第61話救出「は」されたのですが?
少しばかり暴力描写があります。苦手な方はスキップしていただいても十分に楽しめます。☆までスキップして頂ければと思います
「おらぁ!」
「う!」
これが誘拐されたらされることなのか。
「もう、やめませんか?何でこんなことするんですか」
「決まってるだろ!俺らの人生をあの女にめちゃくちゃにされたからだろ!」
「そうだ。だから殴り倒してあの女が来た時にお前の情けない姿を見せれば…おもしれぇ」
痛い。仮面をしているから顔を見ることが出来ない。
あの女っていうのは多分美怜さんのことだろう。
馬鹿な僕でも分かる。
「ほらもう一発!」
「あ!」
「弱っちい〜こんな男のどこに惚れたんだよあの女は」
「これじゃあきっとあっちの方も満足してないんじゃないか?」
「俺らの方が男としては上だからな。楽しみだな〜」
こいつら…美怜さんを…
頑張って抵抗しようとするが両足両手が鎖に繋がっているから抵抗できない。
口の中も切れて血の味がする。
顔もボコボコだろう。
お腹もすごい痛い。
いつもなら美怜さんが助けに来てくれるだろうけど今回は期待しない方がいいかもしれない。
「あ?お前今あの女のこと考えてただろう?もう諦めなって。あの女は信用すんな。お前なんて所詮あいつにとってぬいぐるみだ。ボロくなったら捨てる。ただそれだけ」
「いやそんなはず…!」
否定しようとした瞬間お腹に強い痛みを感じた。
「黙れ。この際だからこいつの心へし折ろうぜ」
「面白そうだな」
「こいつ弱っちいからいけるっしょ」
そんな感じで僕は反抗するとすぐ殴られ、
美怜さんのことについてたくさん聞かされた。
最初は否定できていたが、だんだん信憑性を感じてしまった。
僕は気づけば美怜さんを信じられなくなったのかもしれない。
助けになんて来ない。僕は明日、明後日には水一滴も飲めないから死ぬかもしれない。
「おらぁ!」
僕は何度食らったか分からないパンチで意識を失った。
☆
~~~~~~~~
「もう23:00…早く見つけないと」
「美怜落ち着いて」
私は最愛の人を誘拐されてしまった。
私の大切なまさを。
買い出しを頼まれたっきり帰ってきていない。
幸い買い出しを頼んだやつを問い詰めると
誘拐させたと吐いた。
誰に?どこへ?と聞いても口を割らない。
ここは旅館だからいつもみたいにきつい尋問は出来ない。
SPは来てる人全員集合させた。
そしてすぐにアジトを見つけ出すように指示をした。
「特定しました!」
「どこ!」
「ここから10km先の雑居ビルかと思われます」
「すぐに行くぞ。準備しろ。」
「美怜…」
「紗奈と夏江お婆さんはもう自分の部屋に戻って。後は私が処理する。」
「警察に言わなくていいの?」
「十分に懲らしめてから警察に突き出す」
「わ、分かった。気をつけてね」
絶対許さない。
私はいつもの黒い車に乗り出した。
~~~~~~~~~~~
何か騒がしい。
「おい!まずいぞ!車が1.2.3.4.5.6.7.8台停ってるぞ!」
「警察か!?」
「パトカーではないけど覆面かもしれない!」
いつの間にか男の人達は仮面を外していた。
どこかで見たことがあるような気がした。
そうだ。僕が会社の研修に潜った時に不祥事を起こした人事の人達だ。
助けが来た。けど前みたいに嬉しくは感じない。
もう本当に心をへし折られたのかもしれない。
「まさ!」
半日前に聞いた声なのに随分昔のように思える。
【僕を見捨てた人】
「お前…!どうやって…!」
「とりあえず殺るか」
「SP態勢とって」
「「は!」」
「こんなヤツらがいるなんて情報聞いてないぞ」
「うおお!」
その男の人の人達はすぐに取り押さえられた。
「まさ!」
抱きしめられた。けど僕はすぐに
「早く鎖を外してください」
とお願いをした。
美怜さんは少し驚いたように
「うん。分かった。ごめん」
と解いてくれた。
僕はSPの人に応急処置を受けた。
その間美怜さんは
「大丈夫?痛くない?」
とか聞いてくるけど、僕は無視した。
これもどうせ何とも思ってないのだろう。
ただぬいぐるみがほつれたから治してるだけ。彼女にはそう見えるのだろう。
「一緒に帰ろう?」
と美怜さんは手を差し伸べてくるけど
僕はその手を取らず
SPの人に
「帰りの車はありますか? ありがとうございます」
とお礼した。
《次回ちゃんと立ち直っていくので安心してください(*^^*)今回は闇回になってしまいましたがもうこんな感じにはなりません。
ちゃんとラブコメやります》
読んで頂きありがとうございます
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