第8話朝が早い美怜さんが何か言ってるのですが??

あれ?部活から帰ってきて、お小遣いもらって早いけどお風呂とご飯を食べて…

その後の記憶があまりない。

「あ」

窓から見える空が少しだけ明るい。

寝ちゃったんだ。


時刻を確認したいんだけど美怜さんに抱きしめられているので動きにくい。というか足も絡めてきてるし、あの2つの大きい山も身長的に僕にちょうど当たっている。

それに相変わらずいい匂いがする。僕が好きな優しい匂い。


何とか手を伸ばしてランタンと一緒に置いてあるスマホを頑張って取る。

「まだ5時…」

いつも美怜さんは僕より起きるのが早いから何時に起きるのかさえ分からない。


しょうがない。寝れなくても目は閉じておこう。

浅い眠りではあったが寝れた。

しばらく寝ていると何か動いた感じがする。

「ふわぁ〜」

美怜さんが起きた。


「おはようまさ」

美怜さんが耳元で囁やいてくる。急にされるとビビる。けど今起きたらさすがに不自然すぎるかもしれない。

もうちょっと様子を見てみよう。

朝早く起きて何してるのか気になるし。


「かわいいな〜」

頭を撫でられてるのを感じる。

「誰にも渡したくない」

え?

「大好き」

え!?

こんなストレートに言われる!?

いつもの雰囲気とちょっと違う。愛でてくるのは一緒だけど…


「しちゃってもいいのかな…」

何を!?

心臓がバクバクする。気づかれててもおかしくない。

するとキスされた。

今までより長い長い。

「はぁ、起きてないよね?1度寝るとあまり起きないから大丈夫だよね」

頭がくらくらする。混乱している。


普段の美怜さんから想像が…いやつく。

あの「別れませんか」って言った時すごいこと言ってた気がする。

つまりあれは感情が高ぶって出た言葉じゃなくて…

考えるのはやめよう。

それと、もう少し寝よう。

寝て起きたら多分大丈夫だ。


それから寝て、物音で起きる。いつもよりちょっと遅い。

「おはよう」

「おはようございます美怜さん」

「よく眠れた?」

「はい。疲れも取れました」

「そう」

いつもの美怜さんだ。

でも…


ダメだ邪念が残ってる。

「僕汗かいたみたいなのでシャワー浴びてきます!」

汗などクーラーガンガンの部屋でかくはずがないけど冷や汗はかいたのであながち間違いではない。


部屋を戻ると、

「ちょっと待って」

美怜さんは急いで服を片付けている。

「片付けなくていいんじゃないですか?」

「出掛けるギリギリまで見せたくない」

少しでもデートっぽくしたいらしい。


確かに駅前で集合するのが遥斗の読んでいたラブコメ漫画であった。

「じゃあ僕が先に家出て駅で待つっていうのはどうですか?」と言うと

「いいと思う」

と言ってくれた。


それから美怜さんと朝食を食べて、僕が先に家を出た。


《邪念っていうのは宗教的な意味があるか分かりませんが、雅也が言ってるのはそういう意味ではないのでご理解頂けると嬉しいです》

読んでいただきありがとうございます(、._.)、




  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る