いよいよ目標の試験に挑み、そして敗れた。それがたまたま居合わせた商人との出会いで、自分の憧れの原点がなんだったか思い出す。その時若者の魂が、その奥に閉じ込めていた希望が息を吹き返す。その美しさ!彼はもう諦めない。自分が挑んだより根源的な願いを見いだした時、それまですり替えた希望にかけたよりもっと多くの努力を、かけずにはいられない。あきらめてなんかいられないと歩き出す。先を読みたい
主人公ウィルの心の機敏と風景の描写が美しい。はじまりは試験に落ちたというショックからはじまりつつも、最後には道が示される。美しい物語でした。
例えば、漠然と憧れていたブランド大学を落ちた帰り道、ふとした出来事から本当に行きたい道に気づく。そんな現代でも有り得る話を異世界風に上手く落とし込んでいて、読みやすくて示唆に富む素晴らしいお話だと思いました。
主人公は騎士団の試験に落ちた帰り道、とても落ち込んでいます。どんな顔をして帰れば……と悩んでいて……、というお話。盲目的になってしまって、なぜそれを目指していたのか、なぜその目標を持ったのか、わからなくなってしまう時ってありますよね……。憧れや望みの原点を見つめ直して新たなスタートを切る、素敵なお話でした。なんだか元気をもらって、前を向けるような気がします。
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