談が読みたい…続きを読む - ★★★ Excellent!!!素晴らしきかなロリババア
悲惨な経緯から霊となってしまった少女、おちよと、彼女と出会い、死の真相に迫ろうとする神職の男、金朗の物語。
民俗学や伝承に対する深い造詣から、展開される本格派の伝奇ミステリーが二人の物語に厚みを持たせており……――おちよちゃんかわいい! ロリババア最高!(決壊)
ちっちゃな女の子が精神だけ老成しちゃって悲惨な過去から捻くれて斜に構えてるこんな素晴らしいことが他にありますか!?(歪) 一目惚れですよ一目惚れ!(性癖) いやあロリババアをちゃんとメインに扱ってくれるラブコメ作品って本当に数が少なくてまこと……染み入る……(恍惚)
おちよちゃん、ビジュアルも素晴らしいのですよねえ……。ぜひ…続きを読む