第54話ベッドに侵入してみようと思うのですが?

いつも寝ているお布団。

けどそこには1人用しか準備されていない。

あれから美怜さんは本当に1人でお風呂に入って、ここではない寝室に行ってしまった。


和風な部屋なので寝室なんてないと思って今まで泊まっていたけど、さっき普通にベッドがある寝室を確認した。

美怜さんとせめて一緒に寝たいから枕を持っていき、寝室のドアを開けたが

「おやすみ」

しか返ってこなかった。


「どうしよう…」

1人で寝れないことは無いけど…

今日は雨でしかも…

雷の大きな音が聞こえてくる。

雷はあまり好きでは無い。

小さい頃、大雨で雷も鳴る中、外に出されて中にいれてもらえなかったからだ。

その日くらいの大雨は最近降っていなかったけどここは沖縄。

台風が直で当たる。


「寝れないかもしれない」

頑張って目を閉じて寝ようとした。そのまま1時間が経ったけどまだ寝れずにいた。

「美怜さん…」

椅子の足に小指をぶつけなければ今頃ぐっすり眠れていたかもしれないのに。

数時間前の自分を恨む。

さっきよりも雷が酷くなっている。

「怖い」

やっとあの人から解放されたのに、記憶はいつまでも僕にまとわりつく。


美怜さんのところに行こう。

一か八かで潜り込んで朝早めに起きて気づかれないように戻ればいいだけ。

「結構いい作戦かも?」

僕はさっそく寝室に行ってベッドに侵入する。


美怜さんが背中を向けてぐっすり眠っている。

僕は抱きついて寝ようとした。

その時、

「うわぁ!」

今までで1番大きい音の雷が鳴った。

僕はそれにびっくりして声を出してしまう。

「うん?」

声を出してしまったせいか美怜さんを起こしてしまう。


「あれ?まさ?どうしてここに?」

僕は単純に怖さと美怜さんに嫌われたかもしれないという不安で感情がぐちゃぐちゃになる。

「あ、雷が怖くて…えっと勝手に来てごめんなさい。戻るね」

ベッドから出ようとすると

後ろから抱きしめられる。

「待って、どうしてそんな今にも泣きそうな顔をしてるの?」

「してない」

「そんなに強がらなくていいんだよ?」

「強がってなんかない。僕の心が弱いだけ」


お父さんにも

「お前がそんなこと泣く弱っちいやつじゃなければ」

なんていつも言われてきた。


「まさは弱くなんかないよ。誰だって怖いことや不安になることがあったら泣きたくなるもんなんだよ」

「僕…怖かった」

「私も冷たくしすぎちゃった。ごめんね」

「昔のことも思い出して、どうしたらいいか分かんなくなっちゃって。頼れる人が美怜さんだけで…」

「よしよし。大丈夫だよ」

「一緒に寝てもいいかな?」

「もちろん。もう君を1人にしたりなんかしないよ。喧嘩してもどんな日だったとしても一緒にいる。」

「ありがとう。大好き」

と言うと、一瞬顔を逸らした。

「うん///ほら、まさが寝付くまでトントンしてあげる」

今までされたことなかったけど、どこかで感じたことのある心地よいリズムですぐ眠ることができた。


《明日も頑張って投稿します!》

良かったら☆やコメントをくれたらやる気に繋がるのでよろしくお願いします(*^^*)

読んでいただきありがとうございます( . .)"




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