第25話遥斗は先輩の試合を見に行く
「お前、前より美怜先輩と仲良しじゃないか?」
「そうかな」
僕と遥斗は部活の間の休憩時間に木陰で話していた。
「だって一昨日はやばいやばい!って言ってたのに、今日は手繋ぎながら一緒にテニスコートに来たから顧問もびっくりしてたぞ」
今日はたまたま女子と時間被っていたので一緒に来た。
「それは美怜さんが繋いでおきたいって言われたから…」
「でもお前もそうしたかったんだろ?」
「う、うん」
僕は美怜さんが朝くれたスポドリを飲む。
「で、キスはしたのか?」
「ゴホッ…!」
あまりにも急すぎたのでむせてしまった。
「大丈夫か?」
「大丈夫。ちょっとびっくりして」
「その反応はしたのか?」
縦に首を振った。
「マジか、じゃあそれよりも…」
「いやそこまでいってないよ」
「なんで!?キスまでいったら普通いっちゃうだろ」
「僕、あまりこういうのが分からなかったからちゃんと覚えてからの方がいいって」
「美怜先輩良く堪えたな…」
「堪えるって?」
「いいや。何でもない。それよりもう休憩時間終わるから行くぞ!」
僕と遥斗はコートに戻った。
部活が終わり、美怜さんを待つ。
「おまたせ。ごめんね遅くなって」
「大丈夫だよ」
「そっかじゃあこれから行きたいところがあるんだけどそのままでもいい?」
「いいけど、どこに行くの?」
「紫藤君に関係する場所かな」
「俺ですか?」
「車呼んで置いたから紫藤君も来てくれる?」
「わかりました」
僕達はいつも乗る大きい黒い車に乗る。
~~~~~~~~~~~~~~~~~
「お膝の上でごめんね?」
「全然大丈夫だよ」
俺は今すごい光景を見せられている。
けどこれは雅也の身長だからできるのかもしれない。
別にこういうのもありだと思うけどいざ見るとなんというか、いいカップルだなと思う。
僕も瞳先輩と…
いけないいけない。今は考えるのはやめよう。
「近くにある飲食店は…このサナゼリアでいい?」
「僕はいいよ!」
「俺も大丈夫です」
お嬢様である美怜先輩もサナゼリアに行くのは意外だ。やっぱりみんな好きなのかな?
「いらっしゃいませ」
「3人で」
「かしこまりました。ご案内します」
「何食べる?」
「俺はドリアにしようかな」
「美怜さんは?」
「私はまさと同じものを食べるよ」
「僕あまり来たことがないけど…これがいい」
と雅也はハンバーグを指さした。
なんて言うか、かわいいな。こういうところを美怜先輩も好きになったんだと思う。
お会計は美怜先輩がしてくれた。気前が良すぎて今度何かお礼しようと思った。
「美味しかったね!」
「そうだね」
こういうカップルがちょっと羨ましい。
車の窓から空をぼんやり見ていると
「着きました」
「ありがとう」
「体育館…?」
市営体育館みたいだ。結構大きい。
「実は瞳の大会が今やってるんだ」
「瞳先輩の!?」
思わず大きな声を出してしまった。
まさか瞳先輩に会えるなんて思ってなかったから。
「どうかした遥斗?」
「いや!何でもない!」
雅也はニヤニヤしながら
「そっか〜それならいいよ」
と言ってきた。
絶対さっきの仕返しだろ。
「いけるよー!」
大会の会場には多くの人がいた。何校いるのか分からない。
ちょうど瞳先輩が出ている。
「頑張れー!」
瞳先輩が一瞬こっちを見てくれた。嬉しい。
シュートを決めてるところとかかっこいい。
来た時は負けていたけど、何とか逆転して
勝てた。
「お疲れ様」
「美怜、来てくれたんだ」
「お疲れ様です」
「遥斗君、応援してくれてありがとうね」
頭を撫でられる。
背は僕の方が1、2センチ大きいのに。
けど雅也の気持ちが少し分かるかもしれない。
読んでいただきありがとうございます( _ _)
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます