第39話悪い人は制裁を与えますが?

「彼には特別に研修生ということにして社内環境の調査をしてもらっていました。ちなみに彼はまだ大学生ではなく私より1つ年下です。」

と言うと少しザワザワし始める。


「お静かにお願いします」

おじさんがそう言うと一瞬で収まった。

あの人もすごい人なのかな?

「社内の環境は特に問題ありませんでした。皆さんいい雰囲気の中で働いてくれていることを嬉しく思います。ほんの一部を除いて」

と美怜さんが一瞬冷たい目線を送る。

そこには昨日散々暴言を吐いていた3人組がいた。めちゃくちゃ青ざめている。


さすがにあの後全員の前でこの音声を聞かせるのはやばいと思って何とか美怜さんに流さないよう説得した。

「それじゃあまさが暴言吐かれてる意味がなくなっちゃうよ」

と言っていたけど

「人間は腐りませんよ?」と馬鹿な発言を流されたくないから必死に止めた。


なので結局音声は流されず集会は終わった。


赤崎先輩と3人は社長室に呼ばれている。

「そこに座って。あ、まさは私の隣」

僕は小声で美怜さんに

「何で僕までここにいるの?」

「それはまさに酷いことをしたから」

殺気を感じるんだけど!?

赤崎先輩もめちゃくちゃ冷や汗出してるよ!?


「呼ばれた理由は分かっていますか?」

「僕達に何かありました?」

「日常的に赤崎さんに暴言を吐きさらに昨日私の大切な人に暴言を浴びせているのを覚えていないのですか?」

「そ、それはなんのことでしょうか?」

「僕達彼らと仲良くしようとしてただけで…」

この3人口裏を合わせてる。


「じゃあこれはどう説明しますか?」

と音声を流した。ちょっと僕の言ってることをまた聞くのは恥ずかしかったけどそれを聞き終わる頃には


「すみませんでした!!」

と3人は飛びついて土下座していた。

「私に謝るのではなくてこの2人に謝ってください」

「すみませんでした!!」


赤崎先輩は戸惑って

「大丈夫ですよ。顔を上げてください」

と言っていた。僕も別に何とも思ってないので

「そうですよ。顔を上げてください」と言った。

許してくれると思った3人はすかさず

「ありがとうございます!!」

と言ったけど


「私はあなた達みたいな人を会社には置いておけません」と美怜さんが3人に向かって言う。

「え?」

「なので来週末付で解雇します。事前予告がなかったので一ヶ月分の給料は振り込んでおきます」

「ま、待ってください」

「そんなちょっとだけで」

「解雇というのは…」


「そんなことではありません。言葉で傷つけるのは時には暴力よりも酷いことだと思います。そんな人たちに今後会社を任せられません」

3人は一気に静かになり部屋を出ていく。

「お疲れ様でした。2人とも」

「あのありがとうございました。これで悩みが消えました」

「それなら良かったです。」

「雅也君もありがとう」

「僕は…そこまでのことしてませんよ」

結局は美怜さんがいないと解決できてなかったし。

「そんなことないよ。年上でも自分の意見が言えるっていうのはすごいことだよ。ましてや高校生でそれを言えるから」

そう言われるとちょっと照れる。


「ありがとうございました!赤崎先輩!」

「君も今は夏休み何だからいっぱい遊びなよ?」

「はい!」

「また会えたらいいね」

「僕がまた会いに行きます!」

「そっか嬉しいな」

「また会社の調査の時に今度は秘書として連れていきますよ」


こうしてなんだかんだ会社の調査は終わり、残りの会社も今度は美怜さんの隣で一緒に仕事ができた。

正直仕事してる時の美怜さんがめちゃくちゃ好きです!


《ラブコメなのか?と書いてて思いましたが次回はちゃんとラブコメです!》






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