まず知っていただきたいのは、こちらの作品は、カクヨムコン9にて特別賞を受賞された素敵な作品であること。
この物語は転移系お仕事系なファンタジーものなのですが、作者さまの知識を活かした作品であること。
化粧品メーカーの研究開発部に所属する主人公は、『好き』を仕事にしたはずなのに、入社2年目にして会社を辞めたくなっていた。
そんな中、満月の夜に異世界に転移しちゃうという始まり。
からの、さまざまな出会いによって、再び自分の『好き』を取り戻していくという、物語。
転移した異世界にはコスメの概念がなく、主人公陽葵の知識と仲良くなった魔女ティナの魔法で、さまざまな化粧品を開発し、異世界の女子の悩みを解決していくという、癒しと可愛いが詰まったお仕事系ファンタジーな作品なのです。
主人公の底抜けの明るさ、周りのキャラクターの可愛さ、クールで頼りになる相棒との関係性など。とにかく最後まで嫌な部分がなく、楽しく読める作品でした。
続きがあるならぜひ読みたい!
そんな風に思える今作。
女性向けと縛られず、男女ともに楽しめる要素があると思うので、ぜひ一度読んで欲しいです。
オススメの作品✨
シャンプーは? コンディショナーは?
化粧水がない……乳液もない……えぇーっ‼︎
「まさかこの世界って、化粧品の概念がない?」
そんなまさかのニッチな領域に異世界で化粧品の販路を拓いていく物語。転移を果たした主人公こと陽葵は、魔女ティナと出会い、さっそく彼女の魔法薬店で居候生活に漕ぎ着ける。前世で培ったノウハウで化粧品の原料選びから調合に至って心を躍らせる陽葵と、それに対し、クールで引き気味の隠せないティナ。異なる価値観を美意識を高め合う女子の気持ちとして味方につけてしまう陽葵の口ぶりが巧妙で、ティナの魔法も借りながらの化粧品量産はまさにお手のもの。現世の職場で発揮できなかった化粧品開発スキルを、余すことなく体現していく描写の数々は、これまで抑圧されてきた生き甲斐を取り戻すような鮮烈な印象を与えてやまない。
テンポよく進む共同作業に肖るように、予備知識がなくてもサクサク読めるストレスフリーな読み心地。登場人物やカタカナwordが少ない上、捻った内容も無く、展開も素直で本当に読みやすい。モフモフ要素も相まって登場キャラがみんな可愛く見えて仕方がない。ほんわかであったかいスローライフ、魅惑のコスメティックファンタジー。