第104話
テレサ達が無事帰ってきて、やっと翻訳補聴器が使えるようになった、そう言えば親父も前に会った時に耳に付けたいたな、もし借りれるなら借りておこうかな
「もしもし親父?前に向こうで会った時に補聴器してたじゃん?あれ貸してもらっていい、こっちに送ってくれる?」
「あれは俺のだから貸せないよ、だけどこんなもんたくさんあるから送ってやろうか?何個ぐらい要る?」
「え?そんなにあるの?」
「20個ぐらいはあると思うけど、母さんはそうゆうの作るの好きだったからな、実はドアも何個かあったけどお前の母さんが全部処分しちゃったんだよ、焚火用に」
俺の母親ながらなんてことしてくれるんだ、どこでもドアのように使うこともできるのに、ただ母親は向こうには行けないから意味はないと思ったのかもな
「じゃあ10個でいいから送って、バッグとかばあちゃんが大事にしてた物とかなんかない?」
「小さいのは遺品として取ってあるけど何に使うかわからんぞ」
取り敢えずは補聴器だけあればいいや、ホントはドアも欲しかったんだけど、どうにもならんしなあ
正直最近は翻訳機も進化して余り使い道はなくなりつつあるのかも知れない、ただ同時通訳が魔道具だけでできるのが現代の道具よりは進んでいるところだ
これでやっとファステルに戻ることが出来る、ヘリの操縦訓練をして、王国中を周ってみたいとは思っていた、折角の異世界なのにファステルと王都以外殆ど行ってない、帝国なんて日帰りがざらだし
次の目的地は王国第3の町港町サーティス、ファステルから王都への反対方向に500キロの位置にある、道中は何があるかわからないのでハルクを同行させ、テレサは留守番させヘリではなく四駆でいく、危険になったら戦車も出す予定だ
「じゃあハルクサーティスに行くから運転してくれ」
「はい」
サーティスまでの行程は舗装はされてはいないが馬車道があるのでそれを辿るだけなのに迷うことはない、日本の道のように脇道がまずないから単純だ
この世界には信号もないので止まらずに進むことはできるが、さすがに500キロもあると15時間ぐらいは掛かる、ハルクじゃなかったら話したりして時間を潰すこともできるがほぼ はい しか言わないのでこちらから用件以外話しかけることもない
暇つぶしに見える魔物はライフルで狩ったりはするがそのまま獲物は置き去りだ、オークでも居れば食材にできたりはするのに出てくるのはゴブリンと狼ぐらいだ、狼狩りはスピードがあるので結構楽しめた、数少ない異世界の遊び方で楽しめるアクティビティかもしれない
別に現代でも狩りはできなくはないから異世界限定ってわけでもない、危険度が高いだけだ、現代でも狼とかライオンとか狩ることができれば同じぐらいだがそれは無理だ
潮の匂いが微かに漂うぐらいでサーティスに着くことはできた、まず向かうのは商人ギルド、そこで貸店舗の相談と住む場所の相談をする
帝国から連れてきたハンク達が完全に浮いているので働く先を作ってあげなければならない、今はやらせることもないので孤児院の手伝いをさせてはいるが、元々3人で任せいた場所なのでかなりの過剰人員になってしまっている
商人ギルドに入ると20代の女性と30代の男性がカウンターで話していた、こちらに気付くと顔だけをこちらに向け、何も言わない
「ここは商人ギルドで合っていますか?」
「見ての通りですが何か御用ですか?」
「用がなければ来ませんが、誰か空いてる方は居ませんか?」
「今は見ての通り忙しいので無理だね」
「あなた方はここの人達?」
「そうですがそれが?」
この世界に来てこんな扱いは初めてだ、相手が丁寧にしてくれればこちらも丁寧に接することができるが、乱暴に言ってくればこちらとしてもまともに対応することもない
「また来ます」
急いで街の外まで出るとヘリをバッグから出した、すぐに王都に向かう、王都まで1500キロあるがヘリなら4時間ほどで着く、ムカつく気持ちを抑え、正確な手順で操縦する
王都に着くとすぐに商人ギルドに入り、ギルド長のトムルンさんを呼んでもらう、手が空いていたようですぐに応接室に通された
「ご挨拶が遅れてしまいましたが、この度はご結婚おめでとうございます。」
「もう一月ほど経っているので今更ですがありがとうございます、それよりサーティスの商人ギルドってどうなんですか?」
「どう とはどうゆうことですか」
事情を説明するとため息を漏らした
「遠く離れたギルドの管理は正直難しいのですが、あそこはいつも手数料が少なく隣りのヨツバの町のほうが規模は小さいですが倍ぐらいの利益を上げているのですよ」
「あれだけやる気のないギルド員なら頼むことはないでしょう、そんなに離れてないのなら私だってヨツバに行きますよ、ヨツバでサーティスの物件も扱ってますか?」
「扱ってないこともないですが、その分手数料は上がってしまいますよ」
「お金じゃなくて気持ちの問題ですよ、初対面であれだけ嫌な対応されたら信用できないですよ」
「そうですよね、それより今日向こうに行ってきて何故ここにいらっしゃるのですか?」
「それは高速な移動手段がありますから問題ないです」
「でしたら明日私もサーティスに連れて行ってください」
翌日ギルド長も一緒に連れていくことになり、今夜は伯爵邸で泊まっていくことになった。
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