第51話このお金はどうすればいいんですか?

夏江お婆さんの所に呼ばれたので、少し身だしなみを整える。

いくら美怜さんの親戚の旅館でも他のお客さんもいるしちょっと気にする。

だけど…

「やっぱりまさの髪はサラサラしてていいね」

と美怜さんがしてくれている。

自分ですると言っても美怜さんはしたいと言って押されてしまった。


なんやかんやあり僕達は夏江お婆さんの所に行く。

「遅かったね」

「すみません」

「いやいや、別に大丈夫だよ?」

「それでお話って…?」

「今日から美怜には手伝って欲しくてね。あの堅苦しい料理長がまだかとうるさいんだよ。毎日行く必要もない。顔を見せてあげて欲しい」

「分かりました」

「雅也君は拓也が《あいつはホールもできるよ☆》って言ってたからそっちもやって貰おうかな」

拓也社長何でそんなこと言っちゃったんだよ。知らない人と話すことも緊張しちゃうのに…

「後は美怜の補助かな」

「はい。分かりました…」

「まぁ夜だけだから大丈夫だよ」

と美怜さんに頭を撫でられる。何でニコニコしているの?


今日の午後3時にキッチンに来て欲しいと言われ、それまでは自由でいいらしい。

部屋に戻っている途中、通知音が鳴った。

美怜さんじゃなくて多分僕のだ。

「え」

拓也社長からRINEがきた。

《今月分の給料振り込んでおいたからねー。特別手当もあるよ☆》

最後に☆をつけるのが好きらしい。話している時も語尾に☆がありそうなこともある。

「良かったね」

「でもお金そんなにいらないよ」

そう。6月と7月の分合わせて100万近くあるけどそこから洋服ちょっとと他は美怜さんがポンと払ってしまうので使い道がなく、欲しいものがあったときも買ってきてくれてしまうので一向に減らない。


「まさが欲しいものは何でも買ってあげるから!」

話が通じてない気がして笑ってしまう。

「ありがとう美怜さん」

けど…これって遥斗が言ってたママ活っていうことになってない?


「えっと美怜さんも欲しいものとかあったら何でも言ってくださいね。僕に買えそうなものならプレゼントできますから」

と言うと、美怜さんは何故か顔を真っ赤にさせる。

「じゃあまさがいいな」

「え、え!?」

廊下に響き渡る。遠くにいる人も振り返っている。

そんなことよりなんて言えば…嫌じゃないけどいいって言ったらまた…

「忘れて忘れて!そうだ!近くに銀行もあるからちょっと見に行こうよ!」

「うん!」


と見に来たものの…

「何これ…」

少し2万円くらい下ろそうとしたけどそれでもその金額はビクともしない。

特別手当 5,000,000

給与 500,000

最終残高 6,480,000


高校生が持っていい額じゃないよね?

「もしもし」

《あーまさ。どうしたの?》

「お仕事中すみません。今銀行で金額確認したんですけど…特別手当500万って間違ってませんか?」

最低2桁くらい間違ってるよ。いや間違いであって欲しい。

《あれ?足りなかった?ごめんちょっと少ないよね。また振り込んでおくよ》

「いや違いますよ!多すぎませんか!」

《え?別に多くないよ》

「てか特別手当って何ですか!僕何もしてないですよ!」

半ば強めの口調で言う。

《だってまさ、美怜の会社の人事部3人と部長摘発したでしょ?》

「でも多すぎませんか?」

《まぁまさは美怜の支えになってるからこれくらい払っても問題ないと思うよ?》

先日貴方の娘さんと結ばれてしまいましたなんて言えない。けどすごい嬉しい。

「ありがとうございます。これからもたくさん美怜さんを助けられるように頑張ります!」

《うん。じゃあそっちの生活楽しんでね》

と終わった。


美怜さんも確認しているみたいなので

「終わった?」

「うん終わったよ」と言う美怜さん通帳はいくつもあった。一瞬見えたけど桁が僕のと2つ違った。

つまりそれがいくつもあるから…すごい…


「じゃあ行こっか」

「う、うん」


外は沖縄の暑さでみんな汗をかいている。

近くのコンビニでアイスを買う事になったけど…

「さすがにそれはダメですって」

「大丈夫だよお店の利益にもなるし」

「でも他のお客さんが買えなくなっちゃいますよ」

「だって家みたいにアイス貯蔵してないからまさ困っちゃうよ?」

「僕は大丈夫ですよ」

美怜さんが買い占めしようとしていたので、各種2個ずつだけにさせた。美怜さんと同じアイスを食べるために。

それでも5000円近くある。

「僕が払いま…」

「ありがとうございました」

「行こ?」

ブラックカードを出す方が圧倒的に早く、言う暇もなかった。

どこかでお金を使おう。

そう心に決めた。


読んでいただきありがとうございます^^

☆をくれるとやる気につながります!




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