第4話遥斗は友達が多くてもお姉さんと話すのは緊張する

「キーンコーンカーンコーン」

「終わったぞー!」

四限のチャイムは毎回嬉しい。

「そんなにはしゃぐなって」

「だってゲームできるだろ?」

「本当に好きだね」

「お前もな」


と話してる相手はいつも一緒にいる雅也だ。

こいつは俺より勉強もできてスポーツも出来てゲームは俺の方が上手いが結構強い方だと思う。


この学校はお嬢様や会社の跡取りとなるようなやつが半分を占めると言われている。

俺も会社の跡取りではあるが親父には好きにやれと言われているので呑気にゲーム三昧だ。やることはやってるからいいよな。


「よし!今日は朝コンビニで結構買ってきたから分けてあげようか?」

「いいの!?」

「けど足りないのは購買で買ってこいよ」

「ありがとう!」

男なのにかわいいってすごいよな。小柄なのもあってよりそう見えてしまう。


雅也が教室を出ようとした時、

「まさ」

「美怜さん」

雅也の彼女が出てきた。クールで美人で高嶺の花として有名な人が彼女とはちょっと羨ましい。

俺も友達は多い方だが、彼女はいない。

高校は雅也としかあまりつるまない。

他の奴らは親の権力をあたかも自分の物かのように自慢する奴やゲームしてる奴らが名門高校ということもあってあまりいないからだ。


そんなことを考えてると、

「遥斗、美怜さんと屋上で食べることになったんだけど…」

「俺のことは気にしなくていいよ」

「いや、美怜さんも友達連れてきてるみたいだから、僕1人だと緊張しちゃうから来て欲しいんだ」

理由がかわいい。

「いいよ」


「君がまさの友達?」

「はい。紫藤遥斗っていいます」

「よろしくね」

「ところで美怜さん。お友達は…」

「あー先屋上で待ってるって」


屋上へ向かう。普通なら使えないはずだが特別に許可されたらしい。さすがこの高校を作った家なだけある。


上がると、

「ねぇ、本当に屋上に来ていいの?」

「大丈夫。けど、他の人に言わないでね。みんな来ちゃうから」

「分かった」

と言うその人はめちゃくちゃ俺のタイプだった。


まずスタイルが良い。そして美怜さんと違った清楚感がある。身長は俺よりちょっと低い。けど俺170くらいだから160後半くらいかだと思う。そう考えるともうどっかのモデルだ。


「君が美怜の大好きな雅也君だね?」

「大好き?」

「だっていつも…」

「ストップ!」

「まぁ、よろしくね?私は松本瞳」

「佐藤雅也です」

「紫藤遥斗です」

「」



そんなこんなでお互い自己紹介をして、次は

「お昼にしよっか」

「そうですね」

「ブルーシート敷いておいたよ」

「じゃあそこで食べよう」

「うん」

「分かりました」


お昼休みということを忘れてた。

ビニール袋からいつも買ってるチョコのカロリーブロックを出して食べていると

「遥斗君はお昼いつもそれ?午後の授業持つの?」

「大丈夫ですよ」

やべー瞳さんに話しかけられた。俺も弁当とか作れば良かったかな。けど料理するのめんどくさいしな〜。

「本当に?私のちょっと分けてあげようか?」

「コンビニでいっぱい買ってきたから大丈夫です!」

女子と話す時は緊張しないのに、何でこんなに緊張するんだ!

ここは雅也に話題を振って…


「雅也、そういえば購買行ってこなくていいのか?」

「それなら大丈夫」

美怜さんが隣に置いてあるバックから取り出したのは2つお弁当。


「はい。今日朝作ってきたんだ。その、良ければ食べて」


「もっと素直に言えばいいのにね」

耳元で瞳さんが言ってきた。

「雅也もちゃんと反応してあげないと」

と瞳さんに聞こえるくらいの小さい声で言った。








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