第35話歓迎会があるらしいのですが?
「ダメですよ。そんなこと言ったら情けないと思いませんか?」
僕は赤崎先輩の隣に立って言う。
「研修生か。お前もちょっとできるからって調子になるんじゃねーぞ」
と3人の先輩がバカにしてくる。
前までの僕ならすでに引き下がっていたけど
「先輩方も不得意なことはありますよね?
なら、助け合うべきではないんですか?」
すると1人の先輩が
「うるせぇガキが。せっかくこの会社に入るために研修しに来たのに面接で落とされるとまずいよね?」
「俺は人事だからいつでも君なんか落とせるんだよ?」
やっぱり大学生という設定だった。まぁこの会社はいい人ばかりなのでこんな人がいるのはここにいる人くらいだと思うけど赤崎先輩もついていないと思う。
「問題ないですよ」
「ちっ、おもんな。それなら落としてやるわ」
と3人は戻っていった。
「先輩大丈夫ですか?」
「君は強いんだね。彼らとは同僚だからもし関係が悪くなったら会社に居づらくなるから強く言えないよ」
「他にもこういう人居ないんですか?」
「他にはいないよ。みんな優しいからね。だから就職する時大変だったけど」
「そうなんですか」
「本当にいいのかい?入れないとまずいんじゃあ…」
「多分上手くいきますよ」
と言って僕は先輩と仕事に戻る。
午後も問題なく進んだ。この会社の人は仕事ができる人が多いから学べることもたくさんある。
課長に今日はどうだった?とか色々聞かれて答えているうちに定時になった。
「よし、今日は佐藤君の歓迎会をしよう!」
「いやいいですよ。僕なんか2週間しかいないんですから」
本当は3日だけどね。そういう設定らしい。
「気にしない気にしない!みんな最近できてなかったからいいよな?」
と問いかけるとみんな
「やりましょう!」
と言ってきた。
赤崎先輩も一緒になって言っている。
しょうがない。それなら美怜さんに…
「佐藤君行くよ!」
「ちょ、ちょっと待ってください」
結局美怜さんに連絡出来ずにみんなで近くの居酒屋に行く。
居酒屋なんて入ったことがないから酔っ払った人とが店員さんに絡んでるのを見てちょっとびっくりしていた。
お酒は将来ほどほどにしよう。
「それでは佐藤君が来たことを祝して乾杯!」
僕はお酒なんて当然飲めないから烏龍茶。
「あれ?佐藤君お酒飲まないの?」赤崎先輩に言われる。
「あはは、僕全くお酒飲めなくて…」
「そっか。それならしょうがない」
とビールを一気に飲んでいた。
配属先でまだ喋ったことがない人と積極的に喋った。
「佐藤君サークルは?」
「テニスですかね?」
部活だけどね
「俺もそうだったんだー。今度一緒に出来たら」
「はい!」
「佐藤君は彼女とかいるのー?」
美怜さんとはもう婚約者みたいな立場になるって本人も言っていたから
「いませんね」
「そうなの!?なら私佐藤君もらっちゃおうかなー?歳も近いし」
お酒がまわっているみたいなので冗談で言われているのは分かるけど美怜さんに聞かれていたら…
「あ、そういえば」
今出来そうだからしようとすると
「佐藤君、赤崎君潰れちゃったみたい」
「分かりました!店員さんに水もらってきます!」
まだ大丈夫だろう。美怜もまだ仕事してるかもしれないし。
それから先輩の世話をしているとお開きになった。
「先輩大丈夫ですか?」
「うぅ〜。」
高校生で飲み会で潰れた先輩を連れて帰るって多分僕だけだと思うよ?
1人で帰れそうにないのでタクシーを呼んで連れそうことにした。
「鍵借りますよ?」
「ここで大丈夫ですか?」
ベッドに寝かせる。
「うんありがとう」
「おやすみなさい」
「おやふみなさーい」
僕はスマホを開く。
「あ」
現在10時。不在着信が3件。RINEの通知もある。
「まずい」
見ると
「今どこにいるの?」「大丈夫?」「返事して欲しいな」とあった。
僕は急いで帰る。
方向音痴もこの時はひっこんでくれていた。
「ただいまー…」
僕はゆっくりドアを開けて閉める。
「お帰り」
「美怜さん…」
後ろにすでに待っていた美怜さんがいた。
「とりあえず私の部屋に行こうか?」
「はい…」
美怜さんに握られた手はいつもよりちょっと強かった気がした。
《昨日は肩ぶっ壊して投稿できる状況ではなかったので出来ませんでした。ゆっくり休もうと思います。》
読んでいただきありがとうございますm(_ _)m
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