概要
俺ことヒムロ・マコトは、気がつくとミミック(宝箱に擬態しているやつ)に転生していた。
喋ることも文字を書くことも移動することも出来ず、ひたすら蓋を開閉して意思を訴えては素通りされる日々。
そんな中、冒険者っぽい少女が、俺の前に立ち止まった。
彼女の名前はヒナさん。
俺と同じ、日本からやってきたらしい。
すごく強くてかわいいヒナさんに、なんとか近づきたくて、俺は宝箱から人間の姿をとれるよう頑張る日々。
ところが、彼女にはとても深い秘密があるみたいで……。
これは、「自分の人生」を選んだ少女と、そんな少女のために魔王になる魔物の物語。
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!こういったジャンルに抵抗がある方もぜひ読んでもらいたい
読み慣れないジャンルなので難しいことは書けないのですが
(私の場合は抵抗があった訳ではなく単に読んだことがなかっただけなのですが)
転生モノや「ダンジョン」とか「スキル」とかが出てくるような作品に馴染みのない私でも、なんだこれ面白いどうしよう…!と次々ページをめくってしまいます。
出会わせてくださりありがとうございますという気持ちです。
スキルの使い方がめちゃくちゃカッコいいです!
そして随所に散りばめられた、読者に訴え掛けるような、心に響く言葉が心を抉ってきます。
(特に後半の展開…!)
基本的に優しい心が溢れているので、読んでいて癒されるというか、優しく前向きな気持ちになります。
…続きを読む - ★★★ Excellent!!!間違いなく掘り出し物の名作。ミミックだけにってね!
「俺」は誰かに見つけてほしかった。
声を出せない「俺」が必死に送るメッセージを、冒険者の女の子・ヒナさんが拾う。
宝箱の蓋をパカパカさせながらモールス信号で会話する「俺」が転生したのは、なんとミミック。スライムやほかのモンスターより動きにくく、誰とも話せなかったことで心細い思いを抱えていた。
強くてカッコかわいいヒナさんとともに始まる異世界ライフ。
コミカルでくすっとさせる文体でありながら、現代を生きる私達が考えさせられるテーマも丁寧に描かれ、ヒューマンドラマの要素も垣間見えます。
君のための魔王ってどういうことだろうとタイトルの謎も追いながら、魅力的な世界に一歩踏み入れてみてください! - ★★★ Excellent!!!転生モノが好きな方必読! ミミックになっても前向きな主人公が凄くイイ!
転生モノって、本当にたくさんあると思うんです。
数が出れば出るほどパターンも決まってしまって、その抜け穴を探すみたいに設定が複雑になったり、「そこはお約束でしょ?」みたいに説明が蔑ろになったり。
でもこの作品、明らかに他の作品と一線を画しているんです。
世界観の説明が丁寧で、たとえば中世風異世界に大きな窓ガラスがあると「科学技術どうなってるの?」となるわけですが、そういうこともさらりと作者さんは説明してくださる。
あと、異文化コミュニケーションというんでしょうか、
「魔族の男と比べて、人間の男は自分より弱い存在と性交したい傾向がある」
なんて台詞が出てきてドキッとさせられました。
せっかく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!一途な想いに言葉は要らない? 大切なひとを守るため、魔王になる!
目が覚めると、そこはダンジョンの中。
ヒムロ・マコトは、気がつくとミミックに転生していた。
見た目宝箱な魔物であるミミック。
もちろん言葉も話せなければ文字も書けない。意思疎通は蓋をパクパクさせることしかできないという、もどかしい状態。
そんな中出会ったのは、冒険者風の少女ヒナ。
すごく強くてかわいいヒナに興味を持ち、惹かれていくという、主人公が人外なファンタジー。このハンデというか意外性がもどかしさも相まって、読者としては読んでいてどきどきしちゃうんですよね。
ヒナにも色々と事情があるようで····ただの異世界転生ファンタジー作品ではないことも、数多ある似たような作品とはまた違う面…続きを読む - ★★★ Excellent!!!転生してみたらミミックだった⁉ そんな彼が魔王を目指す理由とは
ええ、そうです。
転生したらミミックだったんですよ、主人公。
ミミック、ご存じですか? 私は知らなかったので検索しました。宝箱のお化けというか、びっくり箱みたいなモンスターなんですね。
それに転生しちゃったんです。主人公のヒムロ・マコトは。
当然こう……話せないので、孤独なんですよね。で、彼は考えた。箱の蓋をパカパカさせてモールス信号を送り、意志疎通を図ることを。
それで出会ったのが冒険者のヒナさん。
彼女はヒムロをパーティに加えてくれたり、スキルを付与してくれたり。
もちろんヒムロも彼女に頼りっぱなしではありません。バディとして活躍しますが。
次第にヒムロはヒナに心惹かれていくんで…続きを読む - ★★★ Excellent!!!ミミックから魔王への跳躍――愛と冒険のマイルストーン
肥前ロンズ様の『君のための魔王になりたい』は、 孤独な宝箱が冒険者ヒナとの出会いを経て、"人"としての成長を目指す、少し切なくも温かい異世界物語だ。その発想だけで十分に惹かれるのに、さらに驚かせるのは宝箱が動き出すその先にある、彼の真剣な想いと情熱だ。
ヒムロ・マコトは、まるで不器用なオルゴールのようにヒナへと寄り添う。その姿は「異形」と「人間」の境界を揺さぶり、時に笑いを、時に胸を締めつける感動をもたらす。例えば、ダンジョンで拾った青い水晶をピアスに加工し、ヒナへ贈るシーン。モールス信号で始まった交流が、言葉を越えた感情表現に昇華されていく様子は、なんとも愛おしい。
物語はヒ…続きを読む