私たちの世界でも、そんなことを言われるようになってしまいました。それでも、本は何ものにも替えがたい経験を与えてくれます。物語は心を埋めてくれるものであり、まだ見ぬ世界を見せてくれるものであり、時間や空間を超えて出会う友達であり、当たり前にあるものがとても尊いものだと教えてくれる。これは、ワイバーンに乗って本を売る主人公の、旅のお話。どこまでも行ける、あなたの物語。
まさに情景が目に浮かぶ物語!ファンタジーはこうでなくっちゃ。その本屋は空を飛んでやってくる。なぜ? ワイバーンが空を飛べるから。理由なんてそんなもんでいい。ふと空を見上げた時、一頭のワイバーンが風に乗っているのを見つけたら、ああ、新しい物語が運ばれてきたなって思うのさ。だから本屋は空を飛ぶ。その光景はどの物語よりも早く読み手の手に届くだろう。
本で空腹を満たすことはできません。日々の生活で手一杯になっている人々にとっては、贅沢品として映ります。利益のない本屋の仕事を、セーブルが続ける理由とは。童話のような本作の世界観に夢中になるのは、子ども以上に大人かもしれません。相棒のワイバーンとともに営む空飛ぶ本屋さんの商いを、覗いてみませんか?
本屋さんとワイバーンが各地に本を届ける温かい物語です。読みやすく、想像しやすいとても良い物語でした。
主人公のセーブルは、ワイバーンに乗って物語を運ぶ本屋さん。大空を旅して、あちこちに本を届けます。本の楽しさや素晴らしさを広めるため、今日も頑張るセーブル。読書好きなら誰もが応援したくなると思います。読みやすく、景色がパッと浮かんでくるような心地良い文体です。ワイバーンの飛行シーンには躍動感と迫力があり、読んでいてワクワクしました。とても面白かったです!
朝日に輝く城下町。その片隅に構えられた本屋には一匹のワイバーンが居た。背には鞍を負い大量の本を抱え、ワイバーンは青年のセーブルと共に今日も空を駆ける。本の量産は簡易でなくそれなりに値も張る。だからこそセーブルは、相棒のマークと共に空を飛ぶのだ。流麗な文体で情景も細かく、ですが決してくどくないので没入できます。きっとこの作品も、セイブルが貴方の元へ運んでくれることでしょう。読書家さんには羨ましすぎる本作を是非!
主人公のセーブルは、ワイバーンの背中に乗って各地を回る空飛ぶ本屋さんです。ところによっては生活必需品の方がいいだとか、本なんか贅沢だとかいって歓迎されないこともありますが、セーブルはめげません。本の素晴らしさを伝えるためにドラゴンで空を行く、とてもロマンに溢れた本屋さんです。