第20話仲直り作戦会議ですが?

「そういうところが…大嫌い!」

私はあの言葉が今も脳内再生されている。

今まで私は勉強という分野であまり困ったことはない。中学校ではきちんと勉強すれば点数は取れたし、家で高校の先取りはやらされていたので今も問題なく取れる。

まさの言う通りかもしれない。今まで自分を基準に考えることが多かった。


それにまさを彼氏というより弟に近い存在で見ていたのかもしれない。

確かにイチャイチャしている時は…意識するけどそれ以外ではあの純粋さ、無邪気さでつい弟のように可愛がってしまっていた。


私はバカだ。まさの気持ちを考えないで自分中心で…。大好きなまさに嫌われたらもうこの先どう接すればいいのか分からない。

無視でもされたら…

「美怜さん大丈夫ですか?」

「はい。大丈夫です…」

「これは大丈夫じゃあなさそうですね。とりあえず保健室で休んできてください」

「分かりました」


「失礼します」

保健室の優しいおばさんが介抱してくれた。

体温を測ると熱があるらしくそのままSPを呼んで病院に行くことにした。

ストレス性による体調不良らしい。

仕事をたくさんしていた時によくなっていたけど久しぶりになった。

今日はゆっくり帰ろう。

お昼、まさと気まづくならなくて良かった。

お弁当は朝渡してあるから大丈夫かな。


~~~~~~~~~~~~~~~

「お昼屋上行くだろ?」

「え…」

「えって何だよ、ほら行くぞ!」

遥斗に無理やり連れてかれる。

「今日は美怜さん来なかったな。屋上で待ってるのかな?」

僕のせいだ。今どんな顔をして会えばいいのか分からない。

「あれ?いないぞ?」

「あ!遥斗!まさくん!」

瞳さんがいつもの所に座ってる。


「瞳先輩、今日美怜さんは?」

「もう帰ちゃったよ。なんかあまり体調が良くないらしいよ」

「え…」

「朝から体調悪そうだったのか?」

と遥斗が聞いてくる。

「多分僕のせいだ」

「何言ってるんだよ。喧嘩でもしない限り…え?もしかして」

「喧嘩っていうか…」

僕がただ一方的に美怜さんを傷つけてしまったことを話した。

2人は責めたりせずちゃんと最後まで聞いてくれた。

優しいな。

「僕のせいで美怜さんが…」

「泣いたりすんなって。朝から美怜さんが体調不良のパターンだってあるだろ?」

「そうだよ。授業の時も上の空だったし」

「瞳先輩フォローになってないですって」

「あ、そっか」

僕は少し笑ってしまった。

やっぱりこの2人はお似合いだ。


「よし!じゃあ仲直りするための作戦会議をしよう!」

「作戦?」

作戦とまではいかないと思うけど、遥斗と瞳さんは仲直りの基本的な流れを教えてくれた。

「分かりました。やってみます!」

「まぁ美怜はすぐ許してくれると思うからそこまで気負いしなくてもいいよ?」

「けど僕彼氏として最低なことを…」

「ちゃんと謝れば許してくれるよ」


僕はありったけの勇気を振り絞って家へ帰った。

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