第63話2人きりの時は…


「ごめん。痛かったよね」

「ううん。大丈夫だよ」

頬を優しくペタペタと触られる。


「こんな綺麗な肌に私は傷つけちゃった…。まさ、私にも同じことしていいよ」

「え!?そんなこと出来ないよ!」

頑張って説得した結果納得してくれた。

良かった〜。


「ご迷惑をおかけしてすみませんでした!」

「雅也君が謝ることじゃないよ!」

「紗奈の言う通りだよ。だから顔を上げて」

旅館に戻った後、迷惑をかけてしまったことを謝った。

紗奈さんと夏江お婆さんは快く許してくれた。


「明日お父様達が来るみたいだから」

「え!?」

「私たちがここにいるって誰かに情報が漏れているからね。その人を突き止めるために呼んだ」

誰かに情報が漏れている…?

「でも気にする事はないよ。この旅館セキュリティ固いしSPも増やしたから」

SPさん大変そう…今度何か差し入れでもしよう。


部屋の前に向かうとそこには…

「やぁ、待ちくたびれたよ」

「咲さん。待っていてくれてたんですか?」

「うん。久しぶりに戻ってきたら誘拐されたとか、家出だとかって聞いてびっくりしたよ」

「で、何か用事?」

「そんな睨まないでよ。今から部屋に戻ったらイチャイチャしたいのは分かるけど」

ん…?イチャイチャ?

「そ、そんなことする訳ないよ!まさも疲れてるだろうし!」

余裕のない美怜さんを見るのは久しぶりだった。さっきまであんなに大人びてたのに。

つい笑ってしまう。


「良かったよ。元気が出たみたいで。実は用事っていうのは…」

と2つのチケットを渡される。

「はい、これ。私のラストステージだからまさ達にも来て欲しくて」

「そうなの!?」

「結構テレビで話題になってるんだよ」

と美怜さんに教えてもらう。

「おかげさまでね。まさには私の演技見て欲しいな」

「うん!絶対行く!」

「ありがとう。じゃあ私は戻るね。後はお2人で…ね?」

最後の含みのある言い方に僕は何とも思わなかったが…


「…」

美怜さんの顔が何故か赤い。



「相変わらず綺麗〜」

久しぶりに2人で入る。

3日間くらい、美怜さんが寝た後にこっそりシャワーだけ浴びていたから露天風呂に浸かるのも久しぶりな気がした。

「本当だね〜」

「あの、美怜さん」

「ん?どうしたの?」

「1回頑張って呼び捨てにした時あったじゃないですか」

「うん。あったね。あの時はちょっとドキッとした。」

「だから…もう一度というか…これからは頑張って呼び捨てで呼んでみようと思います」

「じゃあ今練習しよ」

「今ですか!?」

「ほら」

恥ずかしいというか、緊張する。


「美怜」

「なーに?まさ?」

「…///」

「…///」

マジでこの空気どうするの僕!


お風呂を上がりそろそろ寝ようということになり、

「はい、ここ」

トントンとされている所へ行く。


「今日は抱き枕があるからよく寝れるかな」

美怜…が僕と向き合いながらそう言ってくる。

「僕も美怜…に抱きしめられて寝るの好き…かな」

恥ずかしくなったので反対向きに寝る。

すると、抱きしめてくる。


「今日は甘えん坊さんだね」

「いつもこんな感じだし。」

「まさはこのままがいい。変に見栄を張ったらダメだよ?クラスの男子みたいになるから」

あれ…?クラスの男子を嫌ってはいないよ…ね?


僕は深く聞かずに

「お休み、美怜」

「お休み、まさ」

と言って眠りについた。


《お久しぶりです!テスト3日前ですが書きたくて書いちゃいました笑。後、もう少しで短編も書き終わるので今日やっちゃいます!今日投稿するので是非見てください!ジャンルはこういう系です(*^^*)》

追記:最近異世界系のアニメ見てるので異世界系も近々書きたいです(*^^*)


読んでいただきありがとうございます^^










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