読み慣れないジャンルなので難しいことは書けないのですが
(私の場合は抵抗があった訳ではなく単に読んだことがなかっただけなのですが)
転生モノや「ダンジョン」とか「スキル」とかが出てくるような作品に馴染みのない私でも、なんだこれ面白いどうしよう…!と次々ページをめくってしまいます。
出会わせてくださりありがとうございますという気持ちです。
スキルの使い方がめちゃくちゃカッコいいです!
そして随所に散りばめられた、読者に訴え掛けるような、心に響く言葉が心を抉ってきます。
(特に後半の展開…!)
基本的に優しい心が溢れているので、読んでいて癒されるというか、優しく前向きな気持ちになります。
そんなところも魅力です。
つい長くなってしまいました。
とにかく読んでみてください、面白いので!
「俺」は誰かに見つけてほしかった。
声を出せない「俺」が必死に送るメッセージを、冒険者の女の子・ヒナさんが拾う。
宝箱の蓋をパカパカさせながらモールス信号で会話する「俺」が転生したのは、なんとミミック。スライムやほかのモンスターより動きにくく、誰とも話せなかったことで心細い思いを抱えていた。
強くてカッコかわいいヒナさんとともに始まる異世界ライフ。
コミカルでくすっとさせる文体でありながら、現代を生きる私達が考えさせられるテーマも丁寧に描かれ、ヒューマンドラマの要素も垣間見えます。
君のための魔王ってどういうことだろうとタイトルの謎も追いながら、魅力的な世界に一歩踏み入れてみてください!
転生モノって、本当にたくさんあると思うんです。
数が出れば出るほどパターンも決まってしまって、その抜け穴を探すみたいに設定が複雑になったり、「そこはお約束でしょ?」みたいに説明が蔑ろになったり。
でもこの作品、明らかに他の作品と一線を画しているんです。
世界観の説明が丁寧で、たとえば中世風異世界に大きな窓ガラスがあると「科学技術どうなってるの?」となるわけですが、そういうこともさらりと作者さんは説明してくださる。
あと、異文化コミュニケーションというんでしょうか、
「魔族の男と比べて、人間の男は自分より弱い存在と性交したい傾向がある」
なんて台詞が出てきてドキッとさせられました。
せっかくの異世界なのだから、リアルとは違う考えや行動様式があるわけで。
そんなことまで深く考えて書いている作者さまは、ただ者じゃないなと思ってしまいました。
それになにより、ミミックになってしまった主人公、ヒムロ・マコトの性格が読んでいてとっても落ち着くんです。
ミミックになっちゃって不便だけど、好きな女性のために頑張ろうと前向き。
仲間もクセはあるけどいい人ばかり。
ああ、この世界にいつまでもいたいなぁと思ってしまいます。
つまり何が言いたいのかと言うと、この芳醇な世界を、ひとりでも多くの方に堪能してもらいたいのです!
ぜひご一読を。
目が覚めると、そこはダンジョンの中。
ヒムロ・マコトは、気がつくとミミックに転生していた。
見た目宝箱な魔物であるミミック。
もちろん言葉も話せなければ文字も書けない。意思疎通は蓋をパクパクさせることしかできないという、もどかしい状態。
そんな中出会ったのは、冒険者風の少女ヒナ。
すごく強くてかわいいヒナに興味を持ち、惹かれていくという、主人公が人外なファンタジー。このハンデというか意外性がもどかしさも相まって、読者としては読んでいてどきどきしちゃうんですよね。
ヒナにも色々と事情があるようで····ただの異世界転生ファンタジー作品ではないことも、数多ある似たような作品とはまた違う面白さがあります。
人外系の異世界転生って魔物だったり魔王だったりゴブリン、自販機など、どんどん変化してますよね。
では作者さまの『宝箱モンスター』はどうでしょう? 意思疎通がモールス信号って、知ってるひとじゃないとまずわからないし、異世界だし、最初から絶望的。途中からはそれも変わるんですが、ネタバレしちゃうのでね(笑)
でもヒナとの信頼関係が救いになり、タイトルのようになるのだとしたら、もう面白いですよね。
普通の魔物が魔王になんてなれるわけがない。
そんな思考をいい意味で裏切ってくれるだろうと期待しております。
ただの異世界転生ものではない、さまざまな人間模様といいますか、現代とリンクするところもあるので考えさせられることもありますし。
誰かのために頑張る、こう在りたいと願う気持ちが魔王になるという目標なら、応援したくもあり、でも魔王になったらそれはそれで問題ありそうだけど、そのあたりはどう構成されていくのかも気になります。
オススメの作品なのでぜひぜひ〜✨
ええ、そうです。
転生したらミミックだったんですよ、主人公。
ミミック、ご存じですか? 私は知らなかったので検索しました。宝箱のお化けというか、びっくり箱みたいなモンスターなんですね。
それに転生しちゃったんです。主人公のヒムロ・マコトは。
当然こう……話せないので、孤独なんですよね。で、彼は考えた。箱の蓋をパカパカさせてモールス信号を送り、意志疎通を図ることを。
それで出会ったのが冒険者のヒナさん。
彼女はヒムロをパーティに加えてくれたり、スキルを付与してくれたり。
もちろんヒムロも彼女に頼りっぱなしではありません。バディとして活躍しますが。
次第にヒムロはヒナに心惹かれていくんですよね。
その過程が。
ものっすごく……いい!!!!!!!
丁寧で、動きとしてはゆっくりとしていて。
ふたりの関係をしっかり育てながら、かつ、自分の恋心を押し付けるのではなく、相手を尊重する。
そんな心の機微がしっかりと描かれていて、つい「あ、そうだ。いまヒムロ、ミミックだった」と我に返ることもしばしば。
ほかにも現代課題とリンクするような事柄もあって、ものすごく共感することも多いです。
なんというか。
姿かたちとか、言語とか。
意思疎通するときに障害になりそうなものって、実はそうでもないんだな、と。
本人たちにその気持ちがあり、相手の言葉に耳を傾けようとする姿勢があれば、コミュニケーションって成り立つんではないか。
そんなことを考えたり。
いやもう。
みんな読んで、本作を!
そしてヒムロや、ヒナさんを応援してほしい!
心底そんな気持ちでこのレビューを書きました!
肥前ロンズ様の『君のための魔王になりたい』は、 孤独な宝箱が冒険者ヒナとの出会いを経て、"人"としての成長を目指す、少し切なくも温かい異世界物語だ。その発想だけで十分に惹かれるのに、さらに驚かせるのは宝箱が動き出すその先にある、彼の真剣な想いと情熱だ。
ヒムロ・マコトは、まるで不器用なオルゴールのようにヒナへと寄り添う。その姿は「異形」と「人間」の境界を揺さぶり、時に笑いを、時に胸を締めつける感動をもたらす。例えば、ダンジョンで拾った青い水晶をピアスに加工し、ヒナへ贈るシーン。モールス信号で始まった交流が、言葉を越えた感情表現に昇華されていく様子は、なんとも愛おしい。
物語はヒナの過去に触れつつ、彼女のトラウマと向き合うマコトの葛藤を深く掘り下げる。彼が「魔王になりたい」という思いを抱く背景には、「守りたい」という純粋な愛がある。この愛がどのように魔王という形で結実するのか――そこには私たち読者の妄想を刺激する無限の可能性が広がっている。
読了後、読者の心にはこうした問いが浮かぶかもしれない。「真の強さとは、何かを守ることではなく、受け入れることなのではないか?」と。そして、あなたも宝箱を見かけるたび、こっそりモールス信号を送りたくなるだろう。
転生したらミミックだった件……なんて、そんな展開が新鮮でおもしろいなと思って読み始めました!
見た目はきっとゴツくてこわいはずのミミックなのに、懸命にコミュニケーションをはかろうとする様子を思い浮かべたら、かわいくて仕方ないです。
スキルをゲットして念話はできるようになりましたが、はたして彼は人間の姿になることはあるのか?
ギルドのお仕事はこれからどんなものが入ってくるのか。
ヒムロさんとヒナさんの関係はどうなる?
とか、楽しみ要素がいっぱいです!
ただの冒険モノと侮るなかれ。
文章も読みやすくて、すいすい頭に入ってきますよ。
ぜひ読んでみてください。
ミミックに転生してしまった、元日本人の主人公。喋れない、動けない彼は、誰かに見つけてもらえる日を夢見て、モールス信号を送り続けていた。
ある日、ついに彼は、運命の出会いを果たす――。
こうして同じく元日本人で転生者の女の子、ヒナさんとパーティーを組むことになった主人公なのですが、ヒナさんがかっこいい!かわいい!そして強い!!
経験値を分配してもらった主人公は、新たなスキルを獲得していきます。
こちらは第一章読了時のレビューですが、いずれ人の姿をとれるようになりそうな予感、そして恋の気配も( *´艸`)
続きが楽しみ♪
新感覚、ミミック・ファンタジーです!