西暦一九五一年。元号は昭和。
200年前、身売り先の村で殺害されたおちよは、満開の桜の下で神職の金朗と出会う。
死者と生者、時間を超えて出会った二人。
「殺されたのよ。殺されて、焼かれて、灰を撒かれた。この桜の木にね」
「まるで『花咲爺』だ」
金朗は、おちよの死の真相と、おちよが成仏できる方法を探し始める。
戦争が終わったばかりの時代。
「これからを良くしよう」と生きる金朗と、そんな金朗と自分の心残りを見つめるおちよ。
自分の生と死を、無念と憎しみに寄り添う人を見つけたおちよは、金朗のためにあることを提案したのだが……。
200年の間に、様々なことが変わった社会。
しかし人の醜さも、生への意地汚さも、そして寂しさも愛しさも、恋も。時を隔てても変わらない。
真正面からそれらを見つめ、けれど陰鬱さはなくからりとして、最後は良かったと思える。そんな物語です。
他のレビュワーさんも仰ってらっしゃる通り、幅広い民俗学の知識を、上手に物語のピースとして組み込んでいると思います。
どこかおとぎ話のような、幻想の世界観に佇む、残酷な史実。
きっと、このような事が行われていたのだろうな。と考えさせられるものがありました。
そういった『重さ』を、おちよと金太郎の掛け合いが、ホロホロ柔らかくしてゆきます。
とにかく魅力的なヒロインおちよ。
ちょっぴり生意気なんですが、非常に可愛らしいんですよ。
傍にいる金太郎の目線も、暖かなものです。
幸せになってほしいな……という気持ちが最高潮に昂ぶった時に、至極のラストが読み手を待っています。
後日談が読みたいと思う、魅力的な二人でした。
悲惨な経緯から霊となってしまった少女、おちよと、彼女と出会い、死の真相に迫ろうとする神職の男、金朗の物語。
民俗学や伝承に対する深い造詣から、展開される本格派の伝奇ミステリーが二人の物語に厚みを持たせており……――おちよちゃんかわいい! ロリババア最高!(決壊)
ちっちゃな女の子が精神だけ老成しちゃって悲惨な過去から捻くれて斜に構えてるこんな素晴らしいことが他にありますか!?(歪) 一目惚れですよ一目惚れ!(性癖) いやあロリババアをちゃんとメインに扱ってくれるラブコメ作品って本当に数が少なくてまこと……染み入る……(恍惚)
おちよちゃん、ビジュアルも素晴らしいのですよねえ……。ぜひに誰か描き起こしてほしい……。というかコレそのまま永〇娘に寄稿して(殴)
素晴らしきロリババアの供給をありがとうございます。貴重な栄養源をごちそうさまでした。ことあるごとに繰り返し補給に来ます(満面の笑顔で手錠をかけられつつ)。