第16話美怜さんが嫉妬しているのですが?

いつも通り美怜さんと仲良く登校してきて教室に入ると遥斗が

「おはよう!まさって…お前誰?」

「誰って…佐藤雅也だけど」

「本当か?」

「本当」

何を今更言っているのかと思ったけど


「あれって佐藤君!?」

「カッコよすぎない?」

「さすが美怜先輩の彼氏だよな」


そういえば髪を切ってもらっていたのを忘れていた。けど髪型1つでこんなに反応されるのか?ちょっと怖い。


「昨日お前がいなくて寂しかったんだぞ!」

「ごめんごめん」

それからいつも通りホームルームギリギリまでゲームをしていたけど、周りからの視線が気になってあまり上手く出来なかった。


四限が終わり屋上でお昼ご飯を食べている。

「まぁ見た目がガラッと変われば態度を変える人は結構いるからね」

「そうなんですか」

「俺でさえびっくりするくらいだからな」

「そういえば昨日私達が休んでる間2人は教室でお昼ご飯を食べていたの?」

「それは…」

「2人で食べてたよ」

遥斗を見ると、顔を赤くしてる。何かあったのかな?

「遥斗、お弁当作ってるんだ」

「お、おう。最近出費がやばくて作り出したんだ」

「全部自分で作ってるって聞いた時びっくりしたよ」

既に話題に上がっていたらしい。


そこから授業をこなす。

「6限体育はまじいいよな!」

「疲れるよ」

怖い先生の元であまり得意じゃないバスケをやらされるから。

「 美怜さん来るまで待つ?」

「うんそうしようかな」

「じゃあ俺も少しいるか」

「ありがとう」

「別に家帰ってもゲームくらいだから気にすんな」

「あのー佐藤君と紫藤君」

クラスの女子数名に話しかけられる。

そういえば遥斗の苗字は紫藤だった。何か親近感が湧く。

「この後カラオケに行こうかなって思うんだけど良かったら来る?」

僕は美怜さんの以外の女子とは話したことがないからここは紫藤に任せる。


「悪い。俺もまさもテスト近いから勉強しないと行けねぇから無理だわ、ごめんな」

「うんうん気にしないで」

「また今度誘うね」

「ありがとう。遥斗助かったよ」

「お前も少しは慣れろよ。まぁ嘘ついてる俺も悪いけど」


「まさ」

「美怜さん!」

「帰ろう?それと紫藤君ありがとう。本当は彼女の私が行くべきだけど途中から来たから無闇に割り込めなくて」

「大丈夫ですよ。俺も少しだるいなと思ってたんで」


それから遥斗と別れて帰路に着く。

「大丈夫?何かされなかった?」

「大丈夫だよ。僕、ただ遥斗の後ろにいただけだから」

「そっか」

そこ以上は何も聞かれなかった。


家に帰り自室で少し勉強をしていたらドアが開き、

「今日も一緒にお風呂入ろっか?」

「え!?」

「嫌かな?」

「嫌じゃないけど…その…恥ずかしいっていうか」

「恥ずかしがる必要なんてないから」

ということで連行される。


「1日が早いね」

「そう、だね」

相変わらず緊張しているけど横を見れるくらいにはなりました。


「まさは、同い年とか、年下の子がいいとか思ったことないの?」

急にこんなことを聞かれるとは思わなかった。なんて返せばいいのか分からずにいると

「今日、まさが注目されてるのは一緒に歩いてても気づいてたんだ。だからあの時クラスの女子に話しかけられてるのを見て胸が少しキュッってなって」

「それって…」

「だからさ」

途端に美怜さんが僕の目の前にいる。

「証明してよ。私が好きってこと」


これって…美怜さんの嫉妬?でも全くそういう素振りを帰り道見せてなかったから気づかなかった。

というか目のやり場はどうすればいいの!?

「え、いや、あの、最初から美怜さんしか見てないから他の人には興味ないから…全部魅力的で好きだから…」

「そう、ありがとう。」

美怜さんが嫉妬するなんて思わなかったから、

「かわいい」

「え!?」

心の声が漏れてしまった。まぁ本当の事だしいいよね。


「冷蔵庫にまさが好きなアイス買ったから食べよう?」

お風呂上がりの美怜さんもいいなーと思う。

「う、うん」

ずっとドキドキしてしまう。

手を繋いで廊下を歩いていると、


「久しぶり美怜。元気?」

「お母さん久しぶり」

「ところでそのお隣にいる男の子は?」

「あ」

あってまさか

「言うの忘れてた」

拓也社長も言ってないとなるともしかしてお母さんからしたら僕相当ヤバいやつに見えてる?




















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