第7話こんなにもらえないのですが?

「今日の相手校って強いの?」

「相手校は頭のいい私立高校で有名だからスポーツ万能のやつもいるんじゃないか?」

まぁこの学校もすごいけどなと遥斗が言う。


今日は練習試合で朝から集められている。

「せっかくの土曜日なのに」

「遥斗は家にいてもどうせゲームだろ?」

「良く分かったな!」

もう遥斗=ゲームみたいになってる。

美怜さんは今何してるかな。最近授業中も美怜さんのことばっかり考えて聞いてなくて先生に怒られることもあった。


「よろしくお願いします!」

お互い全員挨拶し合ってから始まる。

「名前呼ばれたやつからコートに入ってて」

と先生が先輩から呼んでいく。

「雅也と遥斗は1回ダブルス組んで。その後雅也はシングルスな」

「はい!」

「頼んだぞ親友?」

「お前もな」

親友って呼ばれて結構嬉しい。


テニスは4点取ったら1ゲームで6ゲーム先取。(タイブレークやセットでの数え方もありますが説明すると長くなるので省略)

相手は身長が高い。遥斗も高いのだがそれより高い人もいる。

当然サーブもまぁまぁ速いがとりあえず大丈夫だ。

けどダブルスは前に前衛がいるのでただ適当に打ってたらボレーされて終わる。


「ナイス!」

「遥斗もサーブ入るようになったね」

「まさはそれにスピードとスピンをかけてるから全部サービスエースだったけどな」


それからシングルスでは2年生とひたすら戦ったけど1番上手い人には勝てなかった。

やっぱりまだ自分はまだまだなんだと思った。

~~~~~~~~~~~~~~


朝からまさは練習試合みたいで帰ってくるのも夕方になるらしい。それまで私は暇だったのだけど

「あ、まさの給料だ」

なぜ私のスマホに通知が来たのかというと

【まさは見たらきっとびっくりしてもらうのを拒むかもしれない。最悪美怜でも説得出来なかったら管理して欲しい】

とお父様からSINEが来たから。

見ると、まぁまぁな額なのだけど頑張ってたし、これくらいは私も妥当だと思う。頑張って説得しよう。


「今週の仕事1日で終わらせようかな」

毎日コツコツやっててもいいけどそれだとまさとの時間が少なくなるので1日で終わらすことにした。多分夕方までには終わるはず。


~~~~~~~~~~~~~~

「お帰り。まさ」

「ただいま」

あの頃はただいまなんて言っても罵倒と暴言しか返ってこなかったのに今はお帰りと言ってくれる人がいる。

それだけでも幸せだと感じる。


手を繋いで廊下を歩く。やっぱりこの家は広い。

「僕汗臭くないですか?」

「全然。むしろ…」

小さい声で聞き取れなかったけど、聞かないでおこう。

「そ、そういえば!お父様が言ってたお小遣いがまさに振り込まれたみたいだから確認して欲しいって言ってたよ」

「お小遣い…30万?」

とスマホに通知が来ていたので確認する。

こうやってスマホで見れるって便利だなと思う。


見たら僕の予想をめちゃくちゃ上回っていた。

「1、10、100、1000、万、10万、100万!?」

ど、どういうこと!?こんなにもらえないんだけど!?

ボーナスで70万って普通ボーナスって夏か冬じゃないの!?

「ボーナス70万ってどういうことですか!?」

「まぁ今日は6月の月末だしねギリギリ夏が始まってるとカウントしたんじゃない?」

と美怜さんに言われる。


「そうだ!明日デートしよう!」

「え!?」

「せっかくまさのお小遣いも入ったから。ね?」

「行きたいです!」

お小遣いはちょっと使って貯めよう。そして拓也社長に返せたら返そう。









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