「ガレオン船と茶色い奴隷」覚書

作者 芝原岳彦

「大航海時代」の光と闇、日本人との関わり

  • ★★★ Excellent!!!

イスラム国家に奪われたイベリア半島をキリスト教国家が取り戻そうとしたレコンキスタ(国土再征服運動)。その終結と同時に、長らく続いた戦乱の余勢をかって、あるいはキリスト教の布教や財力獲得のために、男たちは海に出た。冒険家として、海賊として。そして「大航海時代」と呼ばれる時代が始まる……。

……とここから多くの小説やエッセイでは、男たちの夢とロマンあふれる冒険譚が始まりますが、このエッセイでは、その光の影にある「闇」にも焦点を当てていきます。意志持たぬ存在としてガレオン船に積まれる奴隷たち、コンキスタドールがアメリカ先住民に対して行った殺戮と略奪、遠征先で雇われた傭兵たち。

また、日本の「倭寇」が大航海時代に位置づけられること、東南アジアの侵略に際して、戦慣れした日本人が傭兵として多く雇われていたことなど、大航海時代と日本人との関係も明らかにされていきます。

頭の中に点と点としてある知識が線でつながっていく。そんな面白さのあるエッセイです。

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