第46話美怜さんの過去の話を聞きますが?
もう着きそうだけど空港からこの先どうやって行けばいいのか分からない。
「この後どうやって旅館まで行くの?」
「空港に車をつけてあるから大丈夫だよ」
と教えてくれた。
空港には本当に車があった。
家にあるちょっと長い車。
「じゃあまさはここ」
と美怜さんのお膝の上に乗せられた。
うれしそうだからいいかな。
「ほらあそこだよ」
見れば結構高級な旅館だった。
「いらっしゃいませ、女将がお待ちしております」
「分かりました」
エレベーターで上がっていく。
なぜか緊張してきた。
「こんにちは夏江お婆さん」
「いらっしゃい。久しぶりだね元気にしてたかい?」
「うん。またしばらくよろしくね」
「はい。ところでそちらの人が…」
「この人が雅也だよ」
「初めまして!佐藤雅也です」
「元気のいい人だね。私は夏江お婆さんと呼んでくれていいから」
「よろしくお願いします」
「美怜。良かったね素敵な人と会えて」
「うん」
夏江お婆さんは優しそうな人でサーターアンダギーをくれた。
すごい美味しいので美怜さんと夏江お婆さんが会話している間にパクパク食べていると
ドアがノックされた音がして
「失礼します」
と、入ってきたのは美怜さんと同じくらいの歳の着物を着た人だった。
「美怜!」
「紗奈。久しぶり」
紗奈さんという人は美怜さんに抱きついていた。
「こら紗奈。お行儀が悪いですよ」
「すみません。会えたのが嬉しくて」
「雅也君もびっくりさせてしまったみたいですみませんね」
「いえいえ。僕は大丈夫ですよ」
「その子が美怜の彼氏ね…」
と上から下まで見られる。
「まぁどうせ美怜の過去を知らされてないんでしょ?そんな人が彼氏なんて…」
「こら!紗奈いい加減にしなさい!」
夏江お婆さんが怒った。紗奈さんは
「ごめんなさい。貶すつもりで言ったわけじゃないの。ただ美怜が…」
「その話は今はやめておこう紗奈?」
「うん。勝手にでしゃばってごめん」
…美怜さんの過去?きっとあまり触れていいことではないのかもしれない。美怜さんの方を見るといつもと違った笑顔で僕の方を見る。
「この旅館のことについて雅也君に話してあげないとね。この旅館は私と夫で切り盛りしていたけど今は他界してしまって今は私だけで切り盛りしていて、私の孫である紗奈が若女将として継ぐということだよ」
「今は夏休みの間だけだけど大学を出たら本格的に働くわ」
「それまで私が元気にしておかないと」
「大丈夫だよ。夏江お婆さん去年と何も変わってないから」
と話す美怜さんは普段見せない違った笑顔だった。
《しばらくやる気がなくて今日急にやる気が出て書きました。今日やる気が続きそうだったらもう1話投稿します!》
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます