櫂矢　真衣

この作品は、さまざまな古道具の視点で描かれるオムニバスです。 古い道具には魂が宿るとはよく言ったものですが、本作では物言わぬはずの道具たちが静かに、でも雄弁に、人間たちを観察して…続きを読む

クリスマス、楽しみね。 作中によく出て来る言葉です。 この作品は、アドベントカレンダーのように、毎日1話ずつ、クリスマスに向けてお話しが進んでいきます。 近づいてくるクリスマスの…続きを読む

この小説は、面接の一場面を採用担当者の語りで書かれているお話です。 てんでダメな応募者に「あちゃー」となったり、社会人の悲哀を感じたり、短いながら笑いどころが多く、クスッとくる作…続きを読む

本作は、警察学校に通っていた旦那さんから聞いた話を、奥さんがしている、というもの。 警察学校。未知の領域ですよね。 そんな場所に、怪異が出る。 旦那さんはさぞ大変だったでしょうと…続きを読む

主人公は騎士団の試験に落ちた帰り道、とても落ち込んでいます。 どんな顔をして帰れば……と悩んでいて……、というお話。 盲目的になってしまって、なぜそれを目指していたのか、なぜその…続きを読む

おもしろい試みの百物語です。 主人公たちはリモートで、AIが作った（というていの）怪談を順番に聞いていきます。 しかし、それらの怪談はもしかしたら現実とリンクしているかも…… …続きを読む

短く淡々としたお話ですが、生まれ持った超能力と向き合った主人公の勇気が伝わってくるようです。

タイトルの通り、魔王をパートでやることになった主人公は、持っている資格を駆使して大活躍！ というお話。 魔王をパートでってどういうこと！？と思いますが、福利厚生の行き届いた素晴ら…続きを読む

大人になっていくと、不思議なものが見えなくなる。 主人公もその例に漏れず、子供の時から一緒だった妖精さんとの繋がりが薄れてきて……？ というお話。 読んでいてホッとする、温かみ…続きを読む

この小説は、掲示板に書かれた書き込み、というていで進んでいきます。 主人公はダンジョンのお店を宣伝しようと書き込みをするのですが、お店の場所が下層すぎて誰も行けない、というところ…続きを読む

沼には魔物が出る。主人公のアーサーは度胸試しに沼に踏み込み、怪我をおってしまう。 父親はアーサーを勘当し、アーサーはもう一度沼へ、というお話 度胸試し、魔物討伐を通して、一緒に来…続きを読む

主人公たちのゼミグループは、曰く付きの廃村でキャンプをしていました。 そこに、武器を持った怪異が襲いかかってきて……、というお話。 スプラッタでスリル満点のシチュエーションにヒヤ…続きを読む

殺した子供がもう一度自分の子として生まれてきて、恨み言を言う。生まれ変わりの怪談の、有名なお話。みなさん一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。 これも、そんな怪談の一つ………続きを読む

二百年前、悲劇に見舞われて幽霊となった主人公のおちよは、祭りを開こうとしている金太郎のような男と出会い、交流を始めます。 信仰や民俗学の根深く絡み合うお話は、一見学術的で難しく見…続きを読む

なんと言ってもこの作品の特出したところは、主人公であるヌイヴェルの優美な語り口でしょう。 気高い高級娼婦の目から見る上流階級のヒューマンドラマが、優雅な、それでいて読みやすい文体…続きを読む

みなさんご存知の童話よろしく、赤ずきんのルビィがおばあさんの家に行くと、そこには狼が。 狼はなにやら訳ありで、二人は一緒に旅に出ることに、と言うお話。 可愛らしい二人の空気感が甘…続きを読む

この作品、異世界転生ものですが、変わったところが一つ。 主人公が一人で転生するのではなく、家族が丸ごと。家族が住んでいた農場も一緒に異世界へやってきたという点です。 家族が一緒だ…続きを読む

手紙を燃やす。 とても、意味深な行為です。 主人公のイーイは手紙を燃やして弔います。 とにかく、エモい。これにつきます。 手紙に込められた言葉を、我々は読むことはできませんが、思…続きを読む

普段私は短歌を嗜まない者なのですが、一気に読んでしまいました。 この歌集に収録されているのは主に二種類の短歌。 一つに、日常の風景を切り取った短歌。日常が伝わりやすい言葉を選ん…続きを読む

未知の宇宙はロマン。その一言に尽きるのがこの作品です。 とある宇宙船が宇宙を漂う魚を発見し、その調査へ……、というお話。 SFチックなロマンがふんだんに詰め込まれた一作で、私は冒…続きを読む

後宮といえば、嫉妬、陰謀、策略、そのほか諸々の恐ろしい思惑…… と、いったものはこの小説には一切ありません。 ギャルが後宮に現れたことによりゆるっと愉快で平和なギャルワールドになっ…続きを読む

短いながらも幻想的で、儚く美しいお話でした。

家庭の中に居場所のない少女千鶴は、ある日父から二体の美しい人形の世話をするように言い渡されます。 人形はただの人形ではなく生きていて、食事もするのです。 食事の量は絶対に守らなけれ…続きを読む

わかる。その一言に尽きます。
お布団最高。

高額がもらえる怪しいアルバイト。 それは、腕につけた測定器で体験を記録しながら、ホラーな目に遭うこと。 主人公の間宮はアルバイトとして、色んなヤバイ体験をさせられます。 それがも…続きを読む

主人公のセーブルは、ワイバーンの背中に乗って各地を回る空飛ぶ本屋さんです。 ところによっては生活必需品の方がいいだとか、本なんか贅沢だとかいって歓迎されないこともありますが、セー…続きを読む

勇者と魔王、聖女がいるファンタジー世界で、人と魔族がいて……、と、いうよくある話を、なんとなんと微生物の観点から切り込んでいるのがこの作品。 真実味のある世界観や、そこに暮らす人…続きを読む

若い頃って、言葉遣いで悩む事ってありますよね。 一人称はどれ使うのが自分らしいかなとか、友人のことはなんで呼ぼうかなとか。 自我や周りの人との距離感が不安定であるが故に、なんと…続きを読む

甘いのとしょっぱいのを交互に食べると無限に食べられちゃいますよね。 私のこの小説に対するイメージがそれです。 除霊師の弍千佳さんは、事故物件に出る幽霊を祓うのが生業。ある時縁があ…続きを読む

わくわくする探検の話。というのが、この小説の第一印象でした。 この世界の「本」は小さな石の形をしていて、中から炎の蝶や、氷の兎や、影の犬が出てくるのです。 そんな本たちが眠って…続きを読む

北欧神話モチーフの雪深い情景と、孤独を感じる主人公エリンの寒々しい心境がスッと胸に入ってきます。

エリンの冒険の行方がとても楽しみです。

とにかくバトルがアツいです。 美しい乙女たちが天下一武道会もびっくりの白熱した試合を見せてくれます。 試合に登場する女の子たちは、機械仕掛けの人形、コッペリア。その子たちが、様々…続きを読む

タイトルの通り、主人公のみーちゃんは殺人鬼です。
この小説には、彼女がそうなるまでの過程が書かれています。
詩のような文体で書かれる殺人鬼が誕生する瞬間がとてもよかったです。

私、ゴツくてデカくて不器用な男が気の強い女の子に振り回されてる図を見るのが好きなのです。

この文章は、架空の民族について書かれた調査レポートです。 民族としての考え方や暮らし方、食生活や結婚、葬儀などなど。まとめられている情報は多岐にわたります。 読んでいるうちに本当に…続きを読む

ゾンビパンデミック、というと銃声と悲鳴がひっきりなしに聞こえる騒々しいパニックのイメージですが、これは違います。 発射される銃弾は一つだけです。 ゾンビものなら必ず行き当たる、い…続きを読む

主人公のマルロはある日、元々はお父さんが船長だったという船に乗り込み、船長をすることに。 しかしこの船、ただの船ではなく、死霊たちが乗組員の幽霊船で……！？というおはなしです。 …続きを読む

ひたすらに猫がかわいいです。

猫が主人公の時の定番「我輩は〜」からはじまり、探偵ものとしての語り口も軽妙で楽しかったです。

最初のうちは、迷子になった時のエピソードにわかるわかる！と思いながら読んでいました。 しかし、ただのあるある話では終わらず……。 読後感に奇妙な味わいのある、とてもいいショートショ…続きを読む

できれば前情報無しで読んで欲しいので多くは書きませんが
タイトルや見出しで語りかけられて誘われるままに見に行って、新手の妖怪に行き合ってしまったような気持ちです。

とてもおもしろかったです。 この世界には三種類の竜がいます。 個人的な話になってしまうんですが、私はドラゴンがとても好きなので多種多様なドラゴンが見られてテンションが上がりました。…続きを読む

主人公のパウは、不思議な蝶ミラーカと共に旅をしています。 旅の目的は、人を食べる大きな蝿を倒すこと。なぜなら二人は、この人喰いの蝿の騒動とは浅からぬ因縁があり……、というお話。 落…続きを読む

コミュ力低めの幼なじみの葵が高校デビューの自己紹介で大失敗し、クラスでめちゃめちゃ浮いてしまう。 そして主人公の圭に対して「友達なら圭さえいればいい」とヤンデレ一歩手前みたいに依存…続きを読む

わがままで性格の悪いお嬢様に仕えている侍女頭が、お嬢様の希望を叶えるために策を巡らせる、というお話。 基本的に侍女頭レイの一人称でお話が進みます。丁寧な語り口が心地いいです。 …続きを読む

主人公の少年レアンは、精霊の声が聞こえる。 ある日、村が何者かに襲撃されて母親が殺され、復讐のために旅に出る、というお話。 落ち着いた文体と、下地のしっかりした王道ストーリーが、…続きを読む

おじいさんが若い頃のことを語っている昔語りのていで、お話が進みます。 病気が流行ってみんなが倒れて、困ったお若かりしおじいさんは、決して行ってはいけないと言われていた外に出かけ、…続きを読む