第28話どうすればいいのですか?

「うん…寝ちゃってた」

あの後僕は自分の部屋に閉じこもってそのまま寝てしまった。

「おはよう」

美怜さんが入ってきた。

「大丈夫?今日は念のために学校は休んでおこうね」

「う、うん」

「朝ごはん持ってきたんだ。一緒に食べよう?」

迷惑をかけてるのは分かっている。

けど今は何もしたくない。

今僕を必要としているのは僕を好きでいてくれるから。好きじゃなくなったらあっさり捨てられるのかな。


僕はただ黙々と朝ごはんを食べた。食べている間も美怜さんは話しかけてこなかった。

「シャワー浴びてきた方がいいよ。昨日お風呂入ってないでしょ?」

美怜さんにそう言われ僕はシャワーを浴びた。


「お帰り。次は…」

「美怜さん」

「うん?」

「ちょっと1人にしてもらっていいですか?」

「そうだよね。ごめんね。」

と言って美怜さんは部屋を出ていった。


僕はベッドの上に縮み込む。

本当は美怜さんにいて欲しいけど何もせずに過ぎていく時間は美怜さんにとってもったいないだろう。

素直に言えばいいかもしれないけど迷惑になる。ただでさえ学校にも行かずに引きこもっているから。


「誰にも必要とされてないか…」

美怜さんもこんな僕なんかよりもっとかっこよくて優しい人がいるのに。まぁ最終的には捨てられるんだろうな。

「僕なんかを必要としてくれる人は居ないんだ。」

僕は枕が濡れるのを関係なしに枕に顔を覆う。


「もう5時…」

あれから泣いたり、布団にくるまってたりしているともう夕方になっていた。

すると、ドアがノックされる。

「まさ、入ってもいいかな?」

「うん」

「大丈夫?」

「大丈夫だよ。1日休んだら元気になったよ」

「そう。なら今から行きたい所があるからまさにも来て欲しい」

「分かった」

どこに行くのかは聞かずに僕は行く準備する。


「準備できた?」

「うん」

「じゃあ行こう」

手を差し伸べられる。僕は車の中でも美怜さんの手を掴んでいた。


どこに行くのか分からない。30分ぐらい経った。もう空も暗くなってきている。

トンネルを抜けると海が見えた。

「ここはね、若田家のプライベートビーチだよ。もちろん一般人の区間もあるけど、それでも結構広いよ。」

と美怜さんが教えてくれた。


僕達は海に着くと砂浜に座る。

遠くでサーフィンやボートに乗っている人が見える。

「今日は何をしてたの?」

「今日は…特に何もしてない。」

「そう。実はね私も何もしてないんだ。仕事も少しあるんだけど何故か手がつかなくて、スマホいじろうとしてもそんな気にならなくなるし。」

「そうなんだ。」

「で、ずっと考えてたんだ。そしたらまさがいないからだって思った。まさがいないと心がぽっかり穴が空いたみたいになって、何もできなくなっちゃう」

「ごめん…なさい」

「ううん。別に謝って欲しくて言ったわけじゃない。私は君とこうして夕日が沈む海を一緒に見れてるだけで満足だよ」


「でも、今日一日でどれだけ君が必要か分かったよ。」

「僕は…必要なんてされてないよ。僕は生きてるだけで迷惑をかけてしまうから」

僕はこぼれそうな涙を見せないように顔をうずめる。

「そんなことないよ。生きてるだけで迷惑かけてる人なんていないよ。」

「僕は…!もううんざりだよ!美怜さんがさっさとかっこよくて優しい人を見つけていれば、僕なんかと過ごす必要なんてなかったのにさ、勝手に必要だとか言われても重荷しかならないんだよ。母さんも僕のせいで死んだ。僕が殺したも同然なんだよ?そんなやつが生きてたって…」

美怜さんは急に立ち上がって言う僕を一瞬キョトンとした目で見てきたけど、

「そんなに自分を責めたらダメ。確かに重荷と思うところがあるかもしれないけど、そんなのは気にしなくていい。私に任せちゃえばいい。私は君が生きてくれるだけで嬉しいよ。」

「そんなこと言ったら…ますます迷惑かけるよ…」

「迷惑かけていいよ。なんならもう私に依存しちゃえばいい。君のためなら何でもする」

「美怜さん、もう少しこのまま抱きしめてください」

「うん。いいよ」


僕は父さんに言われたことやずっと考えていたことを美怜さんに話した。

美怜さんは「大丈夫だよ」と抱きしめながら優しく聞いてくれた。

僕は今日散々泣いたのに、また枯れるまで泣いた。


《お久しぶりです!今テスト中で水曜日あたりには終わるのでそこからなんとしばらく毎日投稿をしてみようと思います!最近投稿出来ていなかった分頑張ります(`・ω・´)ゝ》

読んでいただきありがとうございますm(_ _)m








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