ようこそ! 日本史と世界史が交わる多様な世界へ! 芝原岳彦
「ガレオン船と茶色い奴隷」を書く上で、下調べした資料の一部をまとめました。
国民国家史観で描かれると、とても閉じた時代に思える戦国時代と江戸時代。
実は大海洋に開かれ、文物と人間が行きう多様で豊穣の世界でした。
歴史小説であまり扱われることのない人物や事件を集めてみました。
一章はとても短いので、試しにお読みください。
目次
連載中 全36話
更新
- 第1話 当時の宇宙船? ガレオン船
- 第2話 みんな大好き? 大航海時代
- 第3話 スペイン・ポルトガルとイスラム
- 第4話 立派な騎士たち? コンキスタドール
- 第5話 王様がたくさん 副王領
- 第6話 なんだそりゃ! 先天的奴隷論
- 第7話 ほとんど因縁! 降伏勧告状(レケリミエント)
- 第8話 これは酷い! エンコミエンダ制
- 第9話 三度の改心、ラス・カサス
- 第10話 定期連絡 マニラ・ガレオン
- 第11話 焼きごて、エスクラーボ
- 第12話 長崎のユダヤ人
- 第13話 東インドに西インド? それってどこ?
- 第14話 世界で最初? オランダ東インド会社
- 第15話 海賊王に俺はなる! 多国籍貿易集団・倭寇
- 第16話 日本人が来たぞー!!! 最強最悪の傭兵集団だった日本人
- 第17話 鎧を着たビジネスマン、ヤン・ピーテルスゾーン・クーン
- 第18話 ジャカルタからの手紙、ハーフの美人姉妹、波乱の生涯
- 第19話 海賊? 侍? 謎の傭兵隊長、山田長政
- 第20話 『無窮の皇帝』にみんなが狂乱! 世界最初のバブル景気
- 第21話 そんな英語ないある! チョバチョバ? パラパラ! ピジン語とクレオール語のお話
- 第22話 「ちょば! ちょば!」がきっかけで植民地独立? クレオール主義
- 第23話 極貧の青年時代を送ったコンキスタドール、エルナン・コルテス
- 第24話 『売国奴』? インディオの女性通訳、マリーナ
- 第25話 ミイラになったコンキスタドール、フランシスコ・ピサロ
- 第26話 スペインとインカに弄ばれた謎の女性、キスペ・シサ/イネス・ワイラス・ユパンキ
- 第27話 テノチティトランの日本屏風
- 第28話 オンテムバールな日本人女性、コルネリアの戦い
- 第29話 黒人サムライ、ヤスケの半生
- 第30話 アフリカ人? インド人? 日本にいた黒人砲兵部隊
- 第31話 太平洋を大航海した謎の男、小笠原貞頼
- 第32話 東西に現れたならず者の親玉 骨皮道賢とゲオルグ・フォン・フルンツベルク
- 第33話 フッガー家とウェルザー家 ~王様に金を貸した大富豪~
- 第34話 奴隷貿易とバブル景気 またやらかしちゃったヨーロッパ
- 第35話 リマの身請け物語
- 第36話 ガレオン船の積み荷 ~具体的に何を積んでいたのか~
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★★★ Excellent!!!
「大航海時代」の光と闇、日本人との関わり 純太
イスラム国家に奪われたイベリア半島をキリスト教国家が取り戻そうとしたレコンキスタ(国土再征服運動)。その終結と同時に、長らく続いた戦乱の余勢をかって、あるいはキリスト教の布教や財力獲得のために、男たちは海に出た。冒険家として、海賊として。そして「大航海時代」と呼ばれる時代が始まる……。
……とここから多くの小説やエッセイでは、男たちの夢とロマンあふれる冒険譚が始まりますが、このエッセイでは、その光の影にある「闇」にも焦点を当てていきます。意志持たぬ存在としてガレオン船に積まれる奴隷たち、コンキスタドールがアメリカ先住民に対して行った殺戮と略奪、遠征先で雇われた傭兵たち。
また、日本の「倭寇」が大航海時代に位置づけられること、東南アジアの侵略に際して、戦慣れした日本人が傭兵として多く雇われていたことなど、大航海時代と日本人との関係も明らかにされていきます。
頭の中に点と点としてある知識が線でつながっていく。そんな面白さのあるエッセイです。