第10話中学の友達に絡まれたのですが?

「うわー人たくさんいますね」

お昼になってフードコートに来たけど人がたくさんいる。

「どれ食べる?」

うどんにカレー、ラーメンなど様々なお店があるけど

「僕ハンバーガー食べたいです!」

「そうしよっか」


財布からお金を出そうとするけど美怜さんに止められる。

「私が払うから大丈夫だよ」

「でも…」

と言いつ結局美怜さんが払う。

今日お財布からお金が消えていかない。


「本当にいいんですか?」

「私が君が喜ぶところを見たいだけだから気にしなくていいよ?ほら食べよ食べよ!」

理由がかっこよすぎた。


「あ、マスタードついてるよ」

「ありがとう美怜さん」


「おい、あんな美女があんなことしてきたらイチコロだろ!」

「静かにしろ聞こえるぞ。でもまぁそうだよな」

ちょっとそう言われると恥ずかしい。


それから僕達はゲーセンに行った。

「このぬいぐるみ欲しい」

いるかのぬいぐるみが欲しくなった。男子高校生が欲しくなるものではないかもしれないけど見てると欲しくなってきた。

「かわいいよね」

よし!ここで2つ取って美怜さんにあげよう!


と奮闘したが10回やっても取れない。

「なんで取れないんだろう?」

「ちょっとやってみるね」

すると1発で取った。

「はい」

「すごいよ!美怜さん!」

「あ、ありがとう///」

「僕美怜さんの分も取ります!」

「じゃあ一緒にやってみる?」

一緒に…?

クレーンゲームで一緒にやるってどういうこと?と思ってたけど


「み、美怜さん恥ずかしいですよ///」

「周りなんて気にしなくていいよ」

美怜さんが僕の手の甲に合わせて一緒にボタンを押すという意味だった。

「ほら取れた。これでお揃いだね」

それから太鼓をリズムに合わせてやるやつとかエアホッケーとか車を運転するやつとかいろいろした。


「美怜さん、僕買いたいものがあるんですけど…」

「何を買いたいの?」

「ゲーム機を買いたくて…」

パソコンでもできるんだけど遥斗いわくゲーム機でしか出来ないものも面白いって言ってたからやってみたかった。

「いこう」


「うーんどっちがいいんだろう」

2つあって1つはテレビに繋げてするものでもう1つは持ち運びもできるというもの。

どっちも3,4万するけどこのために30万下ろしてきたと言っても過言ではない。

「よし!2つ買おう!」

「私も出来そうなゲームあるかな?」

「ありますよ!」

ソフトも美怜さんとできるようなゲームもたくさん買って美怜さんのコントローラーも買った。

美怜さんとゲームを早くしたいけどテストも近いから厳しいかもしれない。


「合計で10万5000円になります」

爆買いをしてしまったけど美怜さんとゲームをするためだ。

「お願いします」

ピコーンと今日何回か聞いた電子決済の音がする。

「荷物どうしよっか」

いやちょっと待って

「美怜さん僕払わなくていいんですか?」

「なんで?」

「僕が買いたいって言った物だから…」

「一応私の方がお金はあるから気にしなくていいの」

と、頭を撫でられる。

「でも…」

「じゃあ今度何か頼むことがあるかもしれないからその時してくれたらいいよ」

「僕何でもしますから!」

それからこの重い荷物はSPさんが運んでってくれた。

帰ったらちゃんとお礼を言おう。

というかSPさん来るのが早かった。

車だよね…ショッピングモールの上を見たらヘリコプターみたいのが飛んでいったけど違うよね…?


「まさも楽しかった?」

驚きはあったけど

「楽しかったです!」

今までで1番楽しかった。

「そっか」

と美怜さんも嬉しそうにしてくれてる。

周りから視線を感じたけど気のせいだよね。

それで最後話題のドーナツ屋さんで買って帰ることにした。

「どんなのがあるんだろう?」

美怜さんとそのことについて話してたら、


「よー!チビ!」

「久しぶりだな!」

僕はその声を久しぶりに聞いた。

会いたくなかった。

中学生の頃僕をいじめてきたやつに。

取り巻きも変わってないってことは同じ高校に行ったのか。

僕は声が出せなかった。

「知り合い?」

美怜さんが僕に聞いてくる。

僕は首を縦に振った。

「そうなんすっよー僕らそいつと中学一緒でー」

「そうなんだ」

僕はここから逃げたかった。

美怜さんが…あいつに取られてしまうかもしれないと思った。

「ところでもしかしてそいつの彼女さんですか?」

「そうだけど?」

それからそいつはいつもの僕がいかにバカで無能なのか美怜さんに言っていた。

「だからチビと綺麗なお姉さんには釣り合わないんでこれから僕達と一緒に遊びませんか?」

と言った。

僕は美怜さんの服を掴む。

無意識に掴んでしまった。

みたいに放っておかれると思った。

けど美怜さんは僕の手を握って

「君たちよりも何百倍魅力的な彼氏くんがいるので」

と去っていった。


「大丈夫?」

「大丈夫ですよ。ほらドーナツ屋さんに行きましょう?」

「でも」

「僕は大丈夫ですから」

僕はいつも通りに美怜さんとドーナツを買って帰った。














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