第70話
「それではヒルダさん、ライトさんお願いしますね」
「はい、それでは行って参ります」
まずは俺が王都で行動する為の許可を得なければいけない、その為の申請を2人に頼んだ、少し時間が掛かるだろうから、その間に宿の手配だ、俺たち(俺、テレサ、シルキー、フレイヤ、ハルク)の宿は前回泊まりかなり気に入った新緑の銀杏亭だ、ここは1人一泊銀貨10枚、5人だと銀貨50枚にもなる、いつ王都での滞在が終わるか不明な為1週間分押さえた
かなりの大金にはなってしまうが、使わないと貯まる一方だ、どんどんこちらの世界に還元していこう、こちらの原価のほうが現代に比べたらかなり安く済む
親方達10人には別の宿を用意した、旅の果てに亭だ、こちらは一泊銅貨40枚、新緑の銀杏亭に比べたらかなりリーズナブルで別にけちったわけでもなく、代わりにお酒はふんだんに用意した
どうせ親方達は酒飲んで酔っ払って寝るだけでなので高級宿なんて必要ない、用意したお酒も一度に渡すなんてバカな真似はしない、全部渡すと全部一気に飲む、飲めなくても飲むと、それがドワーフだ、二日酔いになるのが目に見えるのに潰れるまで飲む気持ちは気が知れない、だが俺みたいに二日酔いに対してポーションで誤魔化すことは滅多にしない
どうやら二日酔いを解消すると損した気になるようだ、それでも大事な仕事の前にはポーションを使うので備蓄はしてあるそうだ
宿に着くとフレイヤがはしゃいでいた
「こんなすごい宿初めてだよ、子爵家も凄かったけどここはそれ以上だよ」
「気に入ってもらえてなによりだ、しばらくはここで過ごすからな」
テレサ
「私達はその、、もう少しランクが低い所でも大丈夫なんですが、お高くないですか?」
シルキー
「ご飯が美味しかったらどこでもいいですよ」
「だいぶ稼いでいるから心配するな、シルキー 日本の飯より美味い宿などないからな」
フレイヤ
「この宿の中見て回ってきていい?」
「ついでにみんなで風呂入ってきたらどうだ?ここの風呂場気持ちいいぞ、銅貨10枚ずつ持っていけ」
風呂場でのマッサージ代を渡した、行ったら驚くだろうな、俺も行くとしよう、風呂から上がるとヒルダが戻ってきていた
「私の泊まる所はどこですか?」
(知らんがな)
「商人ギルドのトルムンさんに紹介してもらうといいですよ、私もここ教えてもらいましたから」
「ナオト君と同じ部屋でいいですよ」
「私いびきをかくのでゆっくり眠れませんから別の宿の方がいいと思いますよ、ハルクも居ますし」
「そうなんですね、なら寝なければいいんじゃないですか?寝ずに、、、、、」
(その先を言うなよ?)
「疲れてますからゆっくりと寝たいですから」
押し問答を繰り返した結果違う部屋の同じ宿に泊まることになった、しかもヒルダさんはスイート、勿論俺の金でだ、なんでそうなったのかはさっぱりわからない
晩飯を終えてゆっくりとしていた所にヒルダさんの部屋に来るように言われた、1人で
「許可は取れました、自由に行動するように言われました」
「それは良かった明日から動きましょう」
部屋に戻ろうとすると
「1人でスイートって広いんですね、2人だとちょうど良いと思いません?」
「ライトさんは一緒じゃないのですか?」
「ギルド長は王都に実家があるのでそちらに泊まるらしいですよ」
「そうですか、それでは」
今回は食い下がられることはなかった、強く言っても無駄だと言うことが理解したのだろう、毎回毎回懲りない人だ、俺以外にたくさん男の人は居るだろうに、あんだけ綺麗なのにもてないのかな、性格がきつくて金に汚いって欠点はあるが
翌朝みんなを集めて
「親方達は街の入り口 帝国方向に柵を作ってくれ、できれば最低でも三重ぐらいで作って欲しい、時間が許す限りは何重にもしてくれ」
「テレサは親方の手伝い必要な物があったら言われた通りに手配してくれ」
「シルキーは親方達と一緒のところで落とし穴を作ってくれ」
「フレイヤとハルクは俺と一緒に冒険者ギルドに行くぞ、それでは各自よろしく頼む」
3人で冒険者ギルドへと向かう、必要な人材の確保だ
「冒険者ギルド本部へようこそ、私は受付のラズです、本日はどのようなご用件でしょう」
「このギルドの中で魔道具の使い方に慣れている者で乗馬が得意な者は居るか?帝国が攻めてくるから時間がないから急ぎで頼む」
「それでしたら今王都に居るメンバーで条件に合うのは暴風の疾駆者ですね、もうそろそろ現れると思いますよ、彼らはCランクで、、、、」
「知ってるからいい」
顔馴染みの人たちの方が扱いやすい、既にバイクを渡してあるので多少は戦車に対しても戸惑うことはないだろう
「どうもお久しぶりです」
「バイクの取立にこんなところまで?期限まではまだあったと思うが」
フリオさん早とちりしすぎ、たかだかバイクの値段ぐらいでこんなとこまで来ないよ、いくら車だからと言って700キロはかなりの距離だぞ
「違いますよ、別件の仕事を依頼しに来たら受付のラズさんから暴風の疾駆者を紹介されたんですよ」
「俺らも忙しいからな、急な依頼は受ける余裕はないぞ、バイクの残りを帳消しにしてくれるならいいが」
「いいですよ」
「いや冗談だ、お前交渉って言葉知らないのかよ」
「それぐらい切羽詰まってるってことです、戦争を止める為にやってきたんですから」
「一介の商人が戦争を止める?相変わらず店主は無茶だな、俺らも心配はしてたけどできることないから普段通りに過ごしてるよ」
「取り敢えず街の外に出ますよ、それで詳しい話しますから」
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