拾ってもらった恩人のクールな娘と付き合っているけど他に好きな人がいるみたいなので「別れませんか」って言うと様子がおかしいのですが？

第56話あの人たちナンパされること多くないですか？

「ふう…雅也はすごいな。あんな美女を2人も捕まえるなんて」

「捕まえてなんかないですよ！」

あははと薫お兄ちゃんに笑われる。

「そういえば紗奈さんは？」

「紗奈は美怜と咲？っていう人にかき氷を買って持っていくから行っちゃったよ」

だから僕を呼んだということか。

「よし！泳ぐぞ！」

「え！？僕泳げないですよ？」

「大丈夫。多分泳げないと思ってたから、俺が鍛えてやる！」

ということで地獄のスイミングレッスンが始まった。

「まずは俺と手を繋ぎながら泳ぐ。あそこからあそこまで」

「遠くない！？」

距離的に言えば200mはある。

「ねぇ、薫お兄ちゃん」

「うん？」

「あっちで、みんなでビーチバレーしない？そっちの方が楽しいと思うんだよな〜」

「行くぞ！」

「嫌だ〜！」

と結局頑張って泳ぐ。

深いところで泳いでいるから手を離されたら溺れるんだけど薫お兄ちゃんは面白がって何回か離そうとしてきた。

「次は、クロールの練習だ」

「もう、やめない？せめて休みたいんだけど…」

「いうて、これが最後だから。頑張ったらかき氷奢ってやるよ」

「本当に！？」

「本当に」

「よし、頑張るぞ！」

そこからクロールの練習が始まった。

周りは海水浴を楽しんでいる中、何で自分だけこんなことしているのか分からなくなったけど、薫お兄ちゃんの熱量に押され最後には50mは泳げるようになった。

「やっぱり元の運動神経はいい方だから慣れるのが早いな！」

「そうかな」

「それじゃあ行こっか」

「やった！」

約束通りかき氷を買ってくれた。

「ありがとう薫お兄ちゃん！」

と言うと、照れたように

「おう」

と言った。

美怜さん達のところに戻ってきたんだけど、

「またナンパされてる…」

はぁ〜と薫お兄ちゃんはため息をつく。

「紗奈さん結構モテるの？」

「紗奈もそうだけど、美怜の方がもっと男に言い寄られてるよ。デートしててもあるだろ？そういうこと」

「うん」

「それにあの美怜の親戚？の人も相当美人だから男にとってはナンパしたくなるようなものだろ」

「そうかな…」

僕も薫お兄ちゃんみたいに大人でかっこよくなればそういうのに気づけるかもしれない。

薫お兄ちゃんはその人たちに近寄り、

「おい、お前らなに人のにちょっかい出してんの？」

「ああ？何だお前？」

「薫…」

「そんなことでしか話しかけることができるからモテないんだよ」

冷淡で刺さるような言葉を言う。

結構喧嘩が強そうな人だけど殴られたりしないかな？

こんな人の多いところで騒動起こさないといいけどな…

なんて考えていると

「なんだお前？こいつの友達？にしては弱そうだな」

今度は僕が絡まれた。

嫌だな…

ふと、美怜さんと視線が合うと…あれ？怒ってます？

「中学生？親はどうしたのかな？迷子でちゅか？」

と3人組は笑っている。

「お前ら…」

薫お兄ちゃんも手を出しそうな感じがする。

そんな空気の中、

3人組のうちの1人が前に向かって倒れる。

「ぐはぁ！」

「なんだ！？」

「あなた達もこうなりたくなかったらさっさと消えて」

と美怜さんが言うと

「すいませんでしたー！」

と3人組は去っていった。

「ちっ、あいつの顔面殴れると思ったのに…」

サラッと怖いこと言うのやめて薫お兄ちゃん？

「まさ！」

と美怜さんの2つの丘にぶつかる。

「大丈夫だった？怖かったよね？よしよし」

「だ、大丈夫だよ」

「それにしても薫くんは怒ると怖そうだね」

「まぁ、薫は中学の頃まではやんちゃしてたからね…」

「あー！紗奈それは言わない話だろー！」

「ほらほら写真だってあるよ〜」

「やめてくれ〜！」

とさっきまではあんなに怖かった薫お兄ちゃんもいつも通りになってちょっと安心した。

それからみんなでやりたかった

「美怜スパイク！」

「うん！」

「まだ取れちゃうよ美怜？」

「ビーチバレーってこんなに早いっけ？」

「多分美怜さんたちの中ではこれが普通なんだと思う」

ビーチバレーをしたり、

「予約していた若田です」

「若田様ですね少々お待ちください」

「美怜さん今から何するの？」

「うん？とっても面白いこと」

…

「ちょっ、マジで落ちるって！」

「私もやばいからって、キャ！」

紗奈さんと薫お兄ちゃんが一緒に落ちていく。

今、僕たちはムキムキのお兄さんが運転するボートに乗っている。

「ちゃんと捕まっててね」

「うん」

「相変わらず所構わずイチャイチャするなこの2人。けど」

後ろから咲さんに抱きしめられる。

「ほら、これもありでしょ？」

「咲、落とすよ？」

海に行くのは久しぶりだったけどとっても楽しかった。

《咲とまさの過去の関係か美怜さんとのイチャイチャを次回書きます》

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