第53話壁ドンされますが?

配膳の仕事も終わり、さっきまでお客さんがいた広い部屋にただポツンと1人…ではなく

もう1人

「食べてる時もかわいいね」

「えっと…ありがとうございます?」

美怜さんの親戚の咲さんが向かいの席に座っている。

「あのーお客様。もうお食事が終わっているのであれば…」

と紗奈さんが促しているけど、

「いや、大丈夫ですよ。私はこの子が食べ終わるのを待っておきます」

「承知しました」

紗奈さんが僕のを方を見て少しニヤニヤしているけど何でだろう。

あ…

紗奈さんの後ろには美怜さんがこっちにニコニコしながら見ていた。

「美怜、そこの椅子よろしくねー」

「分かったよー」

と言ってこっちを見てくる。

これは僕が悪いのかな…


「美怜、なんか変わったね」

「そうですか?」

「うん。中学の時とだいぶ変わってる。もしかしたら君のおかげなのかもね」

「そんな…僕がいつも美怜さんに助けられてばかりで…」

咲さんは美怜さんと雰囲気が似ているけど、

ショートカットなのもあり、かっこいいっていう感じが強い。


「どうしたのそんなにジロジロ見てきて」

「いや!なんでもないです!」

「えー嘘だー。もしかして美怜より私の方がタイプとか?」

「そんなことない…です!」

「まぁこれ以上は美怜に殺されるからやめておくよ」

と咲さんの視線の先には…美怜さん…

コレハボクガワルイデス。


やっと食べ終わることができ片付けにいこうとして立ち上がると、椅子の足に小指をぶつける。

「痛った!」

その拍子で持っていたお盆が勢いよく揺れ、

お椀が飛ぶ。

「危ない!…っとセーフ。大丈夫?」

「大丈夫です…///」

咲さんの反射神経が良すぎて勢いよく来てくれたためそのまま壁ドンされている。

「ごめんね。勢いよく来ちゃったせいで止められなかったんだ。許して欲しい」

と頭を撫でられる。

「僕は気にしてないので。それとありがとうございます」

「うん」


と言った瞬間、風を感じた。

「咲、どういうつもり?」

美怜さんが寸止めで蹴り上げていた。

「美怜、わざとじゃないんだからそんなに怒らないでよ」

「だったらさっさとどいて」

「はいはい」

と咲さんが離れた。

「まさ、後でお話ね?」

「え!?はい…」

死を覚悟した方がいいかな…


「まさ、寂しくなったら私の所に来てね!

302号室だから!いつでも来ていいよ!」

「行くわけないから。ほら行くよ」

「はい…」

僕は美怜さんに強く手を握られる。

「美怜さん少し痛いよ…」

「まさが悪い」


部屋に戻ると

「そこに正座して?」

「はい…」

と座らされた。

少しばかり沈黙があり、

「まず、何であいつと楽しそうにお喋りしていたのかな?」

「それは…咲さんが喋りかけてくるから…」

「言い訳はいいよ。それで君はかわいいとか言われて喜んでたよね?」

「はい…すみません」

僕は言い訳もできずにただ謝る。

「極めつけは壁ドン。あれがあいつのやり方って分かんないの?」

「分かりました」

何か慣れてそうな感じがしました…

「それでもドキドキしているってことはああいうことをされるのが好きなのかな?」

「ちが」

と立ち上がると今度は美怜さんに壁ドンされる。

「ほら、そうやって可愛い顔するから。女たらし」

「ごめんなさい。でも美怜さんが大好きなのはずっと変わらないよ?」

「そういうことも言っちゃうから虫が寄ってくるんだよ?」

逆効果みたいです…

「まぁいいや。罰で今日はお風呂も一緒に入らないし一緒に寝ません。」

「え!?」

「それくらい耐えられるでしょ?」

「分かりました…」

「じゃあ私先入って寝るね」

「お休みなさい」

と美怜さんは行ってしまった。

ちょっと本気で怒らせてしまったかもしれない。


今日1000PV超えててびっくりしました。多くの人に見てもらえて嬉しいです!

良かったら星やコメントをくれると励みになりますのでよろしくお願いします(*^^*)

《ちょっと険悪な雰囲気ですが、次回!ちゃんと仲直りします!》

読んでいただきありがとうございます( . .)"






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