転生してみたらミミックだった⁉ そんな彼が魔王を目指す理由とは

ええ、そうです。
転生したらミミックだったんですよ、主人公。

ミミック、ご存じですか? 私は知らなかったので検索しました。宝箱のお化けというか、びっくり箱みたいなモンスターなんですね。

それに転生しちゃったんです。主人公のヒムロ・マコトは。

当然こう……話せないので、孤独なんですよね。で、彼は考えた。箱の蓋をパカパカさせてモールス信号を送り、意志疎通を図ることを。

それで出会ったのが冒険者のヒナさん。
彼女はヒムロをパーティに加えてくれたり、スキルを付与してくれたり。
もちろんヒムロも彼女に頼りっぱなしではありません。バディとして活躍しますが。
次第にヒムロはヒナに心惹かれていくんですよね。

その過程が。
ものっすごく……いい!!!!!!!

丁寧で、動きとしてはゆっくりとしていて。
ふたりの関係をしっかり育てながら、かつ、自分の恋心を押し付けるのではなく、相手を尊重する。
そんな心の機微がしっかりと描かれていて、つい「あ、そうだ。いまヒムロ、ミミックだった」と我に返ることもしばしば。
ほかにも現代課題とリンクするような事柄もあって、ものすごく共感することも多いです。

なんというか。
姿かたちとか、言語とか。
意思疎通するときに障害になりそうなものって、実はそうでもないんだな、と。
本人たちにその気持ちがあり、相手の言葉に耳を傾けようとする姿勢があれば、コミュニケーションって成り立つんではないか。
そんなことを考えたり。

いやもう。
みんな読んで、本作を!
そしてヒムロや、ヒナさんを応援してほしい!
心底そんな気持ちでこのレビューを書きました!


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