実はわたしは本編を含む一連のシリーズを何度も拝読しています。こうして改めてレビューさせていただくに当たってその理由を立ち止まって考えてみました。
つまり、わたしはこの作品の文体というか文章自体が生み出す雰囲気が好きなんだと思います。
それは不思議なことに作者の後書や中書にも共通した雰囲気です。
一言で言えば、真摯。
この作品群の根底には『差別』というテーマが流れており、物語の展開も綺麗事だけではありません。
ですけれども、それに一本筋の通った揺るぎない普遍的な何か、おそらくは作者の誠実さから生まれる何かが貫かれています。
つい長文のレビューになりました。どうぞ皆さんもこの本格的な小説群のどれか一つでもまずはお読みになってみてください。